Clover4

 

 

 

登場人物

 

 

 

板橋 智之(いたばし ともゆき)・・・通称、トモ 

                   ガサツな性格が玉に傷の店員 フロアー担当

 

 

中田 栄次郎(なかた えいじろう)・・・通称、エイジ

                    いわゆる美形だけどオネエ。仕事以外は外では男言葉で話す

                    フロアー担当

 

 

齊藤 和之(さいとう かずゆき)・・・通称、カズ

                   何かとトモを使って新しいメニューの試食(実験)をしたがる変人

                   厨房担当

 

 

 

 

赤塚 真希子(あかつか まきこ)・・・通称、マキ

                   人気のコスプレイヤー、ブラッド。

                   厨房、バックヤードでは普通に話す。

                   ホールで接客する時は、男装して、男言葉を使う

                   裏メニューのオーダーの際は、どちらも使いわける

                   厨房兼、ホール担当

 

 

 

 

仲里 茉央(なかざと まお)・・・本日の御客様

 

 

 

 

 

比率:【3:2】

 

 

上演時間:【40分】

 

 

 

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CAST

 

板橋 智之:

 

中田 栄次郎:

 

齊藤 和之:

 

赤塚 真希子:

 

仲里 茉央:

 

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(Clover4 バックヤード)

 

 

 

 

 

板橋:「はよ~っす・・・」

 

 

 

赤塚:「あらトモ、今日は早いじゃない。明日は、隕石でも堕ちて来るかも」

 

 

 

板橋:「何、朝っぱらからくだらない事、言ってんだ。アホだろ」

 

 

 

赤塚:「アホはあんたでしょ。私に学力で勝つつもり?」

 

 

 

板橋:「そうやって、いつも自分の有利なフィールドで勝負ばっかしやがって・・・。

    たまには、俺の得意分野で勝負させろよ」

 

 

 

赤塚:「嫌よ。トモの得意分野って言ったら、筋トレじゃない。余計な筋肉付けるなんて、出来ない」

 

 

 

板橋:「余計な筋肉って何だよ!!!」

 

 

 

赤塚:「その見るからに暑苦しい体よ。冷房効いてるはずなのに、あんた来ると店内の気温、10度くらい上がったように感じる~」

 

 

 

板橋:「何だと~!!!」

 

 

 

斎藤:「大きな声がするから、来てみたら、やっぱりトモ君でしたか~。ふふふ・・・」

 

 

 

板橋:「ゲッ!? カズ、居たのかよ・・・」

 

 

 

斎藤:「同じ職場で、働いてるんだから、当然じゃない。

    ・・・そうだ、ちょうど良かった。今、丁度、新メニューのアイディア浮かんで、こんな物、作って見たんだ・・・」

 

 

 

赤塚:「うわ~、今回、かなり責めたわね・・・」

 

 

 

斎藤:「今までの私は、ちょっと後ろ向き過ぎたから、今回は思い切って冒険してみたんだよね~。

    さぁ~、トモ君、食べて見て~」

 

 

 

板橋:「・・・カズ、これは何だ?」

 

 

 

斎藤:「何って、見ればわかるでしょ? 魅惑のフルーツたっぷりの、パフェだよ~・・・ふふふ」

 

 

 

板橋:「これの何処が、魅惑のパフェなんだよ! ボコボコ、何か泡立ってるじゃねーか! 

    なっ? マキ、お前も可笑しいと思うよな?」

 

 

 

赤塚:「トモすまない。・・・フロアーで、僕を呼ぶ子猫ちゃん達の声が聴こえたから、行って来るよ」

 

 

 

板橋:「おいっ、待てよ! そんな声、聴こえなかったぞ!?」

 

 

 

赤塚:「トモ・・・。君の雄姿は、この先もずっと語られるだろう。じゃあ、検討を祈ってるよ。アデュー!」

 

 

 

板橋:「マキの野郎・・・。逃げやがって・・・」

 

 

 

斎藤:「ふふふ・・・。邪魔者は消えて、二人っきりですね。・・・トモ君・・・♡」

 

 

 

板橋:「何で、語尾にハートマーク付けてるんだよ・・・」

 

 

 

斎藤:「それは、愛しいトモ君に、愛情沢山込めた、このパフェ、食べてもらえるからですよ。はい、ア~~~ン」

 

 

 

板橋:「止めろ・・・。スプーンを近づけるな・・・! 

    よせ・・・。・・・・・・ぐあああああああああああああああああああ!」

 

 

 

 

中田:「まぁ、大きな叫び声! もう、バックヤードでは静かにしてよね~。お客様、驚いちゃうじゃないの~」

 

 

 

赤塚:「危なかった・・・。もう少しで、巻き込まれる所だったよ」

 

 

 

中田:「あら、マキ。休憩時間、まだ残ってるけど、良いのかしら?」

 

 

 

赤塚:「あのまま、あそこに居たら、屍になってる所だからね・・・」

 

 

 

中田:「その様子だと、またカズの新メニューね~。・・・一体、今回はどんな物、作ったのかしら・・・」

 

 

 

赤塚:「それはだな・・・」

 

 

 

斎藤:「フルーツたっぷり、愛情たっぷり、後、ちょっぴり情熱的な隠し味入れた、特製パフェですよ・・・」

 

 

 

中田:「・・・そうなのね~。・・・その見るからに怪しい物体がパフェ・・・」

 

 

 

斎藤:「そう! これこそ、究極のGo、to、HEAVEN行き間違い無しの、フルーツパフェ!

    その名も・・・、

    やだっ! 目の前がお花畑で凄くメルヘン! 此処ってもしかして、天国! 嘘っ! ヤバっ! 超ウケる!

    私、天国に来ちゃった~! どうしよう~! パフェ~!!!!」

 

 

 

 

赤塚:「相変わらず、理解に苦しむネーミングセンス・・・」

 

 

 

中田:「ネーミングセンスもそうだけど、あのボコボコとマグマのように吹き出してる青い物質は、何なのよ~!」

 

 

 

斎藤:「エイジったら、良い所に気付きましたね。・・・これは・・・・・・、企業秘密です・・・ふふふ」

 

 

 

中田:「無駄な間の長さ止めなさいよ! かえって気になったわよ!」

 

 

 

斎藤:「そんなに気になったのなら、エイジも一口・・・」

 

 

 

中田:「えっ、嘘ッ!?」

 

 

 

板橋:「あ~、酷い目にあった・・・」

 

 

 

中田:「はっ! ベストタイミングよ! トモ!」

 

 

 

板橋:「ん?」

 

 

 

中田:「秘技発動! 中田流奥義、業火地獄大車輪! うぉりゃああああああああああ!」

 

 

 

板橋:「うおおおおおおおおおおおお!!!! いきなり投げ飛ばすんじゃね~よ!!!」

 

 

 

斎藤:「やだっ!? トモ君が私に目掛けて、急接近・・・! 困ったな~! どうしよう~!!!!」

 

 

 

板橋:「くだらね~芝居してないで、避けろってんだ!」

 

 

 

斎藤:「・・・仕方ありませんね。・・・。よし、先程作ったこれ飲んで・・・。

    ・・・うっしゃあああああああああ!!! ラブリーキャ~~ッチ!!!」

 

 

 

板橋:「グフォ~・・・!!!!」

 

 

 

斎藤:「つ~かまえた♡」

 

 

 

板橋:「カズ・・・。お前、どうして・・・、こんなに腕、逞しいんだ・・・」

 

 

 

斎藤:「それは・・・カズ君の愛情で♡」

 

 

 

板橋:「それだけじゃないだろ・・・」

 

 

 

斎藤:「後、特製料理でドーピングを少々」(しれっと)

 

 

 

板橋:「やっぱ、そんな事だろうと思った! くそっ、離しやがれ~!」

 

 

 

斎藤:「嫌ですよ。さぁ、今です。マキ!」

 

 

 

赤塚:「御指名とあれば仕方ないね。恨まないでくれよ。トモ。はい・・・ア~~ン」

 

 

 

板橋:「嫌、嫌だあああああああああああああ~!!!!」

 

 

 

中田:「・・・トモ、安らかに眠りなさい。ア~メン・・・」

 

 

 

(SE チーン)

 

 

 

斎藤:「あ~、楽しかったですね。やはり、新メニューの開発には、トモ君は抜群です。さて、そろそろランチの準備、準備~」

 

 

 

中田:「いっけな~い。私も、昼休憩、入っちゃうわね。マキ、後、宜しくね~」

 

 

 

赤塚:「は~い。行ってらっしゃ~い」

 

 

 

板橋:「・・・お花畑で、お花畑で、カズがファイアーダンス踊ってる・・・。」(うなされている)

 

 

 

赤塚:「今日も、僕達の命は、救われたよ。グッジョブ、トモ」

 

 

 

 

 

 

(街中)

 

 

中田:「あいつらにも困ったもんだ・・・。さてと、今日の昼は何にしようかな~」

 

 

 

 

仲里:「あ~!!! もう!!! 圧倒的に、癒し足りな~い!!!

    世の中のイケメンは、一体、何処に消えたのよ~!!!

    あ~、もう仕事のストレスMAX!!! ・・・あっ、痛っ!!!

    誰よ! こんな場所に空き缶、捨てたの!!!

    空き缶は、ちゃんと、ゴミ箱に捨てなさーーーーーーーーーい!!!!」(思いっきり投げる)

 

 

 

中田:「痛あああああああああ!!!」

 

 

 

仲里:「やばい!!! 通行人に当てちゃった・・・。

    すみません!!! 大丈夫ですか!?」

 

 

 

中田:「これ、投げたの君・・・?」

 

 

 

仲里:「はい・・・」

 

 

 

中田:「スチール缶は、打ちどころ、悪かったら、大怪我になるからね」

 

 

 

仲里:「はうあ! イケメン・・・。はぁ~、眼福、眼福~」

 

 

 

中田:「ねぇ、ちょっと聞いてる?」

 

 

 

仲里:「聞いてますよ~。・・・そうだ、記念に写真も・・・」

 

 

 

中田:「こっちは、真面目に説教してるつもりなんだけど・・・」

 

 

 

仲里:「ごめんなさい!!! 実は・・・」

 

 

 

 

 

 

中田:「なるほど・・・。それで、あんなに喚き散らしてたんだね」

 

 

 

仲里:「面目もないです・・・。・・・あの~、傷みますか?」

 

 

 

中田:「少しね・・・」

 

 

 

仲里:「どうやって、償ったら、良いでしょうか・・・?」

 

 

 

中田:「ねぇ、お腹、空いてない?」

 

 

 

仲里:「上司に説教されっぱなしで、実は腹ペコなんです・・・!!!」

 

 

 

中田:「それなら、グッドタイミングだ。一緒に付いてきて」

 

 

 

仲里:「何処にですか?」

 

 

 

中田:「良い所」

 

 

 

 

 

 

 

板橋:「・・・超絶、悪夢だった・・・」

 

 

 

赤塚:「やっと目、覚ました。トモ、災難だったね」

 

 

 

板橋:「そう思うなら、いち早く助けろよ・・・」

 

 

 

赤塚:「そんな事したら、この僕まで、被害に合うじゃないか。そんなのは、ごめんだよ」

 

 

 

板橋:「この野郎・・・」

 

 

 

(お店のドアのベルが鳴る)

 

 

 

赤塚:「いらっしゃい。迷える子猫ちゃん・・・って、なんだ、エイジか・・・。帰ってくるの随分、早かったね」

 

 

 

中田:「お客、連れて来た。だからだ」

 

 

 

赤塚:「それで、そのモードの訳ね。・・・それで、肝心のお客様は何処?」

 

 

 

中田:「それなら、俺の後ろに隠れてる。・・・ほらっ、出て来い」

 

 

 

仲里:「また違うタイプのイケメンだ・・・。何? 此処? 天国・・・?」

 

 

 

赤塚:「イケメン・・・、それは僕の事かい? 初めまして、可愛い子猫ちゃん」

 

 

 

仲里:「はい・・・。・・・そのボイスも素敵です・・・」

 

 

 

赤塚:「褒め言葉、嬉しいよ。ゆっくり、して行ってね」(投げキッス)

 

 

 

仲里:「はう~~~。何、此処。天国・・・キュン死しちゃう・・・」

 

 

 

中田:「マキ、俺、着替えてくるから、後、頼むな」

 

 

 

赤塚:「オッケー」

 

 

 

板橋:「マキめ・・・。初めてのお客だと、全力で落としにかかりやがって・・・」

 

 

 

赤塚:「僻みは見っとも無いよ。トモ。・・・実力で勝負しなよ」

 

 

 

仲里:「今度は、ワイルド系イケメン来た~」

 

 

 

板橋:「お前、中々、目の付け所、良いじゃないか! 俺の筋肉美わかるなんてさ

    なぁ、悪い事は言わない。・・・俺にしとかないか?」

 

 

 

赤塚:「ちょっと待ちなよ。この子は、僕に一目惚れしたんだ。勝手な真似はよしてくれ」

 

 

 

板橋:「勝手な真似とはなんだ! 第一、いつお前のお客だと、決まったんだ!?」

 

 

 

赤塚:「それは、この子猫ちゃんが、お店に入ってくる前からだよ ねっ? 子猫ちゃん」

 

 

 

仲里:「そうで~す♡」

 

 

 

板橋:「出会う前じゃね~か! そんなのノーカウントだ」

 

 

 

赤塚:「負け惜しみは、見っとも無いよ」

 

 

 

仲里:「タイプの違うイケメン、2人に取り合いされてる・・・。これって、私にも、ついにあのセリフが言える時、来た~」

 

 

 

赤塚:「この子猫ちゃんと、僕は運命の糸で・・・」

 

 

 

仲里:「あの~!!! お願いですから!!! ・・・わ」

 

 

 

斎藤:「私の為に、2人共、喧嘩なんかしないで~!!!!」

 

 

 

仲里:「え!? それ、私の台詞~!!! ガーーーーーン・・・!!!」

 

 

 

板橋:「おいっ、カズ! この子の大事なセリフ、取るなよ!!!」

 

 

 

赤塚:「あまりのショックで、放心状態になってる・・・。ねぇ、子猫ちゃん、大丈夫かい?」

 

 

 

仲里:「何とか・・・」

 

 

 

斎藤:「ごめんね~、セリフ取っちゃって。お詫びに、はい、これはサービス♡」

 

 

 

仲里:「美味しそうな・・・フルーツパフェ。良いんですか?」

 

 

 

斎藤:「勿論だよ~。そのパフェは、君に食べられたくて、この世界に生まれたんだよ。

    だから、残さず食べて、材料たちを残らず成仏させてね♡」

 

 

 

仲里:「え? 成仏?」

 

 

 

斎藤:「あっ、言い間違えた。・・・喜ばせてあげてね。・・・ふふふ」

 

 

 

仲里:「それなら、遠慮なく・・・、丁度、お腹も空いてたんですよね~。いっただきま~す♪」

 

 

 

赤塚:「ちょっと待って! って、遅かった・・・」

 

 

 

斎藤:「・・・お味は、どうだい?」

 

 

 

仲里:「見た目通り、美味しいパフェで、舌がとろけます~」

 

 

 

赤塚:「あれ・・・? 僕の考えすぎか・・・」

 

 

 

板橋:「何だ、今度はまともな物、作ったんだな。俺にも一口、食わせろ♪」

 

 

 

仲里:「はい、どうぞ」

 

 

 

板橋:「あむ・・・。・・・。・・・むほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 

仲里:「悶絶する程、美味しいですよね♪ このパフェ」

 

 

 

中田:「ふぅ~、やっぱりこの姿が楽だわね~。何、またトモが倒れてるじゃないの~。

    もう、邪魔ね~。・・・そ~・・・れっ!」(投げ飛ばす)

 

 

 

板橋:「あ~~~れ~~~」

 

 

 

中田:「これでよしっ。・・・マキ、何があったの?」

 

 

 

赤塚:「それが、僕にも・・・」

 

 

 

斎藤:「予想外の事が起きて、混乱してるマキちゃんの代わりに、私が答えてあげるよ。

    天才的頭脳で、はじき出した答えから言うと、ずばり、このお客様は、

    相当な味覚センスの持ち主だね~。

    なんせ、私の特製パフェを此処まで美味しく召し上がるなんて、まさに女神だよ~」

 

 

 

中田:「ようするに、この子の味覚が、驚異的で免疫力も人並み以上で、超人的胃袋の持ち主ってわけね」

 

 

 

赤塚:「マキの試作品に耐えれるなんて、アメイジングだよ」

 

 

 

斎藤:「二人共、褒めても、パフェしか出ないからね・・・」

 

 

 

仲里:「ご馳走様~。・・・美味しかった~」

 

 

 

中田:「どうやら、落ち着いたようね」

 

 

 

仲里:「え? もしかして、さっきのイケメンさん?」

 

 

 

中田:「さっきのは世を忍ぶ仮の姿。本当の私は、これよ~」

 

 

 

仲里:「イケメンに、追加属性まで付いて来るなんて・・・。

    此処を、私の、心の聖地に認定します。

    いや~、今日は付いてる日だ~♪」

 

 

 

中田:「その様子なら、もう安心ね。気分が晴れないなら、あれもサービスしちゃおうかと思ってたけど・・・」

 

 

 

仲里:「あれとは、何ですか?」

 

 

 

板橋:「おっ、それ良いアイディア。久しぶりに、やろうやろう」

 

 

 

赤塚:「エイジ、あれは知ってるお客様だけの、裏メニューって決まりだよね?」

 

 

 

板橋:「別に良いだろう。此処ん所、通常営業ばっか続いてたんだし」

 

 

 

中田:「トモの言う通りよ。これをきっかけに、新しいお客様も増えたら、素敵じゃな~い」

 

 

 

赤塚:「そうだけど・・・」

 

 

 

斎藤:「私も賛成だよ。・・・このお客様に、まだまだ試食してもらいたい料理も多いからね~」

 

 

 

赤塚:「ふぅ~、僕の負けだよ。・・・そうと決まれば、用意してくるよ」

 

 

 

仲里:「一体、これから何が始まるんですか?」

 

 

 

中田:「それは、見てのお楽しみよ~」

 

 

 

 

 

 

板橋:「・・・準備、出来たぜ。はぁ・・・この姿、慣れないから、違和感が・・・」

 

 

 

赤塚:「もう何度目だと思ってるのよ。良い加減になれなさいよ・・・」

 

 

 

板橋:「お前は、違和感なくて羨ましいよ・・・」

 

 

 

赤塚:「これでも私だって・・・、初めは苦労したのよ・・・」

 

 

 

仲里:「あああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

赤塚:「もう! いきなり大声出して・・・、どうしたのよ!?」

 

 

 

仲里:「ごめんなさい・・・。あの・・・、もしかして、・・・有名コスプレイヤーの、ブラッドさんですか?」

 

 

 

赤塚:「そうだけど・・・」

 

 

 

仲里:「写真で、拝見した事あるのですが・・・・、さっきみたいな男装は初めてみました・・・。

    こんな所で、本物と会えるなんて、夢見たい~・・・」

 

 

 

赤塚:「そんなおおげさよ・・・。イベントでは、男装はしてないけど、お店では男装もしてる感じよ。

    此処に来てくれたら、いつだって会えるわよ」

 

 

 

仲里:「本当ですか!?」

 

 

 

赤塚:「ええ」

 

 

 

中田:「お待たせ~。あら、すっかり打ち解けたようね~。あら? カズは、まだかしら・・・?」

 

 

 

板橋:「あぁ・・・。仕方ない・・・、見てくる・・・」

 

 

 

斎藤:「その必要はないさ・・・。僕なら、さっきからトモの側に居たよ・・・。ねっ、トモ・・・。ふ~」(耳に息を吹きかける)

 

 

 

板橋:「うぎゃあああああああああ!!!!! ・・・耳に息を吹きかけるな・・・」

 

 

 

斎藤:「ふふふ・・・」

 

 

 

中田:「・・・はぁ・・・。・・・これで全員、揃ったわね~。

    それじゃあ・・・、皆、行くわよ~!!! 

    ・・・ようこそお客様~!!! Clover4へ!!!」

 

 

 

斎藤:「こちらが、当店のメニューで~す!」

 

 

 

板橋:「どのような声で、どのような台詞が、お好みでしょうか~?」

 

 

 

赤塚:「貴女の望むメニューを、オーダーして下さいませ!!!」

 

 

 

 

 

仲里:「え? これって・・・? 此処は、カフェじゃないのですか?」

 

 

 

中田:「うふふ・・・。カフェで合ってるわよ。但し、貴女みたいにストレス、

    抱えてる人には、当店の裏メニュー、勧めてるのよ~」

 

 

 

板橋:「そう、それがこのメニューってわけだ。さぁ、どんなオーダーが希望なんだ?」

 

 

 

仲里:「・・・どんなオーダーでも良いのですか・・・?」

 

 

 

板橋:「ああ、構わないよ」

 

 

 

中田:「私達が、心を込めて、最高の一品を提供するわ~」

 

 

 

赤塚:「さぁ、恥ずかしがらずに、教えて」

 

 

 

仲里:「・・・分かりました・・・。オーダー・・・。・・・私に、とびっきりの罵声をお願いします!!!」

 

 

 

中田:「罵声・・・?」

 

 

 

仲里:「はい・・・」

 

 

 

板橋:「珍しいオーダーだな・・・。てっきり、癒し声とか頼むと・・・」

 

 

 

斎藤:「トモの癒し声は・・・、期待出来ないね~」

 

 

 

赤塚:「そもそも、トモは癒し声じゃないわよ」

 

 

 

板橋:「お前らな~・・・」

 

 

 

中田:「ほら、あんた達、お客様に、オーダーいただいたのだから、集中~」

 

 

 

仲里:「あの・・・、こんなオーダーでも、大丈夫でしたか・・・?」

 

 

 

中田:「勿論、オッケーよ~。ねぇ、良ければ、オーダーの理由、聞かせてくれないかしら?」

 

 

 

仲里:「理由ですか・・・。実は・・・、私、いつも仕事で、押し付けられたり・・・、怒鳴られたりなんです・・・。

    ・・・肝心な時に・・・、言い返す事も出来なくて・・・、貧乏くじばかりなんですよね・・・。

    ・・・どうして私だけ、こんな目に合うんだって、気付けば自己嫌悪ばかりで・・・。

    だから・・・、そんな自分が・・・、言い返したくなるくらいの、酷い罵声を、皆さんにオーダーしたいんです・・・!!!」

 

 

 

 

中田:「貴女の心からのオーダー・・・。確かに受け取ったわよ・・・。ねっ、皆!!!」

 

 

 

板橋:「へっ! 久しぶりに腕が鳴るぜ!!!」

 

 

 

斎藤:「中々に、難しいオーダーだけど、トモ、大丈夫かい?」

 

 

 

板橋:「おう!!! 任せろってんだ!!!」

 

 

 

赤塚:「大した自身だけど、私はトモに負ける気がしないな~」

 

 

 

板橋:「お前の吠え面、楽しみにしてるよ!!」

 

 

 

仲里:「皆さん・・・、ありがとうございます・・・」

 

 

 

中田:「さぁ・・・、準備は良いかしら?」

 

 

 

赤塚:「ええ」

 

 

 

板橋:「いつでも」

 

 

 

斎藤:「ふふふ・・・」

 

 

 

中田:「じゃあ、誰の一品からが良いか、決めて頂戴」

 

 

 

仲里:「それじゃあ・・・、自身のあるトモさんからで・・・」

 

 

 

中田:「かしこまりました。・・・それじゃあ、トモ、頼むわよ~」

 

 

 

板橋:「オッケー~!

    ・・・なぁ、お前、いつも俯いて、怒鳴られてばかりで、悔しくないのか?

    自分の言いたい事、我慢してばかりで、そんなお前を見てると、こっちまでイライラするんだよ!!!

    どうせ、心の中では・・・、散々、悪態ついて、俺を罵声してるんだろう!!!

    そんな事ばかりしてるから、怒鳴られたり、女は大人しくお茶でも汲んでろ!!!

    笑顔で、上司に御酌してろとか、言いたい放題、言われるんだよ!!!! 

    俯いてばかりいないで、ほらっ!!! 悔しかったら、言い返してみろよ!!!」

 

 

 

 

仲里:「何が・・・、俯いてるですか・・・。私だって・・・」

 

 

 

 

板橋:「あ? 声が小さくて、聴こえな・・・」

 

 

 

 

仲里:「言いたい放題、言いやがって。・・・私だって、悔しいわけないでしょう!!!!

    あんたの言う通り、仕事から帰ってからは、何度も悔し涙で枕、濡らした事だってあるわよ・・・!!!

    お茶でも汲んでろ・・・、御酌でもしろと言うなら、まずはこっちから尊敬して貰えるように、

    もっと、人に気配りしろってんだ!!! 馬鹿野郎!!! 

    ・・・はぁ、はぁ、はぁ~・・・!!!」(荒い息)

 

 

 

 

中田:「あら、まぁ~・・・」

 

 

 

仲里:「あっ・・・、私ったら、すみません・・・・」

 

 

 

板橋:「謝る事なんてない・・・!!! 良い罵声だったぜ!!! この調子で、どんどん行こう!!! なっ!!!」

 

 

 

仲里:「はいっ!!!」

 

 

 

中田:「久しぶりだから、心配したけど・・・、そんな必要、無かったわね。

    さぁ、次は誰にする?」

 

 

 

仲里:「じゃあ、そちらの方に・・・」

 

 

 

中田:「わかったわ~。カズ、準備は良いかしら?」

 

 

 

斎藤:「勿論だよ・・・。ふふふ・・・。さぁ・・・覚悟てね・・・」

 

 

 

仲里:「・・・」

 

 

 

斎藤:「・・・ねぇ~、君はどうして会社に居るの? 何も仕事の成果も出してないよね~。

    その割には~、給料だけはしっかり貰って、それってさ~、世間では、給料泥棒って言うよね~!

    あっ・・・、今、眉間がぴくって動いたよね~。へ~自分でも、自覚してるんだ~。驚いたな~!!!

    自覚してるのに~、何の成果も出さないまま、上司に怒鳴られてばかりで、学習力も無いよね~!!

    ほらっ、今度は頬がひくついた・・・。ねぇ、悔しいんでしょう? 悔しいなら~、何とか言ったらどうだい?

    ・・・このヘタレ給料泥棒~・・・!!!!」

 

 

 

 

仲里:「・・・ヘタレはあんたの方でしょう。・・・ネチネチネチ、人の気にしてる所、攻撃しやがって・・・。

    私だって!!! 会社の御荷物になってる事くらい、わかってるわよ!!!

    だから変わりたいの!!! それを何!? 給料泥棒!!!?

    あんたの方こそ、嫌味を毎日言ってばかりで、働いてないじゃない!!!! この給料泥棒!!!!

    ・・・ふぅ~・・・」

 

 

 

 

斎藤:「やれば出来るじゃない。僕のネチネチ攻撃にも、負けなで、言い返すなんて見事だったよ」

 

 

 

 

仲里:「上司に、似たようなタイプいたんで・・・、つい感情的に・・・」

 

 

 

 

斎藤:「そりゃあ、良かったよ~」

 

 

 

 

中田:「良い表情になって来たわね~。さぁ、次は、私とマキのどちらが良いかしら?」

 

 

 

 

仲里:「えっと、それじゃあ、マキさんで・・・」

 

 

 

 

中田:「あら、私が最後ってわけね。良いわよ~。・・・さっ、マキ、準備は良い?」

 

 

 

 

赤塚:「いつでも良いわよ。

    ・・・あ~、そんな所に居たんだ~。影が薄くて気付かなかった~!!

    そうそう、この資料だけど、明日の朝一までにお願いね~!!!

    あっ・・・ごめん。・・・あんたの仕事能力じゃ~、朝一は無理だったわね~。

    本当、使えない子・・・。あっ、私ったら、つい、思ってる事が口に出ちゃった~!!!

    何? その顔? それで睨んでるつもりなの? 睨む暇があるなら、手を動かしなさいよ!!!

    会社内でも、ノロマなカメだって、自覚してる!?

    あんたのせいで、こっちまで残業が増えて、良い迷惑してるのよ!!!

    仕事する気ないなら、さっさと辞めなさい!!!! 邪魔なのよ!!!!」

 

 

 

 

 

仲里:「・・・」

 

 

 

 

赤塚:「黙ってるしか、出来ないなら・・・」

 

 

 

 

仲里:「仕事能力が、人より無いのは・・・、認めます・・・。

    でも・・・!!! 使えない子って言葉は、止めてください!!!!

    何よ!!! 私だって、これでも一生懸命、仕事してるんです!!!!

    ノロマなカメ!? あああ、結構よ!!! 途中で余裕で、休んじゃうお局ウサギなんてね・・・。

    いつか、絶対、追い越して見せますから!!!

    後・・・、絶対に会社は辞めません・・・。辞めてやるもんですか!!!!」

 

 

 

 

 

赤塚:「・・・やるじゃない・・・。良い罵声だったわよ・・・。

    ねぇ、罵声も出来たんだから、思い切って、私と一緒に、コスプレも初めて見ない?」

 

 

 

 

仲里:「え? コスプレですか・・・? それはちょっと・・・」

 

 

 

 

赤塚:「困った顔も、可愛いね・・・。ねぇ、僕と一緒は嫌かい?」

 

 

 

 

仲里:「あ・・・、嫌じゃ・・・ないかも・・・」

 

 

 

 

赤塚:「よし、決ま・・・」

 

 

 

 

中田:「はい、ストップ。・・・どさくさに紛れて、勧誘しないの~」

 

 

 

 

赤塚:「ちぇっ・・・、もう少しだったのに~・・・」

 

 

 

 

中田:「さぁ、最後は私の番ね。・・・腕が鳴るわ~・・・」

 

 

 

 

仲里:「あの・・・、お手柔らかに・・・」

 

 

 

 

中田:「そこ邪魔よ!!! ねぇ、ぼさっとしてる暇があるなら、この資料と、この資料のコピーやって来て。

    ・・・ほらっ、早く!!! 私には時間が無いのよ~!!!

    あ~、もう怒鳴ったから、折角整えた化粧が台無しよ~。

    ねぇ、そんな風に、黙って立ってられると不気味なのよね~!!!

    あっ、社長に思い切って、肝試し大会でも提案しようかしら~!!!

    貴方なら、メイクも無しに、お化け役で、採用されるでしょうね~!!!!

    ・・・本当、気味悪い・・・。社会人なんだから、少しは化粧にも気を使いなさいよ!!! 

    あっ、ほらまた!!!!

    貴方を怒鳴ってたら、化粧が崩れて仕方ないわよ!!!」

 

 

 

 

 

仲里:「化粧ばかり気にしてるんじゃ無いわよ・・・。・・・この妖怪、顔面タンクローリー!!!

    資料のコピーも一度に持ってこないで!!!

    あんただって、化粧で厚塗りする暇あるなら、コピーの一つは出来るじゃない!!!

    誰が、お化け役で採用されるよ!!! あんたの方こそ、厚塗り過ぎて、妖怪じゃない!!!

    そんなに化粧が崩れてばかりなら、いっその事、セメントでも顔面に、塗ってなさいよ!!!!」

 

 

 

 

 

中田:「セメント!? ・・・ぷっ、あははははは・・・!!!

    咄嗟に、そこまで言い返せるなら、もう心配ないわよ~。頑張ったわね~」

 

 

 

 

 

仲里:「ありがとうございます・・・。皆さんのお陰で、気分もすっきりして・・・、

    何だか、生まれ変わった気分です・・・!!!

    ・・・このオーダー、癖になりそうかも・・・」

 

 

 

 

中田:「お気に召して貰えて良かったわ。・・・最後に、お客様に、一番良かった一品、選んで欲しいのだけど、

    トモ、エイジ、カズ、私(マキ)の中で、誰が、一番、良かったかしら・・・?」

 

 

 

 

 

仲里:「皆さんの一品の中で、一番、私の心に響いたのは・・・、〇〇〇さんです・・・」

   (※トモ、エイジ、カズ、マキから選んでください)

 

 

 

 

 

板橋:「※ 選ばれた場合、アドリブで仲里にお礼を言ってください」

 

 

 

中田:「※ 選ばれた場合、アドリブで仲里にお礼を言ってください」

 

 

 

斎藤:「※ 選ばれた場合、アドリブで仲里にお礼を言ってください」

 

 

 

赤塚:「※ 選ばれた場合、アドリブで仲里にお礼を言ってください」

 

 

 

 

 

 

仲里:「皆さん・・・、ありがとうございました・・・。もう罵声されてばかりの私は、卒業します・・・!!! 

    明日から、理不尽な上司に、自分の考え、言い返します!!! それじゃあ~!!!」

 

 

 

 

中田:「またの御来店、お待ちしてるわね~!!!

    ・・・ふ~、それにしても、今回のオーダーは、良いオーダーだったわよね~」

 

 

 

 

板橋:「あぁ・・・。ストレスに負けないで、頑張れると良いな~。

    ・・・辛い場所でも、俺と同じで、頑張ってるんだな~と思ったら、共感したぜ~」

 

 

 

 

斎藤:「おや~、トモの言う辛い場所って、一体、何処の事なんだい~?」

 

 

 

 

板橋:「決まってるだろう・・・。それは、お前との、この職場だよ~! ってゲゲっ!!!

    言ってるそばから、何、怪しげな色のデザート、用意してるんだ~!!!」

 

 

 

 

斎藤:「そりゃあ勿論~、オーダー、頑張ったトモ君の御褒美に決まってるじゃな~い。ふふふ・・・」

 

 

 

 

 

板橋:「よせ・・・。近寄るな・・・。止めろ・・・!!!」

 

 

 

 

斎藤:「は~い、大人しく、口、開けてね~!!! ふふふ、ふふふふ!!!!」

 

 

 

 

板橋:「・・・無理やり押し込むな・・・。嫌ああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

中田:「本当・・・、学習しないんだから・・・。ほらっ、トモ、しっかりしなさい・・・。

    あっ、マキ・・・。悪いけど、お店、閉めて来てくれるかしら?」

 

 

 

 

赤塚:「わかった~」

 

 

 

 

中田:「お願いね~。ほら~、トモ、お水よ~」

 

 

 

 

 

赤塚「・・・さてさて、当店、Clover4の裏メニューは、いかがだったでしょうか?

   さぁ、次回は、どんな御客様がご来店するのやら・・・。

   皆さんの御来店、此処よりお待ち申し上げておりま~す!

   ごほん・・・。・・・じゃあ、またね・・・、子猫ちゃん達・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり