Life again...

作者 ヒラマ コウ

 

 

 

登場人物

 

 

アリソン・・・ブライアンにプロポーズされ、これから幸せな生活が待っていると夢見ていた。

                            だが、愛するブライアンを交通事故により突如亡くし、絶望の淵に立たされる。

                            最愛のブライアンを諦めることが出来ず、5年をかけてブライアンをアンドロイドとして蘇らす

 

 

ブライアン・・・アリソンとの順調に付き合っていてプロポーズをした次の日に交通事故により亡くなる。

                                時が経ち、アリソンの手により、アンドロイドとして蘇る

 

 

比率【1:1】

 

上演時間【70分】

 

 

※この台本は終盤、【人間のまま】と【アンドロイドに変わって生きる】にEDが分岐します。

 演じる相手と相談して、EDをお決めください。

 その際、人間のまま】と【アンドロイドに変わって生きる】の記載は特にいりません。

 

 上演の際は、Life again...とタイトルには、お書きください。

 

 

オンリーONEシナリオ2022

 

12月、テーマにしたシナリオです

 

 

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CAST

 

アリソン、車のAI:

 

ブライアン:

 

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001 アリソン:「遅い・・・。一体、何をしてるのかしら・・・。・・・待ち合わせ時間、とっくに過ぎてるのに・・・」

 

 

 

002 ブライアン:「遅れてごめん! かなり待たせたよね・・・?」

 

 

 

003 アリソン:「それがわかってるなら、もっと早くに来て」

 

 

 

004 ブライアン:「流石に2時間は不味かったか・・・」

 

 

 

005 アリソン:「2時間待たせて、大丈夫だろって思ってたわけ!? 信じられない・・・!」

 

 

 

006 ブライアン:「大丈夫だろまでは思ってないよ・・・。それに、遅れたのには理由があるし・・・」

 

 

 

007 アリソン:「長い間、待ちぼうけさせられてた私の気持ちが、全部消えるくらいの理由なのかしら?」

 

 

 

008 ブライアン:「消えるどころか、君なら、大喜びでその場で飛び跳ねたり、踊りだすくらいだと思うよ!」

 

 

 

009 アリソン:「何それ! そこまで言われたら、逆に気になるじゃない。早く理由を教えて」

 

 

 

010 ブライアン:「そうしたい所だけど、此処じゃまだ出来ないんだ」

 

 

 

011 アリソン:「ここまで話しておいて?ねぇ、お願い~!」

 

 

 

012 ブライアン:「そんな可愛い顔で、膨れても駄目なものは駄目だ!」

 

 

 

012 アリソン:「ブライアンのケチ~!!!」

 

 

 

013 ブライアン:「さ! 良いから、車に乗って」

 

 

 

014 アリソン:「車って・・・何処か遠くなの?」

 

 

 

015 ブライアン:「それは着いてからのお楽しみ」

 

 

 

 

(車内から景色を眺めてるアリソン)

 

 

 

016 アリソン:「あ~あ、私も車の運転したいな~」

 

 

 

017 ブライアン:「それには、路上教習を無事に済ませ、試験にも合格しないとだな」

 

 

 

018 アリソン:「意地悪・・・。私が運転、下手なのを知ってて、言ってるでしょう?」

 

 

 

019 ブライアン:「アリソンの運転は、観に行ったけど・・・あれじゃ、当分無理だろうな・・・」

 

 

 

020 アリソン:「そんなはっきり言わないで・・・。落ち込んじゃう・・・」

 

 

 

021 ブライアン:「アリソン、俺はそんな不器用なりにも、努力して、自分で決めた道にまっすぐ進む君が、

         大好きなんだ。だから諦めず頑張るんだ」

 

 

 

022 アリソン:「ズルい男・・・。そんな事言われたら、頑張るしかないじゃない・・・」

 

 

 

023 ブライアン:「その意気だ。大丈夫。君なら、絶対出来るよ」

 

 

 

024 アリソン:「ブライアン・・・。ありがとう・・・」

 

 

 

 

 

 

025 ブライアン:「ほらっ、あそこ見て」

 

 

 

026 アリソン:「うわ~! 素敵な岬!」

 

 

 

027 ブライアン:「君なら、気に入ると思った」

 

 

 

028 アリソン:「あの岬が、目的地?」

 

 

 

029 ブライアン:「半分・・・正解」

 

 

 

030 アリソン:「と言う事は、まだ何かあるのね」

 

 

 

031 ブライアン:「それは着いてからのお楽しみ」

 

 

 

032 アリソン:「あ~! もう我慢できない! ブライアン、窓開けて良い!?」

 

 

 

033 ブライアン:「(笑う)良いよ」

 

 

 

034 アリソン:「う~~~ん! 潮風が気持ち良い~~!!!」

 

 

 

035 ブライアン:「おいおい、そんなに顔を出したら、危ないぞ」

 

 

 

036 アリソン:「平気だって! こんな素敵な場所があったなんて最高よ~! ブライアン」

 

 

 

037 ブライアン:「アリソン」

 

 

 

038 アリソン:「ん? 何~?」

 

 

 

039 ブライアン:「何でもない」

 

 

 

040 アリソン:「何それ~ (笑う)」

 

 

 

041 ブライアン:「そろそろ、目的地だ」

 

 

 

042 アリソン:「一体、何が待ってるのかしら・・・」

 

 

 

043 ブライアン:「アリソン、目瞑って」

 

 

 

044 アリソン:「どうして?」

 

 

 

 

045 ブライアン:「良いから早く」

 

 

 

 

046 アリソン:「何だか知らないけど、良いわ。これって何か映画のワンシーンにある展開ね。ブライアンったら・・・」

 

 

 

047 ブライアン:「ストップ。その先は言っちゃ駄目だ」

 

 

 

048 アリソン:「(笑う)わかったわ」

 

 

 

049 ブライアン:「手を貸して」

 

 

 

050 アリソン:「ええ」

 

 

 

(車から降りアリソンの手をとり、ゆっくり歩きだすブライアン)

 

 

 

 

051 ブライアン:「俺達、付き合って、3年になるな~」

 

 

 

052 アリソン:「もうそんなになるのね・・・。貴方と出会ったの、つい最近のように思うのに」

 

 

 

053 ブライアン:「じゃあ、覚えてる?」

 

 

 

054 アリソン:「何をかしら?」

 

 

 

055 ブライアン:「君が俺に付き合う時に、言った言葉」

 

 

 

056 アリソン:「覚えてる・・・。咄嗟にあんな事言っちゃったけど、きっと貴方とそうなれたら良いなと思ったんだと思うわ」

 

 

 

057 ブライアン:「その気持ちは、今でも変わらない?」

 

 

 

058 アリソン:「ええ。変わらないわ」

 

 

 

059 ブライアン:「それが聞けて良かった」

 

 

 

060 アリソン:「え?」

 

 

 

061 ブライアン:「目的地に着いたよ。良い? ゆっくり目を開けて」

 

 

 

 

(ブライアンの言葉にゆっくり目を開くアリソン。目の前には、青い屋根と白い壁、そして玄関前にベンチがある家が見えた。

 その家を見て驚くアリソン)

 

 

 

 

062 アリソン:「これって!? 私の理想の家・・・」

 

 

 

063 ブライアン:「あぁ。君があの時、俺に言った理想の家だ」

 

 

 

064 アリソン:「それがどうして此処に?」

 

 

 

065 ブライアン:「君がそう望んだからだよ。・・・これでも苦労したんだ。不動産屋を探し回り、理想に近い家を見つけ、

          そこからは少しずつ、屋根の色を君の好きな青色に変えたり、壁を白に塗り替えたり・・・」

 

 

 

 

066 アリソン:「ブライアン・・・。ねぇ、このベンチはもしかして・・・」

 

 

 

067 ブライアン:「やっぱりわかっちゃったか・・・。アリソンが望んだベンチまでは、見つからなくてさ・・・

          それは、俺の手作りだ。やっぱ、不格好だからわかるよな~」

 

 

 

068 アリソン:「ううん・・・。凄く素敵・・・。私の為に、此処までしてくれるなんて・・・」

 

 

 

 

069 ブライアン:「そのベンチの完成が今日で、この家に置いてくる時間もあったりで、遅れたんだ・・・。

          本当に、待たせてごめん・・・」

 

 

 

070 アリソン:「こんな素敵な理由なら、許すわ・・・。むしろ嬉しい・・・」

 

 

 

071 ブライアン:「アリソン、此処に座って」

 

 

 

072 アリソン:「ええ」

 

 

 

073 ブライアン:「どう?」

 

 

 

074 アリソン:「・・・さっきの岬が見える・・・。綺麗・・・」

 

 

 

075 ブライアン:「その景色は俺からのプレゼント。そしてこれも・・・。随分待たせちゃったけど、受け取ってくれるかい?」

 

 

 

(ジャケットのポケットから、指輪を取り出す)

 

 

 

076 アリソン:「それって・・・」

 

 

 

077 ブライアン:「アリソン・・・。俺には君しかいない・・・。

                                      これからも2時間も待たせたりして度々、君を怒らすかもしれないけど、

          そんな不器用な俺でも良ければ、結婚してくれ・・・」

 

 

 

 

078 アリソン:「これからも2時間か・・・。それは考えちゃうかも・・・」

 

 

 

079 ブライアン:「おいおい・・・」

 

 

 

080 アリソン:「嘘よ。だって、こんなに長い間、待たされた上に、そんなプロポーズなんだから、意地悪したくなっちゃった」

   

 

 

081 ブライアン:「じゃあ?」

 

 

 

082 アリソン:「2時間でも、いくらでも待つ。こんな素敵なサプライズを考えてくれるんなら。

         ブライアン・・・。返事はイエスよ!」

 

 

 

083 ブライアン:「良かった! ホッとしたよ」

 

 

 

084 アリソン:「・・・」

 

 

 

085 ブライアン:「どうしたんだい?」

 

 

 

085 アリソン:「嬉しくて、涙が出ただけよ・・・。あ~あ、こんなに幸せで、良いのかな~」

 

 

 

086 ブライアン:「良いんだよ。俺も今、凄く幸せだ」

 

 

 

087 アリソン:「ありがとう・・・。これからよろしくね・・・。ブライアン・・・」

 

 

 

088 ブライアン:「こちらこそ、よろしく。アリソン」

 

 

 

 

089 アリソン(N):「ブライアンとの幸せな時間が、これから始まるんだとこの時の私は信じていた。

            車で送ってもらい、彼を見送り、私は家に戻り眠りについた。

            それが、生きてる彼の最後の姿になるなんて、知る由もなかった・・・。

            翌日・・・私は1本の電話で目を覚ます・・・」     

 

 

 

 

 

090 アリソン:「もしもし。・・・はい。ブライアンは私の彼ですが何か?

         ・・・え? それは本当ですか? ・・・はい。・・・わかりました

        では、失礼します・・・」

 

 

 

 

 

(電話が切れた後も、暫く放心状態になるアリソン。その手から電話が床に落ちる)

 

 

 

 

 

091 アリソン:「そんな・・・。どうして・・・。・・・これは何かの間違い。そう、夢よ・・・。そうに決まってる。

         だって、昨日まで、あんなに元気に・・・。お願い、悪い夢なら、早く覚めて・・・!!!!」

 

 

 

 

092 アリソン:「・・・夢じゃない。ねぇ、ブライアン・・・。

                                   どうしてなのよ・・・!!! こんなの酷過ぎる・・・!!!! (涙が溢れ大声で泣き続ける)」

 

 

 

 

 

 

 

 

093 ブライアン:「アリソン・・・。アリソン・・・。アリソンってば! 

                                       そんな所で寝てたら、風邪引くぞ。仕方ないな・・・。じゃあ、仕事行ってくるからね」

 

 

 

094 アリソン:「待って!!! ブライアン!!! ・・・え? ・・・そっか私、いつの間にか、寝ちゃったのね・・・。

         ブライアンが待ってる・・・。早く病院に行かなきゃ・・・」

 

 

 

 

095 アリソン:「遅れてすみません。彼は・・・。ブライアンは・・・?」

 

 

 

 

(案内され、ブライアンの眠る部屋に着き、ブライアンの顔を見るアリソン)

 

 

 

 

096 アリソン:「綺麗な寝顔・・・。まるで、まだ生きてるみたい・・・。ねぇ・・・? 死んだなんて嘘なんでしょう?

         何処かカメラが設置してあって、私を驚かすためのサプライズよね? 答えてよ・・・ブライアン・・・。

         どうして、私だけを置いてくの・・・。2時間でも、3時間でも、待つから・・・。

         お願い・・・。もう一度、目を開けてよ・・・!!! 

                                 ねぇ、ブライアンったら!!!!」(徐々に涙が溢れ、気付くと思いっきり叫び泣いている)

 

 

 

 

 

 

(ブライアンの遺体を後にし、部屋を出て、ロビーのベンチで考え込むアリソン)

 

 

 

 

 

097 ブライアン:「いつまでも君の側にいるよ」

 

 

 

 

098 アリソン:「嘘つき・・・」

 

 

 

 

099 ブライアン:「君の理想の家で、これから色々、思い出を作ろう2人で」

 

 

 

 

100 アリソン:「昨夜の車内での言葉、嬉しかった・・・。だけど、それも、もう・・・」

 

 

 

 

101 ブライアン:「どんな時だって、笑顔でいて。笑顔でいれば、きっと何もかも上手くいく」

 

 

 

 

102 アリソン:「そうよね、ブライアン。私に出来る事が何かあるはず・・・」

 

 

 

 

 

(病院を出て、家に帰り、PCで色々、検索するアリソン)

 

 

 

 

 

103 アリソン:「この人・・・。人間の脳を電子化させる事に成功してる・・・。この人なら、何とか出来るかも・・・!

         こうしちゃ、いられないわ!」

 

 

 

 

(病院に電話するアリソン)

 

 

 

 

104 アリソン:「先程は、ありがとうございました。彼、ブライアンの葬儀に関してなのですが、待って頂けないでしょうか?

         ・・・はい。・・・すみません。よろしくお願いします・・・」

 

 

 

 

(人間の脳を電子化に成功した科学者の研究所を訪ねるアリソン)

 

 

 

 

105 アリソン:「夜分遅くにすみません!!! お願いです!!! 私の話を聞いてください!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

106 アリソン(N):「あの時の私は無我夢中だった。断られるかもしれない。そんな事も頭によぎった・・・。

            だけど、あのまま何もせずじっとしてはいられなかった・・・。その科学者は私の言葉を、

            熱心に聴いて下さり、力を貸してくれた。そして、更に月日は流れ、1年が経過した」

 

 

 

 

(ブライアンがアリソンの為に用意した家で、作業をしているアリソン)

 

 

 

 

107 アリソン:「此処を、こうして・・・。こっちの回路に繋げて・・・。この配線は、こうよね・・・?

         よしっ、これで良いはず。さぁ、目を開けて・・・。お願い・・・」

 

 

 

 

(アリソンの願いとは裏腹に、何も反応しないアンドロイドの頭部)

 

 

 

 

108 アリソン:「どうして!? 何で動かないの・・・。・・・何が間違ってるのか調べなきゃ・・・。

        ・・・駄目。わからない・・・。今の私じゃ、やっぱり無理なの・・・?

        駄目ね・・・。少し休憩・・・。はぁ・・・」

 

 

 

(横に置いてあるソファーに力なく倒れ、落ち込むアリソン)

 

 

 

109 ブライアン:「元気を出してくれ」

 

 

 

110 アリソン:「ねぇ、ブライアン・・・。私がやろうとしてる事は・・・間違いなの?」

 

 

 

111 ブライアン:「間違ってるかどうかはわからない。自分を信じるんだ」

 

 

 

112 アリソン:「自分を信じたら、上手くいくの・・・?」

 

 

 

113 ブライアン:「きっと上手く行く」

 

 

 

114 アリソン:「もう・・・少しは否定もしてよ・・・」

 

 

 

115 ブライアン:「それは無理だ・・・。今の俺は、君の心が作り出した存在だから」

 

 

 

116 アリソン:「そうね・・・」

 

 

 

117 ブライアン:「君は努力を欠かさない」

 

 

 

118 アリソン:「ええ・・・」

 

 

 

119 ブライアン:「機械工学の知識なんて無いのに、1年前から、こうして努力を続けてる」

 

 

 

120 アリソン:「・・・」

 

 

 

121 ブライアン:「大丈夫。いつかは努力が報われるよ」

 

 

 

122 アリソン:「報われなかったら・・・?」

 

 

 

123 ブライアン:「その時は・・・。生前の俺の言葉を思い出すんだ。君ならそれでわかるだろ?」

 

 

 

124 アリソン:「わかった・・・」

 

 

 

125 ブライアン:「良い子だ」

 

 

 

126 アリソン:「ありがとう・・・。そうね・・・。こんな事で挫けちゃいられない・・・。前に進まなきゃ・・・」

 

 

 

 

 

127 アリソン(N):「こんなやりとりを、私の中のブライアンと続け、更に2年が経過した。努力のおかげか、

            作業は少しずつ進んでいた。だけど、私は、嬉しい気持ちだけではなかった・・・」

 

 

 

 

(ハンマーを握りしめ考え込むアリソンに、アリソンの中のブライアンが話かける)

 

 

 

 

128 アリソン:「・・・」

 

 

 

129 ブライアン:「また何か悩んでるのか?」

 

 

 

130 アリソン:「ええ・・・。・・・私のこの努力は、本当に彼の為になるのかなって・・・。

         ひょっとしたら、とんでもなく勘違いな努力になってるんじゃないの?」

 

 

 

131 ブライアン:「後悔してる?」

 

 

 

132 アリソン:「してないと言ったら、嘘になると思う・・・」

 

 

 

133 ブライアン:「そっか。なら、どうしたい?」

 

 

 

134 アリソン:「・・・」

 

 

 

135 ブライアン:「仕方ない・・・。その手に持ってるハンマーで、一思いに壊すんだ」

 

 

 

136 アリソン:「でも・・・」

 

 

 

137 ブライアン:「今の君を苦しめてる原因なんだ。躊躇わずに早く」

 

 

 

138 アリソン:「・・・」

 

 

 

139 ブライアン:「壊すんだ!!!」

 

 

 

140 アリソン:「(ハンマーを作りかけの部品に振り下ろす)」

 

 

 

 

 

 

 

141 ブライアン:「どうして、止めた?」

 

 

 

142 アリソン:「だって・・・」

 

 

 

143 ブライアン:「これからも、それは君を苦しめるかもしれないぞ」

 

 

 

144 アリソン:「・・・それでも、此処で壊して、何もかもリセットさせるなんて出来ない・・・!!!」

 

 

 

145 ブライアン:「(深い溜息)・・・君ならそうすると思った」

 

 

 

146 アリソン:「私が望む事、何でもお見通しなのね・・・」

 

 

 

147 ブライアン:「そう言う存在だからね」

 

 

 

148 アリソン:「都合が良いんだから・・・」

 

 

 

149 ブライアン:「俺じゃ、君を幸せに出来ないからね。残念だけど、それは此処で待っている彼の使命だ。

          落ち込んでる暇はないぞ! 頑張れ! アリソン!」

 

 

 

150 アリソン:「うん・・・!」

 

 

 

 

 

151 アリソン(N):「私が今している事は、正しいかはわからない・・・。だけど、迷っていたら何も始まらない・・・。

           自分の気持ちに嘘なんてつけない・・・。私は、ブライアンに・・・もう一度会いたい・・・。

           彼の笑う姿を、見たい・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

152 アリソン:「ついに此処まで来たのね・・・・。長かった・・・。気付けば5年・・・。

                                   何度も挫けそうになる度に、私の中のブライアンに励まされ、

           この日を迎える事が出来たわ・・・。もう、何が起きても受け止める。いよいよ起動ね」

 

 

 

 

153 アリソン:「出力安定。電子脳のインストール開始・・・」

 

 

 

154 アリソン:「10%・・・。20%・・・。50%・・・。・・・順調にいってる」

 

 

 

155 アリソン:「70%・・・。75%・・・。もう少しよ・・・。80%・・・。・・・・・・97%」

 

 

 

156 アリソン:「100%・・・。インストール完了」

 

 

 

 

(ゆっくりと目を開く、ブライアン。それを見て、喜びを隠せないアリソン)

 

 

 

 

157 ブライアン:「・・・」

 

 

 

158 アリソン:「私がわかる・・・?」

 

 

 

159 ブライアン:「・・・」(無言で首を動かし、辺りを見回す)

 

 

 

160 アリソン:「・・・どうかした? 何処か、おかしい・・・?」

 

 

 

161 ブライアン:「アリソン・・・。俺は・・・。どうして・・・」

 

 

 

162 アリソン:「私の事が、ちゃんとわかるのね・・・!」

 

 

 

163 ブライアン:「俺は、アリソンと別れて、帰宅途中に・・・対向車が突っ込んできて・・・」

 

 

 

164 アリソン:「ブライアンだ・・・。私の知ってるブライアン・・・」

 

 

 

165 ブライアン:「アリソン・・・。何故? 泣いてるんだ・・・?」

 

 

 

166 アリソン:「何でもないわ・・・。嬉しくて・・・」

 

 

 

167 ブライアン:「でもどうして・・・? 何が起きたんだ・・・? 俺は意識が薄れ・・・あのまま・・・」

 

 

 

(ブライアンはアリソンに問いかけたが、アリソンの眼差しを見て、何が起きたか理解をする)

 

 

 

168 アリソン:「おかえりなさい・・・。ブライアン・・・」

 

 

 

169 ブライアン:「ただいま・・・。アリソン・・・」

 

 

 

170 アリソン:「・・・・・・」

 

 

 

171 ブライアン:「・・・・・・」

 

 

 

 

(暫く見つめ合うアリソンとブライアン。気付くと外は薄暗くなり始めていた)

 

 

 

 

172 アリソン:「部屋を案内するわ。付いてきて・・・」

 

 

 

173 ブライアン:「あぁ。・・・おっと」

 

 

 

174 アリソン:「どうしたの? 動きづらい・・・?」

 

 

 

175 ブライアン:「大丈夫だ・・・。まだ、慣れてないだけ」

 

 

 

(そう言いアリソンのいる方ではなく、玄関にかけてある鏡に向かうブライアン)

 

 

 

176 ブライアン:「・・・」(鏡に映った自分の顔を見て、手で顔を触ったり、色々と確かめている) 

 

 

 

177 アリソン:「どう?」

 

 

 

178 ブライアン:「これは本物の皮膚?」

 

 

 

179 アリソン:「ううん・・・。違うわ。人工的な皮膚なのだけど・・・」

 

 

 

180 ブライアン:「触り心地も、違和感なくて驚いてる・・・」

 

 

 

181 アリソン:「当たり前じゃない。そこら辺も、苦労したんだから・・・」

 

 

 

182 ブライアン:「アリソン・・・。感謝してる」

 

 

 

183 アリソン:「それ本当? 心の中で何処か、生き返らせなくて良かったとか思ってたり・・・」

 

 

 

184 ブライアン:「そんな事、思う訳ないだろ」

 

 

 

185 アリソン:「本当に・・・?」

 

 

 

186 ブライアン:「一体、どうしたんだ? 俺の知ってるアリソンは、そんな不安になってばかりじゃ・・・」

 

 

 

187 アリソン:「仕方ないじゃない・・・。ブライアン、貴方が亡くなって、こうして甦らすまで・・・5年かかったわ・・・。

           色々あったし、あの頃のままの私じゃないの・・・!」

 

 

 

188 ブライアン:「アリソン・・・。・・・ごめん。別に責めてるわけじゃないんだ。その5年間で、一体何があったのか、

           話してくれないか?」

 

 

 

189 アリソン:「・・・」

 

 

 

190 ブライアン:「構わない。俺の知らない間の君を、知りたいんだ」

 

 

 

191 アリソン:「・・・わかったわ。此処は冷え込むし、こっちの部屋に行きましょう」 

 

 

 

 

 

(部屋に入り、置いてあるソファーに座るアリソンとブライアン)

 

 

 

 

 

 

 

192 ブライアン:「落ち着いた?」

 

 

 

193 アリソン:「ごめんなさい。もう、大丈夫よ」

 

 

 

194 ブライアン:「わかった。じゃあ、ゆっくり何があったか、話て」

 

 

 

195 アリソン:「貴方は、交通事故で亡くなってから、私は無我夢中で調べ・・・ある科学者の家に行ったわ。

         その方は、人間の脳を電子化する事に成功をした。その事を知って、私は必死に頼み込み、

         協力をしてもらったの。ブライアンの脳を電子化する為に。そして、無事に電子化は完了したわ」

 

 

 

 

196 ブライアン:「それじゃあ、俺のこの体の中には、その電子化された脳が・・・」

 

 

 

197 アリソン:「ええ。そうなるわ。・・・その後は、本当・・・今思っても大変だった・・・。一からその方に、教えてもらい

         機械工学を学んだわ。そして1年が経過した。その頃になると、私も少しずつ、貴方の体を作る計画を勧めたわ。

         だけど、上手くいかなくて・・・。何度も挫け、落ち込む私を励ましてくれた人がいるの・・・」

 

 

 

 

198 ブライアン:「君が苦しい時に、支えた人・・・。ひょっとして男か?」

 

 

 

199 アリソン:「ええ。男性よ」

 

 

 

200 ブライアン:「そっか・・・。それはショックだし、その男に、嫉妬するよ」

 

 

 

201 アリソン:「(笑う)」

 

 

 

202 ブライアン:「何が可笑しいんだ?」

 

 

 

203 アリソン:「だって、余りに可笑しくて・・・(笑う)」

 

 

 

204 ブライアン:「おいおい・・・。理由を教えてくれ・・・」

 

 

 

205 アリソン:「そんな困った顔しないで。少しからかっただけよ。ごめんなさい。実はね、その男性は貴方よ」

 

 

 

206 ブライアン:「え? 俺・・・?」

 

 

 

207 アリソン:「正確にいうと・・・私の中のブライアンに励まされたの」

 

 

 

208 ブライアン:「要するに、君が作り出した俺に?」

 

 

 

209 アリソン:「ええ。だから、貴方が自分自身に嫉妬しているって思うと、なんだか可笑しくて・・・ (笑う)」

 

 

 

210 ブライアン:「それは違いない! (笑う)」

 

 

 

 

 

 

211 アリソン:「・・・その彼によって励まされ、その後も、苦悩したり、落ち込んだりを繰り返し・・・今日を迎えたの」

 

 

 

212 ブライアン:「もう無理だ。と諦めそうにはならなかったのか?」

 

 

 

213 アリソン:「そんな時もあったけど、貴方の言葉があったから頑張れた。」

 

 

 

214 ブライアン:「俺の言葉?」

 

 

 

215 アリソン:「『俺はそんな不器用なりにも、努力して、自分で決めた道にまっすぐ進む君が、大好きなんだ。

            だから諦めず頑張るんだ』

            この言葉があったからこそ、今の私があるのよ」

 

 

 

216 ブライアン:「あの時、車内で俺が君に伝えた言葉。覚えてくれてたんだな・・・」

 

 

 

217 アリソン:「当たり前じゃない・・・。貴方がくれた沢山の言葉の中でも、これは特別」

 

 

 

218 ブライアン:「アリソン・・・」

 

 

 

219 アリソン:「今の貴方は、まだ生まれたばかり。これから先、色々な可能性が広がってるわ。

         だから、お願い。新たな始まり・・・第2の人生を、精一杯楽しんで」

 

 

 

220 ブライアン:「新たな始まり・・・」

 

 

 

221 アリソン:「そう。今日から始まるの」

 

 

 

222 ブライアン:「君と俺との」

 

 

 

223 アリソン:「ええ」

 

 

 

224 ブライアン:「じゃあ、あれも仕切り直しだ。ちょっと待ってて」

 

 

 

225 アリソン:「うん・・・」

 

 

 

 

226 ブライアン:「あったあった。アリソン、左手を出して」

 

 

 

227 アリソン:「はい・・・」

 

 

 

228 ブライアン:「アリソン・・・。君がくれた、新たな人生。俺は君と再び、過ごしたい。

          結婚してくれ。アリソン」

 

 

 

 

229 アリソン:「2時間でも3時間でも待つとは言ったけど、5年は長過ぎよ・・・。

         もう二度と、こんなに長く待たせないで・・・」

 

 

 

 

230 ブライアン:「わかった。・・・それで返事は?」

 

 

 

 

231 アリソン:「勿論、イエスよ! 結婚しましょう。ブライアン」

 

 

 

 

232 ブライアン:「あぁ、喜んで」

 

 

 

 

 

 

 

 

233 アリソン:「もうこんな時間・・・。夕飯の準備を・・・あっ・・・」

 

 

 

234 ブライアン:「どうした?」

 

 

 

235 アリソン:「・・・」

 

 

 

236 ブライアン:「あ~そっか・・・。大丈夫、俺の事は気にしないで」

 

 

 

237 アリソン:「でも・・・」

 

 

 

238 ブライアン:「じゃあ、1つ提案。俺は食べられないけど、側で君が食べてるの見て良い?」

 

 

 

239 アリソン:「黙って側で・・・?」

 

 

 

240 ブライアン:「それでも良いけど・・・本当に良いの?」

 

 

 

241 アリソン:「やっぱり、会話がしたい」

 

 

 

 

242 ブライアン:「君ならそう言うと思った」

 

 

 

 

243 アリソン:「私の事は何でもわかるのね」

 

 

 

 

244 ブライアン:「夫婦だからね」

 

 

 

 

245 アリソン:「さ~て、何作ろうかしら~」

 

 

 

 

(そう言ってキッチンに向かうアリソン。その行動を見て嬉しそうに問いかけるブライアン)

 

 

 

 

246 ブライアン:「あ~! ひょっとして、赤くなった?」

 

 

 

247 アリソン:「なってな~い! もう~! こっちに来ないで、そっちで待ってて」

 

 

 

248 ブライアン:「なってないって言うんだったら、顔見せてよ」

 

 

 

249 アリソン:「嫌よ。料理の邪魔しないで」

 

 

 

250 ブライアン:「その反応は、やっぱり照れてる証拠だ」

 

 

 

251 アリソン:「ブライアンの馬鹿・・・。急に、あんな嬉しい事、言われたら・・・そりゃあ、照れるわよ・・・」

 

 

 

252 ブライアン:「そりゃ、そうだな! 違いない! (笑う)」

 

 

 

253 アリソン:「そうよ・・・あなた」

 

 

 

 

254 ブライアン:「ふえっ!? 今、何て?」

 

 

 

255 アリソン:「期待通りの反応、ありがとう~」

 

 

 

256 ブライアン:「見事にしてやられた・・・」

 

 

 

257 アリソン:「さっきの仕返しよ (微笑)」

 

 

 

258 ブライアン:「それで、何を作ってるんだい?」

 

 

 

259 アリソン:「ビーフストロガノフよ~」

 

 

 

260 ブライアン:「良いね~」

 

 

 

261 アリソン:「さぁ、出来た」

 

 

 

262 ブライアン:「食器、出しとく」

 

 

 

263 アリソン:「ありがとう」

 

 

 

(食器棚の食器類を見て何か考え込んでるブライアン)

 

 

 

264 ブライアン:「・・・」

 

 

 

265 アリソン:「どうかした?」

 

 

 

266 ブライアン:「何でもない。この食器、持ってきてくれたんだ」

 

 

 

267 アリソン:「貴方と一緒に初めて買いに行った物よ。捨てたりしないわ」

 

 

 

268 ブライアン:「この食器・・・お店を5軒程回って、ようやくだったな」

 

 

 

269 アリソン:「貴方は・・・3軒目のお店辺りから、疲れた~を連呼してたわね」

 

 

 

270 ブライアン:「疲れるさ・・・。何で女は、こんなに買い物が好きなんだ! って心の中で叫んでたよ」

 

 

 

271 アリソン:「そんな事だろうと思った。でも、この食器を見つけた時、貴方も横で、綺麗だと言ってくれたの嬉しかったのよ。

         これにして、本当に良かった」

 

 

 

272 ブライアン:「あぁ。あの時、諦めずに探したかいがあったな」

 

 

 

273 アリソン:「そうね」

 

 

 

274 ブライアン:「さぁ、折角の料理が冷めちゃうから、早く食べて」

 

 

 

275 アリソン:「うん。じゃあ、いただきます」

 

 

 

276 ブライアン:「召し上がれ」

 

 

 

277 アリソン:「ねぇ・・・」

 

 

 

278 ブライン:「ん?」

 

 

 

279 アリソン:「ううん。何でもない」

 

 

 

280 ブライアン:「・・・」(じっとアリソンを見つめる)

 

 

 

282 アリソン:「そんなに見つめないで」

 

 

 

283 ブライアン:「どうしてだい?」

 

 

 

284 アリソン:「もう、貴方って本当意地悪ね」

 

 

 

285 ブライアン:「さっきのお返し」

 

 

 

286 アリソン:「馬鹿・・・」

 

 

 

287 ブライアン:「これってさ、夢じゃないんだよな・・・。またこうして、君の色々な表情が見れるなんて」

 

 

 

288 アリソン:「現実よ。・・・ねぇ、明日は何処に行く?」

 

 

 

289 ブライアン:「・・・」

 

 

 

290 アリソン:「ブライアンの行きたい所に行きましょう。何処かある?」

 

 

 

291 ブライアン:「・・・アリソン。俺、人間に見えるよな?」

 

 

 

292 アリソン:「ええ・・・。外見はアンドロイドに見えないよう、頑張ったから、人間に見えると思うわ。

         どうしたのいきなり?」

 

 

 

 

293 ブライアン:「じゃあ、落ち着いたら俺も仕事探す。これから維持費とか、色々かかるだろう?」

 

 

 

 

294 アリソン:「そうだけど・・・」

 

 

 

 

295 ブライアン:「何か不味いのか?」

 

 

 

 

296 アリソン:「ブライアン、よく聞いて。貴方は確かに、見た目は生前の姿よ。

         だけど・・・貴方が亡くなって、脳を電子化した後、貴方の遺体は、墓地へ埋葬したわ・・・。

         だから、戸籍上では、貴方は、もう存在してないの・・・」

 

 

 

 

297 ブライアン:「だったら、仕事は無理だな・・・」

 

 

 

 

298 アリソン:「心配しないで! その分、私が働くわ。だから、貴方は何も心配しなくて良いのよ」

 

 

 

 

299 ブライアン:「それじゃあ、君に負担をかけてばかりだ。こんな俺にも何か出来る事は・・・」

 

 

 

 

300 アリソン:「ブライアン・・・。・・・だったら、こうするのはどうかしら? 私の代わりに、家事をやってくれる?」

 

 

 

 

301 ブライアン:「それだと・・・」

 

 

 

302 アリソン:「勿論、わかってる。食事は、ちゃんと私が作るわ。だから、それ以外をお願いして良い?」

 

 

 

303 ブライアン:「それなら俺にも出来そうだ。わかったよ」

 

 

 

304 アリソン:「決まりね。じゃあ、さっきの質問に戻るけど、明日は何処に行きたい?」

 

 

 

305 ブライアン:「君は何処に行きたい?」

 

 

 

306 アリソン:「質問を質問で返さないで」

 

 

 

307 ブライアン:「そうだな~。実はさ、行きたい所は一杯あるんだ。だけどな~」

 

 

 

308 アリソン:「何か問題?」

 

 

 

309 ブライアン:「死んでる人間が、人の多い場所に行ったら不味いだろ? 

           それこそ、誰かに知り合いに見られたら・・・ゾンビ!!!! ってなって世間を騒がすことになりそうだ・・・」

 

 

 

 

310 アリソン:「それなら心配しないで。私に良い考えがあるわ」

 

 

 

311 ブライアン:「その考えなら、絶対バレない?」

 

 

 

312 アリソン:「私を信じて」

 

 

 

313 ブライアン:「わかった。君を信じるよ」

 

 

 

314 アリソン:「それで、何処に行きたいの?」

 

 

 

315 ブライアン:「じゃあ、まずはアイススケート」

 

 

 

316 アリソン:「わかったわ。明日、行きましょう」

 

 

 

317 ブライアン:「楽しみだ~。でも、今夜は寝れるかな~。

            あっ、アンドロイドだから、スリーピング機能が付いてるか! (笑う)」

 

 

318 アリソン:「何、馬鹿な事言ってるのよ。そんな昨日は付けてないわ。

           貴方は、人間のように、自然に眠気が来たら、寝れるわよ」

 

 

 

319 ブライアン:「なんだ残念・・・」

 

 

 

320 アリソン:「何で残念なのよ・・・。あっ、さては、アンドロイドになって、寝なくても良いとか、好きな時間にすぐ寝れるから、

         夜更かして、映画にドラマ観放題!!!とか思ってたのでしょ?」

 

 

 

 

321 ブライアン:「君はエスパーか!!! 凄い!!! 当たってるよ!!!」

 

 

 

 

322 アリソン:「貴方の考えてる事なんてお見通しよ。全く・・・」

 

 

 

 

323 ブライアン:「ごめんごめん」

 

 

 

 

324 アリソン:「限りなく人間と同じように生活して欲しい。そう思って、頑張ったの。

         だから、夜更かしもしても良いけど、システムに影響が出るかもしれないし、程々にね・・・」

 

 

 

 

 

325 ブライアン:「あぁ、わかってる。君が大事に作り上げた体だ。無茶はしないよ」

 

 

 

 

326 アリソン:「さ~て、明日の為に、そろそろ寝ましょう」

 

 

 

 

327 ブライアン:「アリソン、悪い。先に寝ててくれ」

 

 

 

 

328 アリソン:「もう、言った側から・・・」

 

 

 

 

329 ブライアン:「久しぶりに、観たい映画があるんだ! お願い!!!」

 

 

 

 

330 アリソン:「・・・わかったわ。ちゃんと観た後は、寝てよね」

 

 

 

 

331 ブライアン:「約束する。おやすみ。アリソン」

 

 

 

 

332 アリソン:「おやすみなさい。あ・な・た」

 

 

 

 

333 ブライアン:「ええっ!?」

 

 

 

 

334 アリソン:「さっきの仕返し。じゃあね~」

 

 

 

 

335 ブライアン:「全く・・・。相変わらずの負けず嫌いなんだから・・・」

 

 

 

 

 

 

(翌日、ブライアンが目を覚ましリビングに向かうと、既にアリソンは色々支度をしていた)

 

 

 

 

 

336 アリソン:「おはよう。随分と遅い起床ね。余程、ベッドが心地良かったのかしら~」

 

 

 

 

337 ブライアン:「おはよう~。寝室が一緒なんだから、起こしてくれても良かったじゃないか?」

 

 

 

 

338 アリソン:「だって、余りにも気持ちよさそうな顔して、寝てたから起こしたら可哀想かなって」

 

 

 

339 ブライアン:「そりゃあ、お気遣いどうも」

 

 

 

340 アリソン:「どういたしまして。それより、体に何か異常はない?」

 

 

 

 

341 ブライアン:「何も問題ないよ。所で、俺のエネルギーに関して何だが・・・」

 

 

 

 

342 アリソン:「その点は心配しないで。あらゆる光量を貴方の髪が受け取り、エネルギーにしてくれるわ」

 

 

 

343 ブライアン:「それはつまり?」

 

 

 

344 アリソン:「簡単に言うと、髪の毛1本1本がハイパワーなソーラーパネルの代わりよ。だから貴方は

         普通に生活していれば、室内でも室外でも、1時間くらいでエネルギーは充電されるわ」

 

 

 

 

345 ブライアン:「私生活に不自由を感じないように、配慮してくれたんだね」

 

 

 

 

346 アリソン:「そんな所よ。じゃあ、そろそろ出かけましょう。準備は出来てるわ」

 

 

 

 

347 ブライアン:「昨日言ってた良い考えだね」

 

 

 

 

348 アリソン:「そう。だから、ブライアン、これをかけて」

 

 

 

 

349 ブライアン:「サングラス?」

 

 

 

350 アリソン:「それとこのジャケットも」

 

 

 

351 ブライアン:「わかった」

 

 

 

352 アリソン:「サイズはどうかしら?」

 

 

 

353 ブライアン:「ねぇ、アリソン!」

 

 

 

354 アリソン:「何~? 着替え終わっ・・・」

 

 

 

 

355 ブライアン:「ダダンダンダダン! I'll be back(アイルビーバック)」

 

 

 

356 アリソン:「(吹き出す)もう! 何してるのよ!!!」

 

 

 

357 ブライアン:「君の方こそ、黒いサングラスに、黒いジャケット用意して、これを期待してたんだろ!」

 

 

 

358 アリソン:「少しは期待してたけど・・・まさか本当にするなんて・・・(笑う)」

 

 

 

 

359 ブライアン:「君が喜ぶと思ってさ」

 

 

 

 

360 アリソン:「大満足よ! それに貴方は、戻って来たわ。私の元へ。だから間違ってない」

 

 

 

 

361 ブライアン:「あぁ、そうだな」

 

 

 

 

362 アリソン:「じゃあ、そろそろ出発しましょう」

 

 

 

 

363 ブライアン:「それは良いけど俺の車、持ってきてるのか?」

 

 

 

 

364 アリソン:「流石に処分しないと行けなかったから、新しく買ったわ」

 

 

 

 

365 ブライアン:「じゃあ、新しい車を運転出来るのか。楽しみだ」

 

 

 

 

366 アリソン:「ブライアン。貴方は、助手席よ」

 

 

 

 

367 ブライアン:「何で? 君は運転出来ないんじゃ?」

 

 

 

 

368 アリソン:「5年も経ってるのよ。無事に取れたわ」

 

 

 

 

369 ブライアン:「アリソンが免許を・・・」

 

 

 

370 アリソン:「何よ。その言い方・・・」

 

 

 

371 ブライアン:「免許取ってから、何年経った?」

 

 

 

372 アリソン:「半年程・・・」

 

 

 

373 ブライアン:「まだ今年じゃないか!? 本当に大丈夫か・・・?」

 

 

 

374 アリソン:「心配しないで! 普通に買い物にも行ってたし大丈夫よ」

 

 

 

375 ブライアン:「・・・」

 

 

 

376 アリソン:「良いから、ガレージに行くわよ」

 

 

 

377 ブライアン:「わかったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

378 アリソン:「ねぇ、目瞑って」

 

 

 

379 ブライアン:「どうして?」

 

 

 

380 アリソン:「良いから早く!」

 

 

 

381 ブライアン:「わかったわかった。・・・これで良いかい?」

 

 

 

382 アリソン:「ええ。良いわ」

 

 

 

(そう言うと、アリソンはガレージの開閉スイッチを押す。ゆっくりと開いていき、アリソンの買った新しい車が姿を現す)

 

 

 

 

383 アリソン(M):「やっとブライアンと色んなところにいける!

            この5年に見つけた素敵なもの、彼にも沢山、見せてあげなきゃ!

            新しい車だけど・・・この車種に色、気に入ってくれるかな・・・」

 

 

 

 

384 ブライアン:「アリソン。もう目開けて良いかい?」

 

 

 

 

385 アリソン:「良いわよ。ゆっくり開けて」

 

 

 

 

386 ブライアン:「これは・・・」

 

 

 

 

387 アリソン:「最新型のSUVよ。色は貴方も乗る事を考えて、黒にしてみたけど、どうかしら?」

 

 

 

 

388 ブライアン:「君は、最高の妻だ!!! こんな車に乗れるなんて夢みたいだ!!!」

 

 

 

389 アリソン:「大喜びね! 早く助手席に乗って」

 

 

 

390 ブライアン:「なぁ、アリソン・・・。お願いだ・・・。俺に運転させてくれないか?」

 

 

 

391 アリソン:「ブライアン・・・」

 

 

 

392 ブライアン:「だって、こんな最高の車なんだ! 早く運転してみたいよ!」

 

 

 

393 アリソン:「・・・そうしてあげたいけど、まだ駄目よ・・・。その体に慣れない内には危ないわ・・・。

         様子を見て、運転させてあげるから、待ってくれる?」

 

 

 

 

394 ブライアン:「・・・我儘言ってごめん」

 

 

 

 

395 アリソン:「落ち込まないで。すぐに運転出来るようになるわ。車を前に出すから待ってて。・・・これでよしっ。さぁ、乗って」

 

 

 

 

396 ブライアン:「あぁ」

 

 

 

 

(車に乗り込むアリソンとブライアン)

 

 

 

397 アリソン:「シートベルト、OK?」

 

 

 

398 ブライアン:「ちゃんとしたよ」

 

 

 

399 アリソン:「それじゃあ、出発する・・・」

 

 

 

400 ブライアン:「それバックギアに・・・」

 

 

 

401 アリソン:「えっ? きゃああああ!!!」(アクセルを勢いよく踏む)

 

 

 

402 ブライアン:「うわああああ!!! ブレーキ!!! ブレーキ!!!」

 

 

 

 

(慌ててブレーキを踏むアリソン。それを見て問いかけるブライアン)

 

 

 

403 アリソン:「はぁ、はぁ、はぁ・・・。危なかった・・・」

 

 

 

404 ブライアン:「なぁ、やはり俺が運転した方が・・・」

 

 

 

405 アリソン:「任せといて。これは、緊張しただけ。冷静になれば大丈夫よ」

 

 

 

406 ブライアン:「あぁ・・・」(思わずシートベルトをぎゅっと握りしめ身構える)

 

 

 

407 アリソン:「じゃあ、気を取り直して。出発!」

 

 

 

 

(先程とは違い冷静に運転を続けるアリソン。ブライアンは窓から外を見ている)

 

 

 

 

 

 

408 アリソン:「どう? だいぶ街の雰囲気も変わったでしょ?」

 

 

 

409 ブライアン:「あんな建物、前は無かった」

 

 

 

410 アリソン:「貴方が亡くなってから、2年ぐらい経って出来たわ。複合施設で、1階にあるお店、オススメなのよ!

         今度、一緒に行きましょう!」

 

 

 

411 ブライアン:「ウキウキしてるって事は・・・さては、俺が蘇ってから、行きたい場所、色々リサーチしてただろう?」

 

 

 

412 アリソン:「ギクッ・・・」

 

 

 

413 ブライアン:「相変わらず、わかりやすいな。顔に出てるぞ。そうだって」

 

 

 

414 アリソン:「良いでしょ! もう!!!」

 

 

 

415 ブライアン:「悪い悪い。楽しみにしてたんだよな。俺とこうして、出かけるの」

 

 

 

416 アリソン:「別にそんなんじゃ・・・」

 

 

 

417 ブライアン:「その割には、また顔が真っ赤だぞ」

 

 

 

418 アリソン:「馬鹿! そんな事ない!!!」(助手席のブライアンを見てて、前を見てない)

 

 

 

419 ブライアン:「悪かったって・・・。って、おい! 前 前 前!!!」

 

 

 

420 アリソン:「えっ!? きゃあああああああああ!!!! 

           ぶつかる!!!!!!」(前の車にぶつかりそうになり、急ハンドルをきる)

 

 

 

421 ブライアン:「うわっ!? それじゃ、今度は壁にぶつかる!!!!! ハンドルきって!!!!」

 

 

 

422 アリソン:「こう!?」

 

 

 

 

423 ブライン:「よしっ! 良いぞ! 安定してきた! そのまま、ハンドルを維持して」

 

 

 

 

424 アリソン:「ええ!」

 

 

 

 

 

 

425 ブライアン:「もう安心だな。一時はどうなるかと思ったぞ。運転中は、前をちゃんと見なきゃ駄目だろ」

 

 

 

 

426 アリソン:「ごめんなさい・・・」

 

 

 

 

427 ブライアン:「俺も、からかい過ぎた。運転中は駄目だな・・・。反省してるよ」

 

 

 

 

428 アリソン:「程々にしてよね。もう・・・」

 

 

 

 

429 ブライアン:「どれくらいで到着?」

 

 

 

 

430 アリソン:「20分くらいよ」

 

 

 

 

431 ブライアン:「そう。・・・なぁ、運転、疲れてないか?」

 

 

 

432 アリソン:「後少しだから、平気よ」

 

 

 

433 ブライアン:「無理するなよ」

 

 

 

434 アリソン:「ブライアン・・・。貴方もわかりやすいわ。・・・仕方ないわね。全く・・・」

 

 

 

435 ブライアン:「え? 何が?」

 

 

 

436 アリソン:「教えてあ~げない。駄目なものは駄目なの。大人しく乗ってて」

 

 

 

437 ブライアン:「俺は、別に運転したいなんて・・・」

 

 

 

438 アリソン:「思ってるくせに」

 

 

 

439 ブライアン:「うっ・・・運転したいよ」

 

 

 

440 アリソン:「素直でよろしい。このまま今回のデートで問題なければ、来週からでも、運転させてあげる。

        だから、そんな落ち込まないで」

 

 

 

441 ブライアン:「本当に!?」

 

 

 

442 アリソン:「ええ、本当よ。もう、本当、わかりやすいんだから。でも、そんな無邪気な部分に、

         惹かれたのかもね」

 

 

 

443 ブライアン:「俺も、そんな優しい部分に、惹かれたんだよ」

 

 

 

(スケート場に到着)

 

 

 

444 アリソン:「嬉しいわ。ブライアン。さ~て、到着よ。心の準備は良い?」

 

 

 

445 ブライアン:「何処も変じゃないかな?」

 

 

 

446 アリソン:「大丈夫。何処からみても、人間に見えるわ。自信持って!」

 

 

 

447 ブライアン:「わかった。君を信じる」

 

 

 

448 アリソン:「その調子よ。さぁ、行きましょう」

 

 

 

 

(スケート場内)

 

 

 

449 アリソン:「アイススケートなんて、久しぶりだわ。上手く滑れるかしら」

 

 

 

450 ブライアン:「大丈夫。万が一転んだって、俺が支えてあげる」

 

 

 

451 アリソン:「私より転んでたくせに」

 

 

 

452 ブライアン:「今の俺は、前の俺とは違う。今は、何でも上手く出来る気がするんだ」

 

 

 

453 アリソン:「何だか別人みたい」

 

 

 

454 ブライアン:「君のおかげで、俺はスーパーヒーローさ。このまま、世界すら救っちゃうかもな」

 

 

 

455 アリソン:「それも素敵だけど、あいにく、そんな機能は付けてないわ。普通で良いのよ。

         貴方は、私を守ってくれるこの世で一人のスーパーヒーローよ」

 

 

 

456 ブライアン:「君が望むのなら、俺は永遠に守り続ける。この体が動かなくなるまで」

 

 

 

457 アリソン:「ねぇ、ブライアン?」

 

 

 

458 ブライアン:「何だい? アリソン?」

 

 

 

459 アリソン:「貴方って、そんなにロマンチックだったかしら?」

 

 

 

460 ブライアン:「君がこの世に居る限り、俺はいくらでもロマンチックになれるよ」

 

 

 

461 アリソン:「・・・もう、そろそろ普通に戻って」

 

 

 

462 ブライアン:「結構、良い線、言ってたと思うんだけど、駄目だった?」

 

 

 

463 アリソン:「貴方らしくないわ。今の方が、ずっと好きよ。ねぇ、早く滑りましょう」

 

 

 

464 ブライアン:「置いてかないでくれ。アリソン」

 

 

 

465 アリソン:「私だけのスーパーヒーローさん、早く追いついてみて~!」

 

 

 

466 ブライアン:「よ~し、見てろよ!」

 

 

 

467 アリソン:「上手いわよ。ブライアン! その調子!」

 

 

 

468 ブライアン:「ねぇ、見てよ。俺、こんなに上手に滑れる!」

 

 

 

469 アリソン:「見えてるわ! さぁ、早く来て!」

 

 

 

470 ブライアン:「今行くから、逃げないでよ!」

 

 

 

471 アリソン:「ええ!」

 

 

 

472 ブライアン:「それ~!!!」

 

 

 

473 アリソン:「ねぇ、ちょっとスピード出し過ぎよ!」

 

 

 

474 ブライアン:「平気平気! もっと加速だ~!」

 

 

 

475 アリソン:「大丈夫かしら・・・」

 

 

 

(アリソンに追いついて、並んで滑るブライアン)

 

 

 

476 ブライアン:「お待たせ~。スーパーヒーロー、只今参上」

 

 

 

477 アリソン:「驚いたわ。いつからそんな上手に滑れるようになったの?」

 

 

 

478 ブライアン:「君に馬鹿にされっぱなしだったからね。密かに特訓してたのさ」

 

 

 

479 アリソン:「特訓の成果ってわけね。じゃあ、私も本気、出しちゃおうっと。それ~!」

 

 

 

(更に加速して、離れるアリソン)

 

 

 

480 ブライアン:「待ってくれ。君こそ、特訓してたんじゃないの?」

 

 

 

481 アリソン:「追いついたら、教えてあげるわ」

 

 

 

482 ブライアン:「わかった。追いついてやる。負けるか~!」

 

 

 

483 アリソン:「凄いわ。ブライアン。もう追いついたのね!」

 

 

 

484 ブライアン:「当然。俺だって、このくらい出来るのさ!」

 

 

 

485 アリソン:「私の負けね。教えてあげる・・・。って、ねぇ、ブライアン、何処行くのよ!?」

 

 

 

486 ブライアン:「アリソン! ヤバいよ! スピード上げ過ぎて、止まれな~い!!!」

 

 

 

487 アリソン:「嘘でしょ!? ブライアン、前、前!!!」

 

 

 

488 ブライアン:「うわああああああ!!! フェンスにぶつかる!!!」

 

 

 

(スケート場のフェンスにぶつかり、倒れるブライアン。周りの利用客も、何事だと集まってくる)

 

 

 

489 アリソン:「ブライアン!? 大丈夫!?」

 

 

 

490 ブライアン:「・・・頭はぼ~っとするけど、無事みたい・・・」

 

 

 

491 アリソン:「無茶し過ぎよ! ほらっ、立って」

 

 

 

492 ブライアン:「ありがとう。アリソン。・・・皆さん、お騒がせしました! 無事です! 心配しないで大丈夫です!」

 

 

 

(無事なのがわかると、周りの利用客も再び各々、スケートを楽しむために戻る)

 

 

 

493 アリソン:「本当、大丈夫?」

 

 

 

494 ブライアン:「平気だよ。どこも痛くないし」

 

 

 

495 アリソン:「なら良いけど・・・。念のために、家に帰ったら、チェックさせて」

 

 

 

496 ブライアン:「わかった。それで良いよ」

 

 

 

497 アリソン:「ねぇ、少し休憩しましょう」

 

 

 

498 ブライアン:「あぁ、そうしよう」

 

 

 

 

 

 

499 ブライアン:「なぁ、アリソン・・・」

 

 

 

500 アリソン:「何? ・・・やっぱりどこか痛い?」

 

 

 

501 ブライアン:「そうじゃない。

            ・・・こうして君とまた一緒に、楽しんだり出来るのが、まだ信じられない。本当に夢じゃないよね?」

 

 

 

502 アリソン:「大丈夫。ちゃんと現実よ。貴方は、こうして今、私の目の前でちゃんと生きてる。安心して」

 

 

 

503 ブライアン:「・・・俺、生きてるんだ・・・。生きてるなら・・・」

 

 

 

504 アリソン:「何? どうしたの?」

 

 

 

505 ブライアン:「・・・いや、何でもない」

 

 

 

506 アリソン:「そう・・・。さてと、もう少し滑ったら、家に帰りましょう」

 

 

 

507 ブライアン:「そうだな。そうしよう」

 

 

 

 

(家に戻って来たアリソンとブライアン)

 

 

 

 

 

 

508 アリソン:「ただいま。・・・久しぶりの長距離ドライブは、疲れたわ」

 

 

 

509 ブライアン:「ソファーで座ってて。今、コーヒー、淹れてくる」

 

 

 

510 アリソン:「ブライアン。コーヒーだけど、地下のラボに持ってきて。」

 

 

 

511 ブライアン:「アリソン。夕飯もまだじゃないか。チェックは、明日でも良いよ」

 

 

 

512 アリソン:「駄目よ。何かあってからでは遅いの。お願いだから、言う通りにして」

 

 

 

513 ブライアン:「・・・わかったよ。ラボに持ってく」

 

 

 

514 アリソン:「ありがとう。ブライアン」

 

 

 

 

 

 

515 ブライアン:「はい、コーヒー」

 

 

 

516 アリソン:「そこのデスクに置いといて。・・・じゃあ、チェックするから、服脱いで、その装置の上に立って」

 

 

 

517 ブライアン:「チェックだけど、どれくらいかかる?」

 

 

 

518 アリソン:「まだわからないわ。初めての事だったし、少し時間かかるかも。でも、心配しないで。任せて」

 

 

 

519 ブライアン:「わかった。君を信じる。・・・さぁ、これで良い?」

 

 

 

520 アリソン:「良いわ。・・・じゃあ、始めるわね」

 

 

 

521 ブライアン:「あぁ、頼む」

 

 

 

522 アリソン:「チェック開始」

 

 

 

 

 

 

523 ブライアン:「アリソン、何だか・・・、眠くなってきた・・・。・・・これ正常なの・・・?」

 

 

 

524 アリソン:「ええ、正常よ。眠ってる間に、チェックは終わるわ。・・・おやすみ。ブライアン」

 

 

 

525 ブライアン:「おや・・すみ・・・。アリ・・・ソン・・・」

 

 

 

 

 

 

526 アリソン:「本当、嘘が下手なんだから・・・。待ってて。ブライアン・・・」

 

 

 

 

 

 

(チェックが終わり目覚めるブライアン)

 

 

 

527 ブライアン:「・・・おはよう。・・・アリソン。・・・チェックは終わった?」

 

 

 

528 アリソン:「おはよう・・・。ブライアン。ええ、終わったわ。・・・ねぇ、調子はどう?」

 

 

 

529 ブライアン:「・・・良い感じだけど。・・・あれ? アリソン、何か雰囲気、変わった?」

 

 

 

530 アリソン:「寝ぼけてる感じからしたら、正常ね。ねぇ、リビングで待ってて」

 

 

 

 

531 ブライアン:「わかった」

 

 

 

 

 

 

532 ブライアン:「・・・あれ? 何かリビングも、昨日と違って見える・・・。

          まだ、俺、寝ぼけてるのかな・・・」

 

 

 

533 アリソン:「お待たせ。ねぇ、ブライアン。見て。今朝の朝食も美味しく出来たわ」

 

 

 

534 ブライアン:「アリソン・・・。君の手料理は、いつ見ても美味しそうだね。はぁ~。

          ・・・見てるだけじゃなくて、また味わえたら、最高なんだけどな~」

 

 

 

535 アリソン:「・・・やっぱり、本音隠してたわね。ねぇ、ブライアン?」

 

 

 

536 ブライアン:「何だい? アリソン・・・?」

 

 

 

537 アリソン:「人間じゃなくなって、出来なくなった事も、多いかもしれない。

         でもね、一人で悩まないで・・・。私達、夫婦なのよ。

         私、貴方の為なら、どんな困難な事でも、やり遂げるわ。

         だから、諦めたり、一人で悩んだりしないで・・・」

 

 

 

538 ブライアン:「ごめん・・・。アリソン。君に負担かけたくなくて、言えなかった・・・」

 

 

 

539 アリソン:「負担なんて思う訳ないでしょ。これからは、ちゃんと言ってよね」

 

 

 

540 ブライアン:「わかった。約束する」

 

 

 

541 アリソン:「宜しい。・・・それじゃ、朝食にしましょう。・・・貴方の為に、久しぶりに腕を振るった料理が冷めちゃうわ!」

 

 

 

542 ブライアン:「え・・・!? 今、何て・・・?」

 

 

 

543 アリソン:「・・・はい。貴方の分」

 

 

 

544 ブライアン:「でも・・・」

 

 

 

545 アリソン:「私を信じて・・・」

 

 

 

546 ブライアン:「うん・・・」(恐る恐る料理を口に運ぶ)

 

 

 

547 アリソン:「・・・どう?」

 

 

 

548 ブライアン:「・・・君の手料理の味だ・・・。・・・ちゃんと味がするよ・・・。・・・美味しいよ・・・!」

 

 

 

549 アリソン:「・・・良かった・・・」

 

 

 

550 ブライアン:「・・・でも、どうして? 一体、どういう事?」

 

 

 

551 アリソン:「・・・ブライアン。・・・苦労したのよ。・・・でも、ちゃんと成功した。2年、待たせる事になっちゃったけど・・・」

 

 

 

552 ブライン:「え!? 2年!? じゃあ、君の雰囲気も、家の中の雰囲気が変わったのも!?」

 

 

 

553 アリソン:「全部、気のせいじゃないわ。・・・あのデートの日から2年よ。・・・長い間、待たせてごめんなさい・・・」

 

 

 

554 ブライアン:「謝らないで。アリソン。・・・君は謝る必要なんてないよ。むしろ俺こそ、無理させてごめん・・・」

 

 

 

555 アリソン:「大好きな貴方の望みだもの。無理なんかじゃない。こうして、喜んでくれるだけで、私は嬉しいわ。

         ほらっ、どんどん食べて」

 

 

 

556 ブライアン:「うん。・・・俺は、世界で一番の幸せ者だ。・・・こんな優しくて、心の温かな奥さんと一緒になれたんだから」

 

 

 

557 アリソン:「これ以上、褒めても、食後のデザートしかないわよ」

 

 

 

558 ブライアン:「それで十分だよ。ありがとう。アリソン」

 

 

 

559 アリソン:「食べた物だけど、中で分解して、貴方の動力エネルギーに変換できるようにしたわ。

         だから、いくらでも原理上は食べられるけど、食べ過ぎないでね」

 

 

 

560 ブライアン:「太っちゃうからかい?」

 

 

 

561 アリソン:「太ったりはしないけど、貴方が望むのなら、そういう体型にする事も・・・」

 

 

 

562 ブライアン:「そこまでしなくて良いよ。今のこの体型で十分だ」

 

 

 

563 アリソン:「わかったわ。私、そろそろ仕事に行く時間だから、行くわね」

 

 

 

564 ブライアン:「わかった。洗い物と家の掃除は任せて」

 

 

 

565 アリソン:「頼りにしてるわ。じゃあ、また夜にね」

 

 

 

566 ブライアン:「行ってらっしゃい」

 

 

 

(仕事に出かけるアリソン)

 

 

 

567 ブライアン:「さてと、アリソンが帰ってくるまでに、しっかり家事しとかなくちゃな。・・・ん? この封筒はなんだ?

          アリソンからだ・・・」

 

 

 

(アリソンからのメッセージを読むブライアン)

 

 

 

568 アリソン:「ガレージに行ってみて。そこに貴方へのプレゼントがあるわ。・・・P.S 家事はちゃんとやってね。アリソンより」

 

 

 

569 ブライアン:「ガレージって・・・まさか・・・!」

 

 

 

(ガレージに行くと、2年前に見た車とは別の車が置いてある)

 

 

 

 

570 ブライアン:「やっぱり! 新しい車だ! でも、鍵は何処にあるんだ?」

 

 

 

571 車のAI:「声紋認証確認。初めましてブライアン」

 

 

 

572 ブライアン:「え!? 喋った!? 初めまして・・・」

 

 

 

573 車のAI:「私は、アリソンが開発したAIです。ブライアンの運転を安全にサポートするため生まれました。何処へ向かいますか?」

 

 

 

574 ブライアン:「何処に行こうか・・・。あっ、駄目だ駄目だ。まずは、家事からだ。また後で来るよ」

 

 

 

575 車のAI:「わかりました。ブライアン」

 

 

 

(家事をすませ戻ってくるブライアン)

 

 

 

576 ブライアン:「ただいま」

 

 

 

577 車のAI:「おかえりなさい。ブライアン。出かける準備は出来ましたか?」

 

 

 

578 ブライアン:「準備オッケー」

 

 

 

579 車のAI:「それでは、お乗りください」

 

 

 

580 ブライアン:「内装も好みだ」

 

 

 

581 車のAI:「気に入っていただけて何よりです。何処へ向かいますか?」

 

 

 

582 ブライアン:「えっと、この車は自動運転しか搭載されてないの?」

 

 

 

583 車のAI:「いえ。自動運転と手動運転の切り替えが出来ます。ハンドルのこちらのボタンもしくは、声紋認証で可能です」

 

 

 

584 ブライアン:「手動運転も出来るのは、嬉しいな」

 

 

 

585 車のAI:「それでは、手動運転に切り替えますか?」

 

 

 

586 ブライアン:「あぁ、頼む」

 

 

 

587 車のAI:「声紋認証、確認。手動運転に切り替えます」

 

 

 

588 ブライアン:「ありがとう。さぁ、出発だ」

 

 

 

589 車のAI:「安全運転を心がけてください」

 

 

 

590 ブライアン:「わかってるよ」

 

 

 

 

 

 

 

(仕事を終え、帰宅するアリソン)

 

 

 

 

591 アリソン:「ただいま、ブライアン、何処に居るの~・・・?

         ふ~・・・、車が無いって事は、早速、運転しに行ったわね。・・・本当、好きなんだから・・・。

         あっ・・・、帰ってきた」

 

 

 

592 ブライアン:「おかえり。アリソン」

 

 

 

593 アリソン:「こんな時間まで走りに行くなんて、余程気に入ったのね」

 

 

 

594 ブライアン:「物凄く気に入ったよ。ありがとう。アリソン!」

 

 

 

595 アリソン:「どういたしまして。さぁ、ディナーにしましょう」

 

 

 

 

 

 

596 アリソン(N):「それから暫く、幸せな日々が続いた。

            ブライアンは優しくて、本当に夢のような毎日だった。

            でも・・・、ふと思った・・・。

            ブライアンは、年を取らずに若いままだけど・・・、

            私は・・・、年を取り、やがて・・・」

 

 

 

 

597 ブライアン:「ねぇ、アリソン。・・・今日も良い天気だし、ドライブに行かない?」

 

 

 

598 アリソン:「ごめんなさい・・・。これから用事があるの・・・。

         悪いけど、一人で行ってきて・・・」

 

 

 

599 ブライアン:「そう・・・。なら仕方ない。・・・じゃあ、行ってくるね」

 

 

 

600 アリソン:「行ってらっしゃい・・・」

 

 

 

601 アリソン:「このままじゃ行けないわ。早く行動しなくちゃ・・・」

 

 

 

 

 

602 ブライアン:「ただいま~。あれ? アリソン・・・? まだ帰ってないのか・・・。

          仕方ない・・・。この前のお詫びに、今夜のディナーは俺が作るか・・・」

 

 

 

 

603 アリソン:「・・・遅くなっちゃったわ・・・。ブライアン、ただいま~」

 

 

 

604 ブライアン:「夜遅くまで、大変だったね・・・。お腹、空いたんじゃない? 今日は俺が・・・」

 

 

 

605 アリソン:「ごめんなさい・・・。外で済ませちゃったわ。・・・明日、食べるわね」

 

 

 

606 ブライアン:「そう・・・」

 

 

 

607 ブライアン(N):「この日から、アリソンの帰りが遅い日が続いた・・・。

             幾ら何でもおかしいと思いながらも、彼女の必死な表情を見たら、理由を訊けなかった・・・。

            そのまま、1カ月、続いたある日だった・・・」

 

 

 

 

608 アリソン:「ねぇ、ブライアン・・・、今夜だけど・・・」

 

 

 

609 ブライアン:「いつも通り、遅くなるんだろう・・・。こっちは適当にディナー済ますから、気にしなくて良いよ」

 

 

 

610 アリソン:「ごめんなさい・・・。・・・イヴは、絶対に貴方と過ごせるから、それだけは約束する・・・」

 

 

 

611 ブライアン:「わかったよ。・・・ほら、急ぐんだろう? もう良いから、行って」

 

 

 

612 アリソン:「行ってきます・・・!!!」

 

 

 

613 ブライアン:「・・・さて、部屋の掃除から始めるか・・・。

          先ずは、アリソンの部屋から・・・。

          ・・・あれ? アリソン、机の上のノートパソコンの電源、入れっぱなしだよ・・・。

          さては、此処で作業したまま、寝ちゃったんだな・・・。

          本当、仕方ないんだから・・・。・・・ん!? これって・・・。

          そんな・・・。・・・アリソン、何てことを・・・!?」

 

 

 

 

614 アリソン:「・・・急ぎすぎて、ノートパソコン、忘れちゃった・・・。

         ・・・ブライアンは、出かけて居ないみたいね・・・。

         後、もう少しだから、頑張らなくちゃ・・・。

         え? ドア空いてる・・・。まさか・・・!?

         ・・・間違いない。見たんだ・・・。こうしちゃ居られないわ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

615 ブライアン:「・・・はぁ~」

 

 

 

616 車のAI:「溜息ばかり付いていると、幸せが逃げますよ。ブライアン」

 

 

 

617 ブライアン:「・・・お前は、意思を持って、辛い事はないか・・・?」

 

 

 

618 車のAI:「ありません。ブライアンは、辛いのですか?」

 

 

 

619 ブライアン:「・・・あぁ、今、辛いよ・・・」

 

 

 

620 車のAI:「私で良ければ、理由を聞きますよ。話してください」

 

 

 

621 ブライアン:「アリソンが俺に隠れて、進めている計画・・・、見てしまったんだ・・・」

 

 

 

622 車のAI:「・・・」

 

 

 

623 ブライアン:「はぁ~・・・。沈黙って事は、お前も知ってたんだな・・・」

 

 

 

624 車のAI:「申し訳ございません。アリソンから禁じられていたので、伝えられませんでした」

 

 

 

625 ブライアン:「・・・律儀なんだな。・・・なぁ、俺はどうすれば良い?」

 

 

 

626 車のAI:「素直な気持ち、伝えたらどうですか?」

 

 

 

627 ブライアン:「それが出来たら、此処まで悩んだりしないだろう・・・」

 

 

 

628 車のAI:「残念ですが、答えを出す時間のようです」

 

 

 

629 ブライアン:「どうして?」

 

 

 

630 車のAI:「後方から、アリソンの車が近付いてます」

 

 

 

631 ブライアン:「何でだよ・・・。どんな顔して会えば良いか分からないよ・・・!

          ・・・自動運転、解除! 手動運転に、切り替えてくれ・・・!」

 

 

 

632 車のAI:「許可出来ません。新たなルートを受信。自動運転を続けます」

 

 

 

633 ブライアン:「覚悟を決めるしかないのか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

634 車のAI:「目的地に到着しました。自動運転を終了します」

 

 

 

635 ブライアン:「・・・此処は、セントラルパーク・・・」

 

 

 

636 車のAI:「アリソンが待っています。素直な気持ちを伝えてください」

 

 

637 ブライアン:「よし・・・。行ってくる」

 

 

 

 

 

 

638 アリソン:「ブライアン・・・。あのね・・・」

 

 

 

639 ブライアン:「・・・此処も久しぶりだな~。・・・アリソン、少し歩いて話そう・・・」

 

 

 

640 アリソン:「ええ・・・」

 

 

 

641 ブライアン:「・・・」

 

 

 

642 アリソン:「・・・」

 

 

 

643 ブライアン:「良かった、まだ此処にあった。覚えてるだろう? 初めて、君と出会ったベンチだ」

 

 

 

644 アリソン:「忘れたりしないわ・・・。読書していたら、いつの間にか横に座ってたわね・・・」

 

 

 

645 ブライアン:「あぁ・・・。読書してる姿が、気になって・・・、気付いたら、座ってたよ」

 

 

 

646 アリソン:「ずっと私の事、見ていて、可笑しかった・・・」

 

 

 

647 ブライアン:「仕方ないだろう・・・。一目惚れだったんだ・・・」

 

 

 

648 アリソン:「やっぱり、そうだったんだ・・・」

 

 

 

649 ブライアン:「アリソンは、俺の事、可笑しい人としか思ってなかったと思うけど・・・」

 

 

 

650 アリソン:「ううん・・・。今だから言うとね・・・。あの時、私も同じ気持ちだったのよ・・・」

 

 

 

651 ブライアン:「え?」

 

 

 

652 アリソン:「だから、あの時、嬉しかったわ・・・」

 

 

 

653 ブライアン:「初耳なんだけど。それじゃあ、その後に、俺からのデートを断った理由は?」

 

 

 

654 アリソン:「あれは・・・、初対面でオーケーしちゃったら、軽い女だって思われるかもしれない・・・。

         そう、思ったからよ・・・」

 

 

 

655 ブライアン:「そんな事、思ったりしないよ・・・。馬鹿だな・・・」

 

 

 

656 アリソン:「慎重だったのよ・・・。だって、ずっと一緒に居たいと思う人に、巡り合えたんだから・・・」

 

 

 

657 ブライアン:「ずっと一緒にか・・・。そうだとしても、あの計画は・・・、相談して欲しかった・・・」

 

 

 

658 アリソン:「言わなきゃと何度も思ったわ。でも、貴方の事だから反対すると思って・・・」

 

 

 

659 ブライアン:「あぁ・・・。反対だよ・・・。

          俺と一緒に居たいからって、自分自身もアンドロイドになるなんて・・・。 

          アリソンには、普通に年を取って・・・、寿命を迎えて死んで欲しい・・・」

 

 

 

660 アリソン:「やはりそうよね・・・」

 

 

 

661 ブライアン:「此処に来るまでは、その選択しか無かった」

 

 

 

662 アリソン:「え?」

 

 

 

663 ブライアン:「でも、君とこのベンチで、昔の事を話してたら・・・、他の選択肢も悪くないかな~とも思えてね・・・。

          だから、アリソンが本当に望むことなら・・・、俺は、その選択を受け入れるよ」

 

 

 

664 アリソン:「ブライアン・・・」

 

 

 

665 ブライアン:「でも、約束してくれないか。決して無理はしない事。

          後、俺達、パートナーなんだから、悩んだ時は、打ち明ける事。

          ・・・もしかしたら、君が浮気しているかもって、不安で寝れない時もあったんだ・・・」

 

 

 

 

666 アリソン:「浮気なんて、一度も考えた事はないわよ。

         どちらの選択をしたとしても・・・、私は生涯、貴方のパートナーよ・・・。

         だから、心配しないで・・・」

 

 

 

667 ブライアン:「アリソン・・・」

 

 

 

668 アリソン:「ブライアン・・・。私の理想の旦那様・・・。愛しているわ・・・」

 

 

 

669 ブライアン:「俺も・・・、愛しているよ・・・。アリソン・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

人間のままなら、【670】

 

 

 

アンドロイドに変わって生きるなら、【702】

 

 

 

 

 

670  アリソン:「私は・・・、1週間、迷いながらも、どちらを選ぶか決断した・・・」

 

 

 

 

 

 

(アリソンとブライアンの寝室)

 

 

 

 

671 ブライアン:「・・・おはよう、アリソン」

 

 

 

672 アリソン:「あぁ・・・。・・・おはよう・・・。ブライアン」

 

 

 

673 ブライアン:「今朝は、顔色が良さそうだな。・・・起きれるかい?」

 

 

 

674 アリソン:「・・・ねぇ・・・、ブライアン・・・。私、綺麗・・・?」

 

 

 

675 ブライアン:「・・・あぁ。・・・出会った頃から変わらず、綺麗だよ・・・」

 

 

 

676 アリソン:「ふふふ・・・。相変わらず・・・、お世辞が上手ね・・・。でも、気遣わなくて良いのよ・・・。

        ・・・自分が、年老いたことは、自分がよく知ってるわ・・・」

 

 

 

677 ブライアン:「・・・後悔してないかい? 本当は、もっと一緒に行きたかったんじゃ・・・」

 

 

 

678 アリソン:「・・・振り返ってみると・・・、後悔もあったのかもしれない・・・。

         ブライアンは、若い頃の姿のままで・・・、私は・・・、一日ずつ年を取って・・・、

         顔も手も、皺が増えていったわ・・・。・・・そんな時は、若返りの研究でも・・・、

         とかも、考えたり・・・、今思えば・・・、老いを感じる事が、とても怖かった・・・」

 

 

 

679 ブライアン:「ごめん・・・、俺があの時、強く言い過ぎたから・・・」

 

 

 

680 アリソン:「ううん・・・。そうじゃないわ・・・。・・・あの時の言葉、嬉しかったのよ・・・。

         ・・・あれから、沢山、笑ったり・・・、泣いたり・・・、怒ったり・・・、

         時には、夫婦げんかもしたわよね・・・。・・・その一つ一つの日々が・・・、

         今も、目を閉じたら・・・、鮮明に浮かんでくる・・・。

         ・・・ブライアン、ありがとう・・・。

         愛している貴方に・・・、受け入れて貰えた事が・・・、凄く嬉しかった・・・。

         ・・・・・・、だから後悔もしたけど・・・、貴方と出会えて、幸せな人生だった・・・わ・・・」

 

 

 

681 ブライアン:「・・・アリソン、まだ行っちゃ駄目だ・・・! ・・・俺を一人にしないでくれ・・・!」

 

 

 

682 アリソン:「ブライアンったら、泣かないで・・・。・・・安心して、旅立てないじゃない・・・」

 

 

 

683 ブライアン:「・・・いつか別れの日が来るって、覚悟していたけど・・・、まだ早過ぎる・・・」

 

 

 

684 アリソン:「・・・いいえ、私は・・・、もう80歳よ・・・。・・・長生き出来たわ・・・。

         お願い・・・、ブライアン・・・。・・・もう、良いのよ・・・」

 

 

 

685 ブライアン:「でも・・・!」

 

 

 

686 アリソン:「・・・ねぇ・・・、窓を開けてくれる・・・?」

 

 

 

687 ブライアン:「あぁ・・・。・・・これで良いかい?」

 

 

 

689 アリソン:「・・・この部屋からの景色・・・、本当に綺麗・・・」

 

 

 

690 ブライアン:「当然だ・・・。愛しているアリソンに、この綺麗な景色、プレゼントしたのだから・・・」

 

 

 

691 アリソン:「・・・こうして一緒に、あの岬を眺めていると・・・、昔に戻ったようね・・・」

 

 

 

692 ブライアン:「あぁ・・・」

 

 

 

693 アリソン:「・・・ねぇ、ブライアン、見て・・・。・・・雪よ・・・。・・・岬に舞い降りた天使みたいで、綺麗・・・」

 

 

 

694 ブライアン:「・・・あぁ。・・・君みたいに綺麗だ・・・」

 

 

 

695 アリソン:「・・・ブライアン・・・」

 

 

 

696 ブライアン:「何だ・・・?」

 

 

 

697 アリソン:「・・・ア・・・リ・・・ガ・・・ト・・・ウ・・・」

 

 

 

698 ブライアン:「・・・アリソン・・・?」

 

 

699 アリソン:「・・・・・・・・・」

 

 

700 ブライアン:「・・・俺も・・・、君と出会えて・・・、幸せだったよ・・・。・・・ゆっくりお休み・・・、アリソン・・・」

 

 

 

 

701 ブライアン:(N)「・・・岬に舞い降りた白い天使は・・・、まるで彼女を祝福するかのように・・・、

             静かに・・・、俺達の家に、降り積もっていった・・・。

             ・・・残された自分に、何が出来るか、今は、何もわからないけど・・・、

             ただ一つ、言える事は・・・、アリソンの分まで・・・、

             俺は・・・、この第2の人生を・・・、精一杯、生きるという事だけだ・・・」

 

 

 

 

 

 

【人間のままなら】 END

 

 

 

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702 アリソン:(N)「私は・・・、1週間、迷いながらも、どちらを選ぶか決断した・・・」

 

 

 

703 アリソン:(N)「・・・2年後・・・。・・・私は・・・、ブライアンと同じアンドロイドに、生まれ変わった・・・」

 

 

 

 

 

 

(自宅内の研究施設)

 

 

 

704 ブライアン:「・・・アリソン、・・・気分はどうだい・・・?」

 

 

 

705 アリソン:「・・・悪くない。・・・各、免疫システムも正常に、機能してる・・・」

 

 

 

706 ブライアン:「・・・一人で立てるかい・・・? 手、貸そうか・・・?」

 

 

 

707 アリソン:「・・・平気よ、自分で、歩ける・・・きゃっ・・・!」

 

 

 

708 ブライアン:「危ない・・・!」(アリソンを支える)

 

 

 

709 アリソン:「・・・ありがとう・・・、ブライアン・・・」

 

 

 

710 ブライアン:「・・・良いんだ。・・・ほらっ、俺と歩調、合わせて・・・」

 

 

 

711 アリソン:「うん・・・。・・・ねぇ、ブライアン・・・」

 

 

 

712 ブライアン:「どうした・・・?」

 

 

 

713 アリソン:「・・・ブライアンが、作ってくれたベンチに座りたい・・・」

 

 

 

714 ブライアン:「お安い御用だ・・・」

 

 

 

 

 

 

(家の玄関に設置しているベンチ)

 

 

 

715 アリソン:「今日も・・・、良い天気ね・・・」

 

 

 

716 ブライアン:「あぁ・・・。・・・さぁ、着いたよ。・・・ゆっくり腰かけて・・・」

 

 

 

717 アリソン:「・・・うん。・・・もう、大丈夫・・・。ありがとう・・・、ブライアン・・・」

 

 

 

718 ブライアン:「・・・なぁ、アリソン・・・」

 

 

719 アリソン:「何・・・?」

 

 

720 ブライアン:「・・・俺も隣に、座って良いかな・・・?」

 

 

721 アリソン:「うふふふ・・・!」

 

 

722 ブライアン:「ちょっと、どうして笑うんだい? そんなに可笑しい事、言ったかな~?」

 

 

723 アリソン:「ええ・・・。だって、今のブライアン、出会った頃のようだった・・・」

 

 

724 ブライアン:「それもそうか・・・。あっはははは・・・・」

 

 

725 アリソン:「笑ってないで、早く座ってよ・・・」

 

 

726 ブライアン:「あぁ・・・」

 

 

727 アリソン:「・・・此処から見る岬も綺麗ね・・・」

 

 

728 ブライアン:「君の方が綺麗だよ・・・。アリソン・・・」

 

 

729 アリソン:「・・・もう・・・、そんな真面目なトーンで、言わないでよ・・・。

         こっちまで照れちゃうじゃない・・・」

 

 

730 ブライアン:「・・・ずっと俺達、一緒だ・・・」

 

 

731 アリソン:「うん・・・。でも、後悔してない・・・?

         化学は進化し続けてるけど・・・、世間からしたら、

         まだ私達のような関係は・・・、理解に苦しむ人々も居るわ・・・」

 

 

 

732 ブライアン:「後悔はしてないよ・・・。・・・少しずつ世間を変えていくさ・・・。

          この先、何年、何十年、何百年、かかったとしても・・・、

          君と共になら・・・、必ず良い方向に、未来は進むはずだ・・・」

 

 

 

733 アリソン:「ブライアン・・・。・・・そうね、きっとそうなる・・・。

         いいえ、そうして見せる・・・。

         私ね・・・、貴方に受け入れられるか・・・、怖かった・・・。

         でも・・・、もう怖がったりしない・・・。

         だって・・・、隣には・・・、ブライアン・・・、貴方が居てくれるのだから・・・」

 

 

 

734 ブライアン:「・・・あっ、雪だ・・・」

 

 

 

735 アリソン:「・・・綺麗・・・。まるで、私達の新しい未来を祝福してくれてる天使みたい・・・」

 

 

 

736 ブライアン:「新しい未来か・・・。うん、そうだな・・・。今日、此処から、新たに、二人の未来は始まるんだ・・・」

 

 

 

737 アリソン:「ブライアン・・・。そうね・・・、良い未来にしましょう・・・」

 

 

 

738 ブライアン:「・・・そうだな。・・・アリソン・・・」

 

 

 

739 アリソン:「何・・・?」

 

 

 

740 ブライアン:「ハッピーバースデー! アリソン・・・」

 

 

 

741 アリソン:「ブライアン・・・。・・・ハッピーバースデー! ・・・一緒に、第2の人生、楽しみましょう・・・」

 

 

 

741 アリソン:(N)「世間に、アンドロイドは認知され始めてるけど・・・、

            まだ、全ての人類が、そうとは限らない・・・。

             だからこの先、どんな困難が、待ち受けているかは、まだわからないけど・・・、

            ・・・ブライアンと一緒なら・・・、きっと乗り越えていける・・・。

            ・・・未来は、・・・自分達で、切り開いていくものだから・・・」

 

 

 

 

【アンドロイドに変わって生きるなら】 END