Codependent(共依存)             

↑コディペンデント                         

                                

 

 

作者:ヒラマ コウ

 

 

 

登場人物

 

ロミオ・・・宇宙船のコールドスリープから目覚める男性、記憶が一切ない。

 

ジュリエット・・・ロミオの目覚める前から宇宙船に居た女性、ロミオの名前をなぜか知っていた。

 

 

※この台本は終盤、【side J】と【side R】にEDが分岐します。

 演じる相手と相談して、EDをお決めください。

 その際、side J】と【side R】の記載は特にいりません。

 上演の際は、Codependent(共依存)とタイトルには、お書きください。

 

 

 

比率:【1:1】

 

上演時間:【60分】

 

 

※2021年、1月23日、加筆修正

 

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CAST

 

ロミオ:

 

ジュリエット:

 

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【1日目】

 

 

001 ロミオ:「此処は何処だ・・・? 俺はなぜ此処にいる・・・」

 

002 ジュリ:「目覚めたのね・・・。そのまま寝ていれば幸せだったのに・・・」

 

003 ロミオ:「どういう意味だ・・・?」

 

004 ジュリ:「さあね。とにかく目覚めたのなら早く着替えなさい。そこに服があるから」

 

005 ロミオ:「着替えって・・・・うわっ! なんで俺、裸なんだよ!!!」

 

006 ジュリ:「いちいち五月蠅いわね・・・。コールドスリープしてたのだから当然でしょう。

       さっさと着替えてこっちに来て!」

 

 

 

 

007 ロミオ:「それで、此処は一体何処なんだい・・・?」

 

008 ジュリ:「此処は宇宙船の中よ。私達は乗り合わせたお客ってわけ」

 

009 ロミオ:「他のお客は何処にいるんだ? 見た感じ俺達だけだけど・・・」

 

010 ジュリ:「死んだわ! 一人残らずね!」

 

011 ロミオ:「死んだ!?」

 

012 ジュリ:「そう、死んだ。此処に残ってるのは貴方と私だけ」

 

013 ロミオ:「なんでそんなに冷静なんだ・・・。人が死んだんだろう?」

 

014 ジュリ:「生命活動が無くなったら死ぬのは当たり前よ。貴方もそうなりたくないなら私に協力して」

 

015 ロミオ:「訳がわからない・・・。みんな死んだって言うのなら、この船はどうやって動いてるんだ?」

 

  

016 ジュリ:「簡単よ。この船は全部オートで動いてる。更に付け加えると、

       衣食住も全て機械が管理してるから、飢えて死ぬことは無いわ。

       目覚めたばかりでお腹空いてるでしょ? 食堂へ案内するわ」

 

 

017 ロミオ:「ちょっと待ってくれ! 他にも聞きたいことが沢山・・・」

 

018 ジュリ:「来るの!? 来ないの!?」

 

019 ロミオ:「わかった・・・。付いて行くよ」

 

 

 

 

 

 

020 ジュリ:「此処が食堂よ。まずは、そこの機械に手を入れてみて」

 

021 ロミオ:「これに・・・? うわ! 固定された! ちょっとこれ何なんだよ!?」

 

 

022 ジュリ:「いちいち騒がないで! その機械がコンディションを計測して、貴方に必要な献立を考え出してくれるのよ。

          もう少し、じっとそのまま動かないで」

 

 

023 ロミオ:「・・・」

 

 

(機械音 ピピッ!)

 

 

024 ジュリ:「計測完了よ。次はその先に進んで」

 

025 ロミオ:「わかった・・・」

 

 

 

 

 

 

026 ロミオ:「凄い・・・。なんか料理が出てきた。あとメッセージも書いてある・・・。

      【水分補給をしっかりしてください】・・・か。

          ・・・それにしても、この量を一度に飲むのはキツイな・・・」

 

 

027 ジュリ:「コールドスリープから目覚めた後なのだから、文句言わずに飲みなさい。

       その中には体力や筋力を戻す為の成分なども入ってるわ。

          飲まないと体がもたないわよ」

 

 

028 ロミオ:「なら仕方ないか・・・」(飲みほす)

 

029 ジュリ:「・・・」

 

030 ロミオ:「・・・」

 

031 ジュリ:「何? 質問があるのなら聞いて良いわよ」

 

032 ロミオ:「じゃあ聞くけど、君の名前は?」

 

033 ジュリ:「私はジュリエット」

 

034 ロミオ:「ジュリエットか。俺は・・・」

 

035 ジュリ:「ロミオよね? 知ってるわ」

 

036 ロミオ:「どうして知ってるんだ・・・?」

 

037 ジュリ:「・・・コールドスリープ装置のディスプレイに、名前が表示されてたのよ」

 

038 ロミオ:「そうだったのか・・・」

 

039 ジュリ:「他に質問ある?」

 

040 ロミオ:「ジュリエットは、いつ頃目覚めたんだ?」

 

041 ジュリ:「ロミオが目覚める1年前よ。機械の故障で目覚めたら・・・周りは血だらけだった」

 

042 ロミオ:「そんな中で・・・1年も一人で過ごしていたのか?」

 

 

043 ジュリ:「そうよ、案外慣れるものよ。生きる為には、食べなきゃ行けない。私は凄く冷静だったわ。

          むせ返るような死体の悪臭と、周りの血の掃除から始めたの」

 

 

044 ロミオ:「一人でこの広い船の中を?」

 

045 ジュリ:「違うわ。私は、この船の中のロボットを操作して、片付けたり綺麗にしたの」

 

046 ロミオ:「ロボット?」

 

047 ジュリ:「この子達よ。みんな優秀で、命令した事は忠実に行ってくれるわ」

 

048 ロミオ:「うわっ! なんだこれ!」

 

 

049 ジュリ:「オーバーリアクションね。貴方の落とした食べかすを、掃除してくれてるだけよ。

       普段は自分達で判断して、掃除するのよ」

 

 

050 ロミオ:「そうは言われても・・・気になって仕方ないんだけど・・・」

 

051 ジュリ:「そのうち慣れるわ。他に質問は?」

 

052 ロミオ:「何が、この船におきたんだ?」

 

 

053 ジュリ:「・・・これは、あくまでも私の推測でしか無いのだけど、この船に侵入したのよ。得体のしれない物が。

          そしてクルーや、お客を一人残らず殺害した。何の為に殺害したかはわからないけど、

       死体の形状から予想するに捕食の為・・・」

 

 

054 ロミオ:「食べる為だけに侵入して殺したって言うのか!?」

 

 

055 ジュリ:「得体のしれない物にとって、私達人間はただのエサと言う事よ。そんなに驚く事無いんじゃない?

          私達も牛や豚や魚を殺して、普段食べてるわ。それと何一つ変わらないわ」

 

 

056 ロミオ:「それにしてもだ! 君は怖くないのか? 何で・・・そんなに冷静なんだ。

       その生物がまた襲ってきたら、どう切り抜けるんだ?」

 

 

057 ジュリ:「少なくとも、私はこの1年間無事でいられた。それはこの先、数年続くかもしれないし、続かないかもしれない。

          未来は、誰にもわからないのよロミオ」

 

 

058 ロミオ:「そうだけど・・・俺は正直怖い。こんな訳も分からない所で目が覚めて・・・

       生きてる人間は、俺と君だけなんて・・・」

 

 

059 ジュリ:「・・・混乱するのも、無理は無いわね。今日は食事が終わったら寝なさい。

       徐々に此処での生活の仕方を、教えてあげるわ」

 

 

  

 

(居住区)

 

 

060 ジュリ:「此処が居住区、そして此処が貴方のお部屋よ。中に入ったら、機械が色々教えてくれるから指示に従って。

          何かあったら、通信機で連絡して。じゃあ、おやすみロミオ」

 

 

061 ロミオ:「おやすみ・・・」

 

 

 

062 ロミオ(M):「俺はこれから一体どうなるんだ・・・。夢でも無いし・・・まずは寝て明日に備えよう・・・。

             得体のしれない物ってなんだ・・・」

 

 

 

 

【2日目】

 

 

 (夢の中)

 

 

063 ロミオ:「嫌だ・・・! こんなのはごめんだ! もう自由にしてくれ・・・! これ以上は・・・。

       何をする!? 腕が痛い! 離せ!!! 待て!!! そこは、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁ!!!!」

 

 

064 ロミオ:「はぁはぁはぁ・・・。何だったんだ・・・今の夢は・・・・」

 

 

 

 

 

 

065 ジュリ:「ロミオ、大丈夫? 悲鳴が聞こえたけど」(扉越しに)

 

066 ロミオ:「驚かせてすまない。悪い夢を見たんだ・・・」

 

067 ジュリ:「朝よ。食堂に来て。まずは食事をしましょう」

 

068 ロミオ:「着替えたら行くから、先に行っててくれ」

 

069 ジュリ:「わかったわ。必ず来てね」

 

070 ロミオ(M):「あの夢は一体。ただの悪い夢だったのか・・・」

 

 

 

 

 

071 ジュリ:「来たわね。ここに座って」

 

072 ロミオ:「待たせてすまない」

 

073 ジュリ:「時間はたっぷりあるから気にしないわ」(小声)

 

074 ロミオ:「ん? 何か言ったか?」

 

075 ジュリ:「独り言よ。気にしないで。それより食事が終わったら、素敵な場所に連れってってあげる」

 

076 ロミオ:「素敵な場所?」

 

077 ジュリ:「着いてからのお楽しみよ。その場所なら、悪夢を見た気分も晴れると思うわ」

 

078 ロミオ:「俺の事、気にかけてくれたんだ」

 

079 ジュリ:「たった一人の生存者だから、当然の事よ」

 

080 ロミオ:「言い方はともかく、その気持ちが嬉しいよ」

 

081 ジュリ:「・・・」

 

082 ロミオ:「どうかした?」

 

083 ジュリ:「・・・何でもないわ。食事を続けましょう」

 

084 ロミオ:「あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

(船内の何処か ジュリエットの誘導でうす暗い道を歩いて行くロミオ)

 

 

 

 

085 ジュリ:「こっちよ。早く来て」

 

086 ロミオ:「うす暗くてよくわからないよ。ジュリエット、何処にいるんだい?」

 

087 ジュリ:「光の見える方に歩いてきて」

 

088 ロミオ:「光って・・・。これの事か・・・?」

 

089 ジュリ:「そうよ、そのまま真っ直ぐ」

 

090 ロミオ:「何処にいるんだい?」

 

091 ジュリ:「此処よ」

 

092 ロミオ:「うわっ! ビックリした!」

 

093 ジュリ:「着いたわ。この場所をロミオに見せたかったのよ」

 

094 ロミオ:「此処は一体・・・?」

 

095 ジュリ:「暗くてまだわからないわよね。もう少し待って。人工太陽が昇ってくる時間だから」

 

096 ロミオ:「ジュリエット、この船は一体どれくらいの大きさなんだ?」

 

097 ジュリ:「全長は約2km、操縦室、居住区、食堂、娯楽施設、実験区などで構成されてるわ」

 

098 ロミオ:「2km・・・。ん? 実験区って・・・?」

 

 

099 ジュリ:「この船の本来の目的は、住める星を見つける為みたいなの。

       そしてその新たな土地で動物たちが順応出来るように、

          科学的に進化させるための場所が実験区よ」

 

 

100 ロミオ:「住める星と言う事は・・・」

 

101 ジュリ:「私達の住んでた星、地球は滅亡したわ・・・。今からおよそ200年前に」

 

102 ロミオ:「俺達はその生き残り・・・」

 

 

103 ジュリ:「残念だけど、私もコールドスリープ前の記憶は覚えて無いのよ・・・。

          後遺症なのか、それともそういう契約で、この船に搭乗したのかわからないわ。

          少なくとも・・・この船は200年間、新たな住める星を探して宇宙を旅している」

 

 

104 ロミオ:「その知識は目覚めてから?」

 

 

105 ジュリ:「ええ。後で案内するけど、操縦室の端末に記録として残ってたのよ。

          どうやら、この船に起きた事を、自動で記憶して保存するみたいなの」

 

 

106 ロミオ:「記録が・・・。と言う事は、この船に起きた事、

       そう、得体のしれない物についても記録が残ってるんじゃ?」

 

107 ジュリ:「私もそう思って、操縦室の端末を色々調べたのだけど、残念ながら残って無かったわ」

 

108 ロミオ:「誰かが、意図的に操作して消したとか・・・?」

 

109 ジュリ:「それはあり得ない。この船に残ってるのは貴方と私だけ。他に誰もいないわ!」

 

110 ロミオ:「得体のしれない物とか・・・」

 

111 ジュリ:「・・・知能を持ってて、まだ船内に潜伏してるとでも言うの?」

 

 

112 ロミオ:「可能性はあるだろう。どうやってかは知らないが、この船に侵入してクルーやお客を殺したのだから・・・。

          まだ何処かに隠れて俺達を狙ってるかもしれない・・・」

 

 

113 ジュリ:「そうね。でも、それは一番最悪のパターンとして考えましょう。

       じゃないと、この1年間、私が無事だった説明がつかないもの」

 

 

114 ロミオ:「そうだな。他に、何か情報とかは残って無かったのか?」

 

115 ジュリ:「他は無かったと思うけど、後で案内するから、手分けして探しましょう」

 

116 ロミオ:「わかった」

 

117 ジュリ:「そろそろよ」

 

118 ロミオ:「・・・。これは・・・綺麗な赤い薔薇・・・」

 

 

 

119 ジュリ:「綺麗でしょ? 此処は娯楽施設にある庭園なんだけど、この花達は私が植えたのよ。

       私ね、薔薇が一番好きなの。

          初めは殺風景だったけど、何とか此処まで綺麗に咲いてくれたわ」

 

 

 

120 ロミオ:「ジュリエット、案内してくれてありがとう。今朝の悪い夢を、忘れられそうだよ」

 

121 ジュリ:「良かったわ。ロミオ、私は・・・」

 

 

 

(突然、宇宙船内が揺れてバランスを崩し倒れそうになるジュリエット)

 

 

122 ジュリ:「キャッ!」

 

123 ロミオ:「ジュリエット!」(抱きしめる)

 

124 ジュリ:「大丈夫、ちょっとふらついただけ・・・」

 

125 ロミオ:「あぁ・・・」

 

126 ジュリ:「もう大丈夫だから、離してくれない?」

 

127 ロミオ:「あぁ! ごめん!」

 

 

128 ジュリ:「助けてくれてありがとう・・・。小隕石にでもぶつかったんだと思うわ」

 

 

129 ロミオ:「それって・・・大丈夫なのか?」

 

 

130 ジュリ:「安心して。この船には自己修復機能も備わってるみたいだから、

          これくらいは平気よ」

 

 

131 ロミオ:「なら良いけど」

 

132 ジュリ:「・・・そろそろ操縦室に向かいましょう」

 

133 ロミオ:「そうだな・・・」

 

 

 

 

 

 

(操縦室に到着したロミオとジュリエット)

 

 

 

134 ジュリ:「此処が操縦室よ」

 

135 ロミオ:「此処がそうなのか・・・」

 

136 ジュリ:「待って! 動かないで!」

 

137 ロミオ:「え!?」

 

 

138 ジュリ:「今、防衛システムが貴方を認識してる所よ。そのままじっとしてて。

          動いたら、敵と判断されて銃殺されるわよ」

 

 

139 ロミオ:「銃殺って、穏やかじゃないな・・・」

 

 

 

140 ジュリ:「それだけ此処は重要な場所って事よ。システムにアクセスして、

          このプログラムを書き換えようとしたけど、何重にもプロテクトがかかってて駄目だったわ。

          だからその青いセンサーが消えるまで絶対に動かないで」

 

 

 

141 ロミオ:「わかったよ・・・」

 

 

 

 

 

 

142 ジュリ:「センサーが消えたみたいね。もう動いて良いわよ。こっちに来て」

 

143 ロミオ:「これがさっき言ってた端末? 操作方法とかわからないけど・・・」

 

144 ジュリ:「そうよ。その事については大丈夫、此処に触れてみて」

 

145 ロミオ:「こうかい? ・・・なんだ。・・・頭の中に、知識が流れ込んでくる・・・」

 

 

146 ジュリ:「この端末を、誰でもすぐ扱えるようにする、プログラムよ。

          便利だけど、初めは違和感もあるし、気持ち悪くなると思うけど少しの間耐えて・・・」

 

 

147 ロミオ:「・・・うっ

 

148 ジュリ:「遅かったようね。大丈夫?」

 

149 ロミオ:「大丈夫じゃない・・・」

 

 

150 ジュリ:「暫くしたら慣れるわよ。その気持ち悪さが終わったら、ロミオはこっちの端末で調べて。

          私はこっちの端末で調べるから」

 

 

151 ロミオ:「了解・・・」

 

 

 

 

(端末に再度触れるロミオ)

 

 

152 ロミオ:「凄い・・・。何処を操作すれば良いか、手に取るようにわかる」

 

153 ジュリ:「上手く順応したみたいね。じゃあそっちをお願いね」

 

154 ロミオ:「あぁ。それにしても、調べれば調べる程、この船は凄いな」

 

155 ジュリ:「誰が、いいえ・・・どの企業が開発したのかわからないけど、

       これ程のテクノロジーは、私も見た事が無いわ・・・」

 

156 ロミオ:「俺もこんなのは初めてだ・・・」

 

157 ジュリ:「色々調べてるけど、やはり得体の知れない物に関しての記録は残って無いわ。そっちはどう?」

 

158 ロミオ:「こっちも駄目だ。艦内の区に無数に設置してあるカメラの記録を確認してるのだが、影すら映ってない」

 

159 ジュリ:「カメラにも映らないとなると、光学迷彩とかを使ってるとか?」

 

160 ロミオ:「その可能性はあるかも知れないけど・・・そうだとしたらかなり厄介だな・・・」

 

161 ジュリ:「そうね。見えない敵と戦うなんて・・・どうしたら良いの・・・」

 

162 ロミオ:「そういえば、確かさっき、実験区があると言ってたよな。そこに案内してくれないか?」

 

163 ジュリ:「良いけど・・・どうして?」

 

 

164 ロミオ:「もしかしたら、得体の知れない物は、外部から侵入したのではなく、

       その実験区から逃げた可能性もあるかもしれないって事だよ」

 

 

165 ジュリ:「そんな事ってある・・・?」

 

 

 

166 ロミオ:「新しい土地に順応させるための進化だ。その実験の途中で、何か事故が起きて、

       とんでもない化け物が誕生しても、不思議ではないさ。

          案内してくれるか? ジュリエット」

 

 

 

167 ジュリ:「・・・わかったわ。だけど危険かもしれないから、その前に武器を調達していきましょう」

 

168 ロミオ:「あぁ」

 

 

 

 

 

(実験区に到着し中に入るロミオとジュリエット)

 

 

 

169 ジュリ:「着いたわ。此処が実験区よ。此処にもセンサーがあるから、まずはそのチェックを完了して」

 

170 ロミオ:「気になったんだが、ジュリエットの知識はあの端末のおかげなんだよな?」

 

171 ジュリ:「ええそうよ。それがどうしたの?」

 

 

172 ロミオ:「それにしては、俺にはこの実験区の知識は、あの端末からは得られなかった・・・。

          これはどうしてなんだ?」

 

 

173 ジュリ:「・・・わからないわ。その時にたまたま得られたのかも知れないし・・・。

          そんな事より、チェックは終わった?」

 

 

174 ロミオ:「どうやら完了したみたいだ」

 

175 ジュリ:「じゃあ、中に入るわよ。心の準備はいいかしら?」

 

176 ロミオ:「あぁ、どんと来い!」

 

177 ジュリ:「武器の使い方はわかる」

 

178 ロミオ:「何となくだが、この銃の形式なら使えそうだ」

 

179 ジュリ:「そう、期待してるわ」

 

180 ロミオ:「何を期待してるんだ?」

 

181 ジュリ:「私を怪物から守って」

 

182 ロミオ:「得体の知れない物から?」

 

183 ジュリ:「そうよ」

 

184 ロミオ:「何処まで守れるかはわからないがな・・・」

 

185 ジュリ:「ロミオなら大丈夫よ、信じてるわ」

 

186 ジュリ:「じゃあ、開けるわよ」

 

187 ロミオ:「あぁ!」

 

 

 

 

188 ロミオ:「これは一体何だ・・・? 元は、牛や豚なのか・・・?」

 

189 ジュリ:「そうみたい。目が無数あったり、見た目がグロテスクではあるけど、

       私達の知ってる牛や豚で間違いないと思うわ」

 

190 ロミオ:「実験による進化の段階で、こうなったという訳か・・・。それにしても酷いな・・・」

 

 

191 ジュリ:「私達人間が、神様みたいに生物を作り出すなんて、間違いなのかもしれない。

          化学がいくら発達したとしても、決して踏み越えてはいけない領域もあると思うわ」

 

 

192 ロミオ:「そうだな・・・。こいつらも、こんな姿になるために、生まれてきたわけじゃ無いよな・・・」

 

193 ジュリ:「そう、貴方もね・・・。ロミオ・・・」(小声)

 

194 ロミオ:「ジュリエット、何か言ったか?」

 

195 ジュリ:「何でもないわ」

 

196 ロミオ:「取りあえず今の所は安全そうだな。次の部屋に進もう」

 

197 ジュリ:「そうね」

 

 

 

 

198 ジュリ:「此処は・・・どうやら動物達を人工的に進化させるためのオペ室って感じね」

 

199 ロミオ:「此処は・・・」

 

200 ジュリ:「どうしたの? ロミオ?」

 

201 ロミオ:「見覚えがあるような・・・。そんな訳無いよな・・・」

 

202 ジュリ:「・・・」

 

203 ロミオ:「どうしたんだ? ジュリエット?」

 

204 ジュリ:「少し考え事してたの。次の部屋に行くわよ」

 

 

205 ロミオ(M):「それにしてもこの部屋、なんなんだ・・・。嫌な感じがした・・・。

             醜く変化した動物を見たからなのか・・・」

 

 

206 ジュリ:「此処は巨大な機械があるだけね。何の為の物かはわからないわ。

       ん? どうしたの? ロミオ・・・顔が真っ青よ」

 

 

207 ロミオ:「此処は・・・。なんで俺、こんなに恐怖心でいっぱいなんだ・・・」

 

208 ジュリ:「大丈夫?」

 

209 ロミオ:「嫌だ・・・」

 

210 ジュリ:「ロミオ?」

 

211 ロミオ:「俺に近づかないでくれ!」

 

212 ジュリ:「落ち着いてロミオ! 私よ!」

 

213 ロミオ:「離せ! 此処に戻るのは嫌だ!!!」

 

214 ジュリ:「またなの・・・」(小声)

 

215 ロミオ:「頼むから・・・もう・・・止めてくれ・・・」(気絶する)

 

 

 

 

 

 

【3日目】

 

 

 

(居住区 実験区で倒れたロミオを心配しながら看病するジュリエット)

 

 

 

216 ジュリ:「ロミオ! ロミオ!」

 

217 ロミオ:「此処は・・・俺の部屋・・・」

 

218 ジュリ:「あの実験室の部屋で、貴方が気絶したから、此処まで運んだのよ」

 

219 ロミオ:「君1人で・・・?」

 

 

220 ジュリ:「そうじゃないわ。ロボットを操作して此処まで運んだのよ。

          そんな事より気分はどう?」

 

 

221 ロミオ:「頭が少し痛むけど・・・平気だ。それよりあの実験室は・・・」

 

222 ジュリ:「何?」

 

223 ロミオ:「あぁ、何でもない」

 

224 ジュリ:「そう? 朝食は食べられる?」

 

225 ロミオ:「朝食? そんなに寝てたのか・・・?」

 

 

226 ジュリ:「ええ。時々、魘されていたから、起こそうかとも考えたけど、

          すぐに安らかな寝顔に戻ったから、そのままにしたわ」

 

 

227 ロミオ:「そうだったのか・・・。ずっと側にいてくれたんだな」

 

228 ジュリ:「当たり前じゃない。これでも心配したのよ、ロミオの事。

          どう? 起きられる?」

 

229 ロミオ:「あぁ、大丈夫。自分で起きられる」

 

230 ジュリ:「食堂には行けそう?」

 

231 ロミオ:「ジュリエットもお腹が空いてるだろう?」

 

232 ジュリ:「お腹空いてるけど・・・。そんな事気にならないくらい

          ロミオの事が心配だったわ」

 

233 ロミオ:「次からは気をつける。本当に、すまなかった・・・」

 

234 ジュリ:「ううん・・・。ロミオは悪く無い・・・。

          食堂に行きましょう」

 

235 ロミオ:「あぁ」

 

 

 

 

 

 

236 ロミオ:「ジュリエット、訊いても良いか?」

 

237 ジュリ:「何を訊きたいの?」

 

 

238 ロミオ:「1年の間、ずっと一人で寂しかったんじゃないのか?

          ロボット達が話し相手になってたとしても、限界があると思うし・・・」

 

 

239 ジュリ:「正直に言うと寂しかったわ・・・。だけど、娯楽施設もあって、色々遊ぶ場所もあったし何とかなった。

          そうだ! 食べ終わったら、娯楽施設の演劇ホールに行かない?」

 

 

240 ロミオ:「演劇ホール? そんな物までこの船にはあるのか!」

 

241 ジュリ:「それだけじゃない。プールにボーリング、テニス場にゴルフ場、映画館やダンスホールもあるのよ!」

 

242 ロミオ:「(笑う)」

 

243 ジュリ:「どうかした? 私、何か可笑しな事でも言ったかしら?」

 

244 ロミオ:「違うんだ! あまりに楽しそうに喋ってるから、こっちも嬉しくなってね」

 

 

 

245 ジュリ:「だって、ロミオといると楽しいし、自然と笑顔になるの。

          こんな気持ちになるのなんて、久しぶりだわ。

       ずっと一人で、いつ何処で襲われるかもって思うと・・・、

       笑顔なんて・・・時が経つにつれ、減って言って・・・」

 

 

246 ロミオ:「もうそんな怖い思いは二度とさせない。俺がジュリエットを守るよ」(後ろからジュリエットを抱きしめる)

 

247 ジュリ:「嬉しいわ・・・。これからもずっと守って。私だけのロミオ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

(娯楽施設 演劇ホール)

 

 

248 ジュリ:「こっちよ、ロミオ」

 

249 ロミオ:「これが演劇ホールか。凄く広いんだな」

 

250 ジュリ:「そんな所に居ないで、こっちに来て。此処に立って」

 

251 ロミオ:「このセットは何だか見覚えが・・・」

 

 

252 ジュリ:「これはロミオとジュリエットの舞台セットよ。この演劇ホールには

          色々な戯曲や演目に対応する全自動のセットがあるの」

 

 

253 ロミオ:「どうしてこのセットを?」

 

 

 

254 ジュリ:「貴方と私の名前がロミオとジュリエットだからよ。

          なんだかロマンチックじゃない?  悲劇の物語だけど、私は好きだわ」

 

255 ロミオ:「俺は・・・やはり好きな人とは結ばれたい。どちらかと言うと、ハッピーエンドが好きだな」

 

256 ジュリ:「私も出来るならそうしたいわ・・・。本当、思い通りに行かないものね・・・」(小声)

 

257 ジュリ:「・・・折角なんだし、演じてみない? ロミオとジュリエットのワンシーンを」

 

258 ロミオ:「え? 俺に演技が出来るかな・・・」

 

259 ジュリ:「大丈夫よ、貴方なら」

 

260 ロミオ:「あぁ」

 

261 ジュリ:「準備が出来たわ。ロミオ、この時間を一緒に楽しみましょう」

 

262 ロミオ:「お手柔らかに頼む」

 

263 ジュリ:「わかったわ」

 

 

 

 

 

 

 

264 ジュリ:「ああ、ロミオ様、ロミオ様! なぜあなたは、ロミオ様でいらっしゃいますの?

       お父様と縁を切り、家名をお捨てになって! 

       もしもそれがお嫌なら、せめてわたくしを愛すると、お誓いになって下さいまし。

       そうすれば、わたくしもこの場限りでキャピュレットの名を捨ててみせますわ」

 

 

 

265 ロミオ:「黙って、もっと聞いていようか、それとも声を掛けたものか?」

 

 

 

266 ジュリ:「わたくしにとって敵なのは、あなたの名前だけ。たとえモンタギュー家の人でいらっしゃらなくても、

       あなたはあなたのままよ。モンタギュー ・・・それが、どうしたというの?

       手でもなければ、足でもない、腕でもなければ、顔でもない、他のどんな部分でもないわ。

       ああ、何か他の名前をお付けになって。名前にどんな意味があるというの?

       バラという花にどんな名前をつけようとも、その香りに変わりはないはずよ。

       ロミオ様だって同じこと。ロミオ様という名前でなくなっても、

       あの神のごときお姿はそのままでいらっしゃるに決まっているわ。

       ロミオ様、そのお名前をお捨てになって、そして、あなたの血肉でもなんでもない、

       その名前の代わりに、このわたくしのすべてをお受け取りになって頂きたいの」

 

 

 

267 ロミオ「お言葉通りに頂戴いたしましょう。ただ一言、僕を恋人と呼んでください。

         さすれば新しく生まれ変わったも同然、今日からはもう、ロミオではなくなります」

 

 

 

 

 

 

 

268 ジュリ:「上手よ、ロミオ。初めての演技はどうだった?」

 

269 ロミオ:「自分とは違う人を演じるのは難しいけど・・・楽しかったよ」

 

270 ジュリ:「楽しめたのなら良かった。ロミオの気持ちが凄く伝わってきたわ」

 

271 ロミオ:「俺の気持ち?」

 

 

272 ジュリ:「私を好きになってくれてるんだなって気持ちよ。

       ねぇ、ロミオ・・・。もし、私が貴方の知ってるジュリエットじゃなくなったら・・・。

          その時は・・・それでも変わらずに好きでいてくれる・・・?」

 

 

273 ロミオ:「何をいきなり言い出すんだ。いきなり化け物にでも、なるとでも言うのかい・・・?

          馬鹿馬鹿しい・・・。初めは冷酷な人かと思ったけど、こうして過ごして、

       君が、笑顔の似合う優しい人だってのがわかった」

 

 

274 ジュリ:「優しい・・・? 貴方にはそう見えてるのね・・・」

 

 

275 ロミオ:「どうしたって言うんだ! さっきは俺の気持が伝わったって言ってたのに・・・。

          そうと思えば今度は、訳の分からない事を言い出すなんて・・・」

 

 

276 ジュリ:「ごめんなさい。例えばの話よ。得体のしれない物の事もそうだし、

          もしかしたら未知のウイルスによって、いきなり獰猛な化け物に変貌するかもしれないわ・・・」

 

 

277 ロミオ:「ジュリエット・・・」

 

 

 

278 ジュリ:「ごめんなさい・・・。ちょっと部屋で休むわ。久しぶりにはしゃいで疲れが出たんだと思う・・・。

          ロミオも部屋でゆっくり休んで。お昼も一緒にと思ったけど・・・止めとくわ。

          また夕食の時にね」

 

 

 

279 ロミオ:「あぁ・・・。ゆっくり休んでくれ」

 

280 ジュリ:「ありがとう・・・。ロミオ」

 

 

 

 

 

 

 

 

281 ジュリ(M):「私だけの愛しいロミオ・・・。ふふふ、焦っては駄目ね・・・。

             焦らないで・・・ゆっくり、私だけの理想のロミオに、育てて行かなくちゃ・・・。

             ねぇ、ロミオ・・・。私だけを見て・・・。私の考えに共感して・・・。

          もう二度と手放さないんだから・・・」

 

 

 

 

 

【1か月後】 

 

(居住区)

 

 

 

282 ロミオ:「此処での生活も1ヵ月が過ぎたのか。何も起こらないし、退屈なくらいだな」

 

 

283 ジュリ:「油断は禁物よ。平和かもしれないけど、この船に過去に起きた事は消えない。

          もう少し緊張感を持って。それにフラフラ勝手に出歩かないで!」

 

 

284 ロミオ:「勝手に出歩くなって・・・。俺が何処に行こうが勝手だろ。

          それに、そんなに怒らなくても良いじゃないか。最近の君は、なんだか様子が可笑しいぞ?」

 

 

285 ジュリ:「そんな事はないわ! 私は何も変わらない。可笑しいのはロミオよ!」

    

286 ロミオ:「なんだと!? 俺は何も変わってない!」

 

287 ジュリ:「いいえ! 変わったわ! 何もかもが変わった!」

 

288 ロミオ:「何もかもってどう言う意味だ!?」

 

289 ジュリ:「私の知るロミオじゃない!!! どうして思い通りにいかないのよ!?」

 

290 ロミオ:「なんだそれ! 俺は君の操り人形でも何でもない!!!」

 

291 ジュリ:「お願いだから私だけのロミオに戻って!!! 私に出来る事なら何でもするから!!!」

 

292 ロミオ:「話にならない!!!」

 

293 ジュリ:「何処に行くの!? まだ話は終わってないわ!」

 

294 ロミオ:「付いてくるな!!! 頼むから、暫く一人にしてくれ!!!」

 

295 ジュリ:「ロミオ・・・」

 

 

296 ジュリ(M):「私がいけないの・・・? 最初は上手く行っても・・・じきに同じような結果になる・・・。

             また・・・こうするしかないのね・・・」

 

 

 

 

 

 

(実験区)

 

 

 

297 ロミオ:「ジュリエットはどうしたんだ・・・。優しいかと思えば、途端に狂ったように怒り出す時もある。

          俺は一体どうしたら良いんだ・・・。

          あれ・・・? 此処は確か実験区。そっか・・・考え事してる内に、いつの間にか来ちゃったんだな・・・。

          待てよ・・・。俺は1か月前此処で倒れた。此処には何かきっと秘密があるんだ。

          怖いけど・・・入ってみるか」

 

 

 

298 ロミオ:「相変わらず不気味な部屋だな・・・。こいつらも、こんな狭い中に閉じ込められて・・・本当可哀想だ」

 

 

 

 

 

299 ロミオ:「この部屋か・・・。俺が倒れた場所・・・。此処に何が・・・。

          ウッ・・・頭が急に・・・。割れるように痛い・・・」

 

 

300 ジュリ:「そう・・・また失敗なの・・・。これで何度目・・・。でも良いわ・・・。

       また何度でも作り直してあげる・・・。愛しい私のロミオ・・・」

 

 

301 ロミオ:「これはジュリエット、作り直す・・・? どう言う事なんだ・・・?」

 

 

 

302 ジュリ:「貴方が悪いのよ・・・。私に逆らったり、思い通りにならないのがいけないの・・・。

          今度こそ私に忠実で、私だけを愛してくれるロミオになってね・・・。

       じゃないと、また私が貴方をこの手で殺さないといけなくなるから!!!」

 

 

 

303 ロミオ:「うわああああああああああああ!!!! 何なんだこの記憶は!!!

       これが本当だとしたら俺は・・・何度も死んでるのか・・・。

          とにかく此処にいたら駄目だ。早く戻らないと・・・」

 

 

 

 

(居住区)

 

 

 

304 ジュリ:「ロミオ、居るの? さっきは言い過ぎたわ。お願いだから顔を見せて」

 

305 ロミオ:「すまない・・・。今は会いたくない」

 

306 ジュリ:「本当にごめんなさい。会いたくなったら顔を見せて。待ってるから」

 

307 ロミオ:「わかった・・・」

 

 

 

 

 

 

308 ロミオ:「そっか、あれから気づいたら寝てたのか・・・。それにしてもさっきの記憶は一体・・・。

          駄目だ・・・。じっとしていられない。今の時間は・・・深夜2時か・・・。

          この時間ならジュリエットも寝てるだろうし・・・。真相を探すなら今しかない」

 

 

309 ロミオ:「よし! 巡回してるロボットもいないようだ。さて何処に行く・・・。

          実験区にまた行けば、記憶はわかるかもしれないが、肝心な証拠まではわからない。

          記録を残している所・・・。そうだ! あそこだ! 

 

 

(操縦室)

 

 

310 ロミオ:「さてと、操縦室に来たのは良いが・・・何処を調べる・・・。

          端末は調べたし・・・。待てよ!あの時、ジュリエットは俺とは違う端末を操作してた。

          あの端末に何か記録が残ってるんじゃ・・・」

 

 

311 ロミオ:「駄目か・・・。やはり記録が見つからない・・・。ん? このファイルはなんだ・・・?

       日付がまだ新しい・・・。ジュリエットがあれから作ったのか・・・?

          おかしい・・・。アクセスしようにも、ロックがかかってる。パスワードは何なんだ・・・」

 

 

312 ロミオ:「・・・【R・O・M・E・O】・・・俺の名前じゃないのか。

          やはり当てずっぽうじゃ、解除されるわけないか・・・。何か他にパスワードになる言葉・・・」

 

 

 

313 ロミオ:「・・・そういえば、ジュリエットは赤い薔薇が一番好きだとあの時言ってた・・・。

       と言う事は、パスワードはこれだ! 【R・O・S・E】・・・。

           よし! ロックが解除された。ん? これは1年前の記録動画・・・?」

 

 

 

314 ジュリ:「ねぇ! 私のロミオを返して!!! 実験!? 何それ!?

          私の名前はジュリエット! キャピュレットの娘のジュリエットよ!

             狂う? 私の何処が狂ってると言うの!? 私の愛しいロミオを返して!!!

         それは無理・・・? そんな事無い!!!

            被験者NO.201号・・・何それ? 私はジュリエット! 変な名前で呼ばないで!!!

            嫌い・・・嫌い嫌い嫌い嫌い!!!! みんな大嫌いよ!!!!」

 

 

 

 

315 ジュリ:「ふふふ・・・。もう良い・・・!!! ロミオのいない世界なんて私が全部壊してやる!!!

        みんな・・・死になさい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

316 ジュリ:「あははは!!!! 全てが真っ赤!!! 綺麗・・・!!! ねぇ、貴方の悲鳴・・・

          もっと聞かして頂戴・・・!!! 待て!!! 逃げるな!!!!

             大人しく私に殺されなさい・・・! 逃げ場なんて何処にも無いのよ!!! あははははは!!!!」

 

 

 

317 ロミオ:「これは・・・なんなんだ・・・」

 

318 ジュリ:「見ての通りよ!」

 

319 ロミオ:「ジュリエット!?」

 

 

320 ジュリ:「そう・・・。とうとう見ちゃったのね・・・。この船で起きた真実を・・・。

          観た感想はどう?」

 

 

321 ロミオ:「感想だと!? ジュリエット、君はクルーや客を一人残らず殺したって言うのか?」

 

322 ジュリ:「ええ、そうよ! それも全て・・・貴方の為よ!」

 

323 ロミオ:「俺の為・・・?」

 

 

324 ジュリ:「だって、みんなが実験で・・・オリジナルのロミオを殺したんですもの! 私はその復讐をしただけ!

       愛しいロミオの為にね!」

 

 

325 ロミオ:「実験って実験区以外でもおこなってたのか!?」

 

326 ジュリ:「・・・何処から話そうかしら。そうね、ロミオ、スタンフォード監獄実験って知ってる?」

 

327 ロミオ:「スタンフォード監獄実験、初めて聞いた・・・」

 

 

328 ジュリ:「有名な実験なんだけど・・・まぁ良いわ。教えてあげる。

            1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学心理学部で、

         心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導の下に、刑務所を舞台にして、

         普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを

         証明しようとした実験が行われたの。

            模型の刑務所(実験監獄)はスタンフォード大学地下実験室を改造したもので、

         実験期間は2週間の予定だったわ。

            新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人の内、

        11人を看守役に、10人を受刑者役に、それぞれグループ分けし、

           それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。

           その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、

           受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが実験で証明されたわ」

 

 

329 ロミオ:「そんな非人道的な実験が行われてたのか・・・」

 

 

 

330 ジュリ:「ええそうよ。【次第に、看守役は誰かに指示されるわけでもなく、自ら囚人役に罰則を与え始めたわ。

                反抗した囚人の主犯格は、独房へ見立てた倉庫へ監禁し、

             その囚人役のグループにはバケツへ用をたすように強制させ、

                耐えかねた囚人役の一人は実験の中止を求めるが、ジンバルドーは、リアリティを追求し

          「仮釈放の審査」を囚人役に受けさそのまま実験は継続されたの。

               精神を錯乱させた囚人役が、1人実験から離脱。さらに、精神的に追い詰められたもう一人の囚人役を、

         看守役は独房に見立てた倉庫へうつし、他の囚人役にその囚人に対しての非難を強制し、まもなく離脱。

               そして・・・やがて禁じられてた暴力も開始されたわ」

 

 

 

331 ロミオ:「なんて実験なんだ・・・。その実験と何が関係あるんだ?」

 

 

 

332 ジュリ:「簡単よ! この船に集まった科学者達は、その有名な実験を自分達の手で取り行ったの。

             ただし、看守役と囚人ではなく、戯曲、ロミオとジュリエットの中の、

       キャピュレット家とモンタギュー家としてね!」

 

 

333 ロミオ:「・・・」

 

334 ジュリエット:「ロミオ、貴方のオリジナルのロミオは、その実験で実際に毒薬を飲んで死んだのよ・・・」

 

335 ロミオ:「だとしたら俺は・・・」

 

336 ジュリ:「貴方は、私が作り出したクローンよ。正確には、この船に搭載されてる再生技術による物だけど」

 

337 ロミオ:「そんな・・・。いったい何が起こったんだ・・・?」

 

338 ジュリ:「初めは役柄を与えられて、戸惑っている人ばかりだったわ。だけど、数日が過ぎた頃、変化は起きた」

 

339 ロミオ:「変化・・・?」

 

 

340 ジュリ:「キャピュレット側の役柄を与えられた一人が、モンタギュー家の役柄を与えられた人を憎みだして・・・

             そして・・・撲殺したわ・・・」

 

 

341 ロミオ:「撲殺・・・」

 

342 ジュリ:「そこからは、他の役柄を与えられた人達も、変化するのは早かった・・・。

       みんなが殺し合いをはじめて、まるで地獄絵図だったわ。

          あっと言う間に生き残ってるのは、私と貴方だけになった。

          だけど、科学者たちは実験を止めようとしなかった・・・。

          それどころか再生技術によって、その殺し合いで死んだ人達を、クローンとして生き返らせたわ」

 

 

 

343 ロミオ:「どうして、そんな酷い事をしたんだ・・・?」

 

 

 

344 ジュリ:「科学者達はただ興味があったの。この実験を繰り返したら、どんな結末になるのかを。

          ただその目的だけに、殺しては生き返らせを繰り返し、そのたびに殺し合いを行わせる道具も、

          より残虐な物に変わっていったわ・・・。

          そして、あの日が訪れた・・・。ロミオ、貴方が死ぬ時がね・・・」

 

 

 

345 ロミオ:「・・・」

 

 

 

346 ジュリ:「もっと早くに気づくべきだったのよ・・・。その実験の頃には、もう科学者達もこの実験に

          飽き始めていた事に・・・。物語はクライマックスに突入した時、貴方は戸惑いながらロミオを演じたわ。

          だけど、毒薬を飲むシーンで、流石に怖くなったのか、毒薬を飲もうとはしなかった。

          それを見ていた科学者達は、待つのすら嫌になったのね・・・あろうことか、生きてる人達に指示して

          貴方を取り押さえさせ、そして・・・毒薬を飲ませたわ・・・」

 

 

 

347 ロミオ:「それで俺のオリジナルは、苦しみながら死んだんだな・・・」

 

 

 

 

348 ジュリ:「ええそうよ・・・。その時の私は悲しさで一杯だった。だけど、再生技術もあるし

          クローンだとしても、また貴方に会えると信じてた・・・。だけど・・・科学者達は

          この実験を、今回で終わりにすると言ったわ。私は、今回死んだ人はどうなるか聞いた。

          暫くして返答が来たの・・・」

 

 

 

349 ロミオ:「どんな返答が来たんだ・・・?」

 

 

 

 

350 ジュリ:「今回、死んだ被験者は生き返らせないって・・・。その言葉を聞いた瞬間、私は・・・狂ったわ・・・。

          いいえ、もう実験を繰り返してるうちに、とっくの昔に狂ってたのかもしれない・・・。

          私はジュリエットで、貴方は愛しいロミオ、それしか頭に無かった・・・。

          後は、ロミオ、貴方が観た動画の通りよ」

 

 

 

351 ロミオ:「君は狂って逆上して、科学者や被験者、クルーを全員皆殺しにしたんだな・・・」

 

  

352 ジュリ:「ええ! 快感だった! 目の前の全てが真っ赤に変わって、

       悲鳴も、逃げ回る声も、みんなみんな、素敵な音色だった!

          みんなを殺し終わって、気付いたら私、その掃除をロボットと一緒にしてたの。

          そして綺麗になった後に、貴方を再生技術で生き返らせた。

       だけど、貴方は私だけのロミオになってくれなかった・・・。

       だから、その度に壊して、また作り直して、もう・・・何度目かすら忘れたわ」

 

 

 

353 ロミオ:「これが真相って訳か・・・。なぁ、正直に答えてくれ。

       ジュリエット、君は今・・・幸せなのか?」

 

354 ジュリ:「・・・ええ、幸せよ」

 

355 ロミオ:「心の底から、幸せなのか?」

 

356 ジュリ:「ええ、幸せよ。貴方がいて私がいる。だから、毎日幸せでたまらない!」

 

357 ロミオ:「じゃあ、なんで目を背ける?」

 

358 ジュリ:「それは・・・」

 

359 ロミオ:「ん?」

 

 

 

 

 

 

360 ジュリ:「もう良い・・・。作り笑顔も疲れた・・・。そうよ! 本当は今貴方を壊したくて堪らないの!!!

       私の言う事を聞かないロミオなんて失敗作よ!!!

          だから壊して、命乞いをされても、壊して! そして死んで動かなくなったら、再生技術を使って

          また生き返らせてあげる! 今度こそ、私だけのロミオになってね!!!

          他のものに一切、目もくれない本当のロミオに!!!」

 

 

361 ロミオ:「それが君の望みなのか・・・?」

 

362 ジュリ:「ええ、本当の望みよ!!! 勿論、私の為だもの・・・。叶えてくれるわよね!?」

 

363 ロミオ:「あぁ・・・」

 

 

364 ジュリ:「良かった!!! じゃあ、沢山良い音色を聞かせてね・・・。

       ロミオおおおおお!!!!」(隠し持っていたナイフを振りかざす)

 

 

365 ロミオ:「だけど、そう簡単にはやられない!!!」(ナイフをうまくかわす)

 

366 ジュリ:「何で・・・私の気持ちから逃げるの・・・。ねえ・・・どうして!?」

 

367 ロミオ:「ゲームだよ! ジュリエット! 俺を捕まえられたら、そのまま君に殺されてあげる!!!

          捕まえられなければジュリエット、君の負けだ!!!」

 

 

368 ジュリ:「ゲーム・・・。あはははは!!! 面白そう!!! 命がけで逃げてね!!! ロミオ!!!

       じゃないと、面白くないから!!!」

 

 

369 ロミオ:「言われなくても、そうするさ!!!」

 

  

 

(実験区)

 

 

370 ロミオ:「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 

 

371 ジュリ:「ロミオ、何処なの・・・? ロミオ! ロミオ! ロミオ!!! 此処かしら!?

          いない・・・。何処に隠れたのかしら・・・? ふふふ・・・楽しいわね!!!!」

 

 

372 ロミオ(M):「このまま逃げ続けててもいずれは見つかる・・・。一体どうすれば・・・」

 

 

373 ジュリ:「1~・・・2~・・・3~・・・4~・・・5、6、7、8、9!!!!

          何処にいるの・・・? 出てきて・・・。愛しくて・・・愛しくて・・・

          殺したくてたまらないロミオ様!!!!」

 

 

374 ロミオ:(M):「やはりあれを使うしかないか・・・。その為には覚悟を決めるしかない・・・。

              今出て言ったら、見つかるかも知れないけど、

              強行突破で一気に・・・」

 

 

 

375 ジュリ:「見ぃつけた・・・!!! そんな所にいたのね・・・!!! ロミオ!!!」(ナイフを振り下ろす)

 

376 ロミオ:「痛・・・!!!」(かわそうとしたが腕をナイフがかすった。)

 

377 ジュリ:「あははははは!!!!」

 

378 ロミオ:「はぁはぁはぁ・・・」

 

 

 

 

379 ジュリ:「ロミオの血って薔薇のように綺麗・・・。味も美味しいわ・・・!!!(ナイフに付いた血を舐めながら)

          ねぇ・・・もっともっと頂戴!!!」(ナイフを振りかざす)

 

 

380 ロミオ:「待ってくれ!!!」

 

381 ジュリ:「あら? 命乞い・・・?」

 

382 ロミオ:「お願いだ! 元のジュリエットに戻ってくれ!」

 

383 ジュリ:「元のジュリエットって何!? 私は何一つ変わってない・・・!!!」

 

384 ロミオ:「俺の知ってるジュリエットじゃない・・・」

 

385 ジュリ:「ロミオの知ってる私ってどんな!?」

 

 

386 ロミオ:「優しくて、笑顔も素敵で、そして俺の事を思ってくれる

          ジュリエットに!!!」

 

 

387 ジュリ:「今でも大好きよ!!! 大好きで大好きで、それと同じくらい、憎くて憎くて堪らないの!!!

          私だけを見てくれないロミオなんていらない!!!」

 

 

388 ロミオ:「もうどうやっても、元の君には戻らないのかい・・・?」

 

389 ジュリ:「私は私よ!!! ありのままの私を見て!!!」

 

 

 

 

 

side J 390へ】

 

 

side R 427へ】

 

 

390 ロミオ:「ジュリエット、大好きだったよ・・・」

 

 

391 ジュリ:「私も大好きよ!!! ロミオ!!! 少しのお別れだけど、

       すぐにまた会えるから我慢してね!!!!」(ナイフをロミオめがけて振りかざす)

 

 

392 ロミオ:「・・・(ナイフを手で受け止める)」

 

393 ジュリ:「何の真似かしら!? ロミオ!?」

 

394 ロミオ:「君をもう二度と、不幸にはさせない!!!」

 

395 ジュリ:「不幸にはならないわ!!! 安心して死んでええええええええ!!!」

 

 

 

396 ロミオ:「くっ!!! ごめん!!! ジュリエット!!!」

      (ナイフを受け止めてた手をかえしてジュリエットの胸にナイフを突き刺す)

 

 

397 ジュリ:「がはっ! ・・・ロ・・ミ・・オ・・・。どう・・・して・・・?」

 

398 ロミオ:「はぁはぁはぁ・・・。ごめん・・・。もう・・・こうするしかなかったんだ・・・」

 

399 ジュリ:「最後の・・・最後まで・・・逆らうのね・・・。

       愛しい・・・私・・・だけの・・・ロ・・・ミ・・・オ・・・」

 

 

 

 

(1週間後)

 

 

400 ロミオ(M):「そろそろ時間だ・・・。この判断が果たして良かったのかどうかはわからない・・・。

          だけど俺は、ジュリエットにもう一度会いたい・・・。

          ジュリエットを幸せにしてあげたい・・・。

          頼むから成功してくれ・・・」

 

 

 

  

401 ジュリ:「・・・此処は何処なの・・・? 何で私・・・ここにいるの?」

 

402 ロミオ:「起きたかい? 此処は宇宙船の中だよ」

 

403 ジュリ:「宇宙船・・・? どうして・・・そんな所に・・・」

 

404 ロミオ:「・・・話すと長くなるけど、それでも良いかい?」

 

405 ジュリ:「ええ。良いわ。・・・貴方、名前は?」

 

406 ロミオ:「・・・俺の名前は、ロミオ・・・」

 

407 ジュリ:「ロミオ・・・」

 

408 ロミオ:「ん? どうかしたか?」

 

409 ジュリ:「ううん・・・。何だか懐かしいなって思っただけよ」

 

410 ロミオ:「懐かしい・・・?」

 

411 ジュリ:「貴方とは今こうして初めて会った。だけど・・・そうじゃないって気が何故かするの・・・」

 

412 ロミオ:「・・・」

 

 

413 ジュリ:「そんなはずないのに・・・。私、きっと目覚めたばかりでそう思っただけよね・・・。

          ごめんなさい。私の名前は、ジュリエット」

 

414 ロミオ:「あぁ・・・。よろしく、ジュリエット」

 

415 ジュリ:「こちらこそよろしくね。ロミオさん」

 

416 ロミオ:「じゃあ、着替えたら、食堂に来て。待ってるから」

 

417 ジュリ:「わかったわ」

 

418 ジュリ:「ロミオさん・・・」

 

 

 

 

419 声   【ロミオ ハ ワタサナイ】

 

 

420 ジュリ:「うっ・・・頭が割れるように痛い・・・!」

 

 

421 声   【アナタ ハ ココデ キエルノ】

 

 

422 ジュリ:「誰・・・? 何を言ってるの・・・?」

 

 

423 声   【ロミオ ハ ワタシノモノ】 

 

 

424 ジュリ:「嫌・・・。私の中に入って来ないで・・・」

 

 

425 声   【オマエ ハ キエロ!】

 

 

 

      

426 ジュリ:「誰か助けて・・・!!!

         ・・・。

         ・・・。

         ふふふ・・・。私だけの・・・愛しい愛しい・・・ロミオ・・・。

         待っててね・・・。

         今度こそ・・・幸せに・・・なりましょう・・・。

         再び・・・私達の物語を・・・始めましょう・・・。

         あはははは!!! あはははは!!!」(その場でくるくる踊りながら)

      

 

 

side J 終わり】

 

 

 

side R 始まり】

 

 

 

427 ロミオ:「ジュリエット、大好きだったよ・・・」

 

428 ジュリ:「私も大好きよ!!! ロミオ!!! 少しのお別れだけど、

       すぐにまた会えるから我慢してね!!!!」(ナイフをロミオめがけて振りかざす)

 

429 ロミオ:「・・・。(ナイフを手で受け止める)」

 

430 ジュリ:「何の真似かしら!? ロミオ!?」

 

431 ロミオ:「君をもう二度と、不幸にはさせない!!!」

 

432 ジュリ:「不幸にはならないわ!!! 安心して死んでええええええええ!!!」

 

433 ロミオ(M):「なんて力だ・・・。このままじゃ・・・」

 

434 ジュリ:「防ぐだけじゃ、私に勝てないわよ!!!」(ロミオを思いっきり蹴り飛ばす)

 

435 ロミオ:「ぐはっ・・・!!!」

 

436 ジュリ:「さようなら・・・。出来損ないのロミオ!!!!」(ナイフを刺す)

 

437 ロミオ:「・・・。(声にならない声)」

 

438 ジュリ:「苦しい・・・? 痛い・・・? もうすぐ何も感じなくなるわ・・・ロミオ!」(更に深く刺す)

 

437 ロミオ:「ジュリ・・・エット・・・」

 

438 ジュリ:「おやすみなさい・・・ロミオ・・・」

 

 

 

(1週間後)

 

 

439 ジュリ(M):「そろそろ時間ね・・・。今度のロミオは上手く行ったのかしら・・・?

          まぁ良いわ・・・。私だけのロミオにならないなら・・・、

          また、その時は殺すだけだわ。それだけの事・・・。       

          さてと、いつも通りの始まりを演じなきゃ・・・」

 

 

440 ロミオ:「此処は何処だ・・・? 俺はなぜ此処にいる・・・」

 

441 ジュリ:「目覚めたのね・・・。そのまま寝ていれば幸せだったのに・・・」

 

442 ロミオ:「どういう意味だ・・・?」

 

443 ジュリ:「さあね。とにかく目覚めたのなら早く着替えなさい。そこに服があるから」

 

444 ロミオ:「着替えって・・・・うわっ! なんで俺、裸なんだよ!!!」

 

445 ジュリ:「いちいち五月蠅いわね・・・。コールドスリープしてたのだから当然でしょう。

          さっさと着替えてこっちに来て!」

 

446 ロミオ:「あぁ・・・。そうするよ・・・ジュリエット」(後ろから首を絞める)

 

447 ジュリ:「ロミオ・・・貴方・・・」

 

448 ロミオ:「あぁ・・・。覚えてるよ・・・。君に刺された事を!」(更に強く首を絞める)

 

449 ジュリ:「そんな・・・馬鹿な事・・・」

 

450 ロミオ:「苦しいか・・・? 大丈夫だ・・・。もうすぐ何も感じなくなる・・・」

 

451 ジュリ:「苦しい・・・助けて・・・」

 

452 ロミオ:「あぁ、そうか・・・。君はまだ死んだ事がないんだったな・・・。どうだ・・・これが死ぬって事だよ。

       怖いし、苦しいだろう・・・。全部、君が教えてくれた事だよ!」

 

453 ジュリ:「ロ・・・ミ・・・オ・・・」

 

454 ロミオ:「安心してくれ。またすぐ会えるよ・・・。俺も君がいないと・・・駄目だから・・・。

       今度は、俺だけの・・・理想のジュリエットになってくれ!」

 

455ジュリ:「・・・」

 

456 ロミオ:「おやすみ・・・。愛しい・・・ジュリエット・・・。あはははは!!! あはははは!!!」 

 

 

 

side R 終わり】

 

 

 

 

 

あとがき

 

日頃より、このCodependent(共依存)を演じていただき、ありがとうございます。

以前から、もう一つのEDを書きたかったのですが、ずっと悩んでました・・・。

ですが、その話をした時に、気になると言う声を沢山いただいたので、

今回、新たに書き加えさせていただきました。

 

今後もこのCodependent(共依存)をどうか、宜しくお願い致します

 

 

2019年、8月12日

 

 

                                         片摩 廣