華麗なる罠 エピソード0

 

作者:ヒラマ コウ

 

 

 

登場人物

 

 

マイク:みんなにアホと言われてるが、実は凄腕のハッカー。

    だが、実際はそうではなく、アホのフリして、ベンに近付き、ベンの仲間となる。

    全ては、ベンに復讐する為に・・・。

 

 

 

ケイト:感情を表に出すのが苦手。だけど計算と距離や深さを的確にわかる才能を持つ。

    眼鏡に三つ編み。

    その姿は偽りで、実際の性格は、大胆不敵。

    強欲で欲しい物、手にする為には、手段を選ばない。

 

 

 

比率:【1:1】

 

 

上演時間:【30分】

 

 

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CAST

 

    

マイク:

 

ケイト:

 

 

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マイク(M):「あの日の屈辱は、今も決して忘れない・・・。

        ベンの、たった一言のせいで・・・、俺は・・・、

        いや・・・、俺達、家族は・・・、何もかも失ってしまった・・・」

 

 

 

マイク(M):「俺はベンを・・・。ベンの大事な物、全て・・・! この手で、破滅させてやる・・・」

 

 

 

マイク(M):「その為には・・・、どんな手段も問わない。・・・そう、あの時、誓ったんだ・・・」

 

 

 

 

ケイト(M):「私は望まれて、産まれたわけではなかった・・・。

         私の母は、大富豪の愛人として過ごし、その大富豪と母の間に出来たのが、私・・・」

 

 

 

ケイト(M):「世間からは、良き愛妻家と思われている陰では、母と会っては、情事を楽しんでいた・・・。

       母は、その大富豪に夢中で、私には、愛情を向けてくれた事は無かった・・・

       お金だけ、私に渡すと、さっさとそいつの元に行く母・・・」

 

 

 

ケイト(M):「だから私は・・・、世の中で信じられるのは、お金だけとなった・・・」

 

 

 

ケイト(M):「愛情なんて、ただの瞞(まやか)しだ・・・」

 

 

 

 

マイク:「華麗なる罠」

 

 

 

ケイト:「エピソード0」

 

 

 

 

 

 

 

 

(ビルの屋上から、潜入する屋敷の下見をしているマイク

 そこにケイトが現れる)

 

 

 

マイク:「今回の下見は・・・こんな所かな」

 

 

ケイト:「ねぇ、貴方、同業者? そこは前から、私が狙ってた場所なんだけど」

 

 

マイク:「質問に答えるから、その銃は下ろしてよ・・・」

 

 

ケイト:「流石、同業者って感じね。振り向きもせず、銃、向けられてるのに、気付くなんて」

 

 

マイク:「君も、全く動揺しない感じからすると、相当、この業界で長そうだね」

 

 

ケイト:「えぇ。貴方が想像出来ないくらい、沢山、危険を潜り抜けたわ。

     そういう貴方も、只者では無さそうね」

 

 

マイク:「それは、どういう意味かな?」

 

 

ケイト:「言葉通りよ。早く、その銃、しまって」

 

 

マイク:「へぇ~、銃、構えてる事に、よく気付いたね。褒めてあげるよ」

 

 

ケイト:「貴方に、近付こうとした時、物凄い殺気が周囲に溢れてたわ。それでよ。

     まぁ、私程の腕じゃなければ、気付かず、撃たれてると思うけど」

 

 

マイク:「君、面白いね。・・・気に入ったよ」

 

 

ケイト:「気に入ってくれて良かった。なら、そのターゲットは、私に譲って」

 

 

マイク:「それとこれとは別・・・。俺にも、大事なターゲットだからね」

 

 

ケイト:「そう。・・・交渉決裂ってわけね。じゃあ、実力行使しかないかしら」

 

 

マイク:「俺相手に、実力行使・・・? それは止めといたら?」

 

 

ケイト:「どうして? 私が、負けるからとでも言いたいの?」

 

 

マイク:「その通り。・・・流石の君でも、気付いてないみたいだね」

 

 

ケイト:「何がよ?」

 

 

マイク:「遙か後方のビルから、スナイパーライフルで、狙われてる事に」

 

 

ケイト:「え!? 貴方、仲間が居たの!?」

 

 

マイク:「仲間・・・。確かに居るけど、今は居ない。俺、一人だ。

     分からないなら、教えてあげるよ。

     俺が作った、全自動操作出来るライフルさ。

     ・・・こうして背中越しでも、別の場所から、撮影してるドローンが、このビルの状況を教えてくれる。

     その情報は、俺のコンタクトレンズに送られ、見れるってわけ。

     だから、君が近付いた事なんて、最初からわかってたよ」

 

 

 

ケイト:「私も、運が悪いわね・・・。そう・・・。貴方が最近、業界を騒がしてる噂の・・・」

 

 

 

マイク:「・・・どうやら、俺の事は知ってるみたいだね。俺の名前は、マイク。

     ねぇ、一つ質問良い?」

 

 

ケイト:「何かしら?」

 

 

 

マイク:「この業界は、危険と隣り合わせだ。なのに、そうまでして、選んだ理由はなんだい?」

 

 

ケイト:「復讐よ。世の中・・・。いいえ! ある大富豪を、破滅させる為に・・・。

     だから、選んだ」

 

 

マイク:「復讐・・・。・・・それが君の理由か。どうやら、此処であったのも運命だったようだ。

     俺も、友人への復讐の為、この道を選んだ。

     ねぇ、俺達、手を組まない? 君となら、良い仕事が出来そうだよ」

 

 

 

ケイト:「条件があるわ」

 

 

マイク:「何だい?」

 

 

ケイト:「お互い、必ず目的を果たすまで、裏切らない」

 

 

マイク:「あぁ。約束するよ」

 

 

ケイト:「もし、裏切った時は、貴方を殺すわ」

 

 

マイク:「それで良いよ。俺も同じ事、考えてたから。じゃあ、交渉成立っと。

     詳しくは、また今度、話し聴かせてよ。そろそろ仲間の元へ戻る時間だから」

 

 

 

ケイト:「わかったわ。じゃあ、これ私の連絡先。」

 

 

マイク:「ケイト・・・。良い名前だね」

 

 

ケイト:「私は、気に入って無いわ・・・。気に入るわけがない・・・」

 

 

マイク:「どうやら君も、闇が深そうだ。次会う時は、話し聞かせてよね」

 

 

ケイト:「考えとくわ。じゃあね」

 

 

マイク(M):「苦労したかいあって、やっと運が向いて来た。・・・これで、やっと始められるよ・・・」

 

 

 

 

 

(翌日 街中で歩いてるマイク)

 

 

マイク:「ベン!!! 悪いけど僕は、この後、用事あるから、ローガンとミッシェルに宜しくね。

     じゃあ、また今夜!!!」

 

 

マイク(M):「(溜息)・・・ベンと居るのも楽しいけど、陽気なアホを演じるのは・・・、疲れるよ・・・」

 

 

 

(考え事して歩いてたせいか、女性とぶつかる)

 

 

 

ケイト:「きゃ・・・」

 

 

マイク:「ごめんね!!! 考え事して歩いてたから、気付かなかった・・・」

 

 

ケイト:「・・・いえ。・・・大丈夫です・・・」

 

 

マイク:「怪我してない!? あ~、僕とした事が、女の子に、酷い目、合わせるなんて・・・!!!」

 

 

ケイト:「・・・何処も怪我してないので・・・、平気です・・・」

 

 

マイク:「そっか~。なら良かった~! お詫びに、何か奢るよ。何が良い?」

 

 

ケイト:「そんな・・・。初めて会った人に・・・。そんな事まで・・・してもらう訳には、行きません・・・」

 

 

マイク:「遠慮は要らないよ~!!!」

 

 

ケイト:「でも・・・。・・・本当に、私・・・。・・・大丈夫ですので・・・」

 

 

マイク:「じゃあ、こういうのはどう? そこのホットドッグと珈琲、奢らせて。これくらいなら、良いでしょ?」

 

 

ケイト:「そこまで言うなら・・・」

 

 

マイク:「良かった。じゃあ、買ってくるから、そこで座って待ってて!」

 

 

ケイト:「・・・」

 

 

 

 

マイク:「お待たせ~!!! はい!!! どうぞ」

 

 

ケイト:「ありがとう・・・ございます・・・」

 

 

マイク:「ごめんね・・・。本当・・・」

 

 

ケイト:「もう大丈夫ですので・・・。謝らないでください・・・」

 

 

マイク:「君って、優しいね・・・。もっと怒っても良いのに」

 

 

ケイト:「わざとぶつかった訳では無いのですし、怒れませんよ・・・」

 

 

マイク:「へ~、珍しいタイプだね。・・・こんな都会だし、怒る人は、そこまで怒る!? ってくらい、

     謝っても、許してくれない時もあるのに・・・」

 

 

ケイト:「そんな方も・・・、居るのですね・・・」

 

 

マイク:「そりゃ~もう、一杯居るよ!!! 余りに多くて、世の中から、抹消したいくらい!!!」

 

 

ケイト:「物騒な事、言わないでください・・・」

 

 

マイク:「ごめんごめん!!! 何かずっと、ストレス溜まってばかりでさ・・・」

 

 

ケイト:「私も・・・、同じです・・・。・・・上手くいかない事ばかりで・・・」

 

 

マイク:「はぁ~・・・」

 

 

ケイト:「はぁ~・・・」(同時に)

 

 

 

 

 

マイク:「もう・・・。同時に溜息、つかないでよ・・・」

 

 

ケイト:「そちらこそ・・・」

 

 

 

(笑い合う二人)

 

 

 

マイク:「僕達、何か、気が合いそうだね!」

 

 

ケイト:「そうかも・・・しれませんね」

 

 

マイク:「また、何処かで会えると良いな~」

 

 

ケイト:「そうですね・・・」

 

 

マイク:「じゃあ、僕、そろそろ行くね」

 

 

ケイト:「お互い、頑張りましょう・・・」

 

 

マイク:「うん!、じゃあね~!」

 

 

ケイト:「はい・・・」

 

 

 

 

マイク(M):「あんな、純粋な子も居るんだ・・・。ああやって、無邪気に女の子と、笑うなんて・・・

       久しぶりだな・・・。駄目だ、駄目だ・・・!

       仕事モードに、戻らなきゃ・・・! ・・・ん? ケイトからか・・・」

 

 

 

ケイト:「今夜22時、この前の場所で、待ってるわ。 ケイト」

 

 

 

マイク(M):「・・・今夜か。・・・それにしても、大富豪と言ってたけど・・・。もしかしたら・・・」

 

 

 

 

 

 

(ビルの屋上 時間通り行くとケイトが待っていた)

 

 

 

ケイト:「あら、マイク。時間通りね」

 

 

マイク:「折角のデートのお誘い、遅れる訳にはいかないからね。当然だよ」

 

 

ケイト:「デート? へぇ~、そんなユニークな冗談も言えるんだ」

 

 

マイク:「ユーモアなセンスもなきゃ、生き残れないからね」

 

 

ケイト:「ふ~ん。所で・・・、いい加減、上空で待機させてるドローン、

     何とかしてもらえないかしら?

     監視されてるようで、気味が悪いわ」

 

 

マイク:「流石に学習したってわけか。・・・わかった」

 

 

 

(そう言うと、ドローンを手元に戻すマイク)

 

 

 

ケイト:「へぇ~、よく出来てるわね。・・・貴方の手作り?」

 

 

マイク:「半分は正解」

 

 

ケイト:「半分・・・?」

 

 

マイク:「残りの半分の技術は・・・、父さんの技術」

 

 

ケイト:「貴方の父は、技術者だったの?」

 

 

マイク:「ただの技術者じゃない・・・! ・・・世界で一番、優れていた技術者だ・・・。父さんは・・・、誇りだったよ」

 

 

ケイト:「誇りだった?」

 

 

マイク:「・・・事故で死んだんだ。母さんと共に・・・」

 

 

ケイト:「・・・」

 

 

マイク:「俺がもっと早く、止めていたら・・・、或いは生きていたかもしれない・・・」

 

 

ケイト:「一体、何があったの?」

 

 

マイク:「・・・ごめん。これ以上は言えない・・・」

 

 

ケイト:「そう・・・。わかったわ。と言う事は、両親の死が、復讐の理由?」

 

 

マイク:「あぁ、そうなるね」

 

 

ケイト:「・・・私達、似てるわね・・・」

 

 

マイク:「どういう事だい?」

 

 

ケイト:「詳しくは、話したくないわ。貴方だって、教えてくれないだもん。

     それに・・・、思い出したくない過去でもあるの・・・」

 

 

マイク:「それが、君の闇の部分か。良いよ。詳しくは詮索しない。

     僕達は、復讐という絆で結ばれたパートナーだ。

     仲良くしよう」

 

 

 

ケイト:「ええ。良いわよ。お互いの復讐を達成する為に。それで、復讐したい相手って誰かしら?」

 

 

マイク:「ベン。・・・君もこの業界が長いなら、名前くらい知ってるだろう。

     B&Mカンパニーの御曹司さ」

 

 

ケイト:「B&Mカンパニー!?」

 

 

マイク:「あぁ。・・・その驚き方からすると、君の復讐の相手も・・・」

 

 

ケイト:「えぇ・・・。B&Mカンパニーに関係してるわ・・・」

 

 

マイク:「なら話しが早い。・・・やっぱり俺達って、巡り合う運命だったのかも、知れないね」

 

 

ケイト:「そうね。・・・神様のお導きかしら」

 

 

マイク:「君、神様なんて信じてるの?」

 

 

ケイト:「一応ね。そんな貴方は、信じて無いって口調ね」

 

 

マイク:「あぁ。信じて無いよ。・・・居たとしたら、あって文句が言いたいくらいだよ。

     どうして、こんな苦痛ばかりの人生、与えたんだって」

 

 

ケイト:「貴方って正直ね。気に入ったわ。良いパートナーになってくれそう」

 

 

マイク:「まぁ、これだけは保証するよ。決して、退屈はさせないって」

 

 

ケイト:「わかったわ。楽しみにしてる。それで、どんな計画なのか、聞かせて頂戴」

 

 

マイク:「計画だけど、まず大事なのは、きっかけを作り、近付く事。

     それでなんだけど、君、何か得意な事あるかい?」

 

 

ケイト:「得意な事・・・。ある事は、あるけど、今すぐには、見せられないわ」

 

 

マイク:「オッケー。じゃあ、それは後回しだ。そのきっかけによって、

     君には、俺達のチームに入ってもらう。

     あくまで、それを決めるのはベンだから、ベンが気に入るような役立つ能力が良いだろうね」

 

 

 

ケイト:「他のメンバーの事教えてくれないかしら? それと、何か得意な事、能力は持ってるとかも」

 

 

マイク:「オッケー。メンバーは全員で4人。男性は、俺とベンとローガン。女性はミッシェル。

     能力だけど、ベンは、指揮官だから特に持ってないね。持ってるのは、財力だけだ。

     ローガンは、変装のスペシャリスト。

     ミッシェルは、身体能力がチームで1番だよ。

     ご自慢の体を武器に、時には囮、時には潜入と、オールラウンダーなタイプ。

     そして俺は、天才的なハッカー&メカニック担当さ」

 

 

 

ケイト:「なるほど。バランスがとれたチームなのね。

     ・・・でも、そうね。ご自慢の体と、運動能力に関しては、私も誰にも負けない自信あるわ。

     だけど、同じじゃつまらない・・・」

 

 

 

マイク:「そうだね。恐らく、ベンも・・・、それだけじゃチームの仲間にスカウトしないだろうね」

 

 

ケイト:「そうでしょうね。だから、こういうのはどうかしら?」

 

 

マイク:「聞かせて」

 

 

ケイト:「目で見ただけで、その建物の構造、高さ、深さなどがわかってしまう能力」

 

 

マイク:「そりゃ、随分とユニークな能力だね! でも、そんな事、どうやって?」

 

 

ケイト:「勿論。私一人では不可能よ。だけど・・・、昔からの同業者に協力してもらえたら、

     可能になるわ」

 

 

マイク:「予め、情報を教えてもらうわけね。・・・でも、そんな簡単に協力してもらえるの?」

 

 

ケイト:「えぇ。そこは私に任せて。上手くやるわ。貴方にもお願いがあるの」

 

 

マイク:「何だい?」

 

 

ケイト:「そのコンタクトレンズと、後・・・、そうね。何か通信機が欲しいわ」

 

 

マイク:「それくらいお安い御用さ。・・・それで、その同業者って誰だい?」

 

 

ケイト:「カルロスよ。裏カジノを数々経営する凄腕実業家だし、名前くらい、聞いた事あるでしょ?」

 

 

マイク:「あぁ・・・。色々な噂をね。そっか。彼なら良い仕事、しれくれそうだ。

     わかった。君に任せるよ。期待してるよ。ケイト」

 

 

ケイト:「任せて。期待に応えて見せるわ。」

 

 

マイク:「それで、さっきの得意な事ってのは、いつ見せてくれるんだい?」

 

 

ケイト:「そうね。明日の昼、13時に、セントラルパークに来て」

 

 

マイク:「お昼に・・・?」

 

 

ケイト:「あら? 先約でもあるのかしら?」

 

 

マイク:「そうじゃないけど・・・」

 

 

ケイト:「なら良いじゃない。待ち合わせ場所は、ストロベリーフィールズが良いわ」

 

 

マイク:「わかった・・・」

 

 

ケイト:「じゃあ、明日ね」

 

 

 

 

 

 

マイク(M):「だいぶ予定が早まるけど、仕方ないか・・・。ストロベリーフィールズ。・・・着いた。

       あれ? でも、ケイトは来てない・・・。遅れてるのか?」

 

 

ケイト:「貴方は・・・、この前の・・・」

 

 

マイク:「あれ? 君は、この前の女の子!? 偶然だね!!!」

 

 

ケイト:「そうですね・・・。・・・えっと、お一人で来たのですか・・・?」

 

 

マイク:「う~ん・・・。残念ながら、今日は約束で来た感じだよ・・・。・・・君は?」

 

 

ケイト:「・・・私も、・・・約束の相手、待ってるんです・・・」

 

 

マイク:「お互い、同じ状況か・・・。ねぇ、良かったら、少し話さない? 相手来るまでで良いからさ」

 

 

ケイト:「良いですよ・・・。・・・私も、もう一度あって・・・話したいと思ってたので・・・」

 

 

マイク:「良かった~」

 

 

 

 

 

ケイト:「・・・この前は、ご馳走様でした・・・。ホットドッグ、美味しかったです・・・」

 

 

マイク:「気に入ってもらえて良かった! あれから気になってたんだ! 本当は、迷惑じゃなかったかなって・・・」

 

 

ケイト:「迷惑なんかでは・・・ありません・・・。・・・嬉しかったです」

 

 

マイク:「嬉しかった・・・?」

 

 

ケイト:「私・・・。三つ編みで、眼鏡かけてるし。それに喋り方だって地味だし・・・。・・・誰からも扱い、微妙で・・・」

 

 

マイク:「そんな事ないよ! 君は素敵だと思うよ! ほら、そんな顔しないで、笑顔笑顔!!!」

 

 

ケイト:「優しいんですね・・・」

 

 

マイク:「そうでも無いよ・・・。こうやって、明るく振る舞ってるけどさ。時々、嫌になるんだ・・・」

 

 

ケイト:「そうなんですね」

 

 

マイク:「あぁ・・・」

 

 

ケイト:「・・・」

 

 

マイク:「・・・」

 

 

ケイト:「・・・相手、お互い、来ないですね・・・」

 

 

マイク:「・・・そうだね。・・・良かったらさ、名前、教えて?」

 

 

ケイト:「えっ・・・?」

 

 

マイク:「いつまでも、君じゃ失礼だからさ。・・・俺の名前はマイクだよ」

 

 

ケイト:「え? マイク!?」

 

 

マイク:「びっくりした!? 君、そんな驚き方も出来るんだね~!!!」

 

 

ケイト:「・・・つい。・・・そっか」

 

 

マイク:「ん? どうしたの?」

 

 

ケイト:「いつまで待っても、来ないわけですね・・・。・・・私の名前はケイトですよ。マイクさん・・・」

 

 

マイク:「えええええ!? ケイト!!!!?」

 

 

ケイト:「・・・はぁ~。私の緊張感、返してよ。全く~!」

 

 

マイク:「それは、こっちの台詞だよ!!! 何それ!? 全然、気付かなかったよ!!!」

 

 

ケイト:「貴方の方こそ、まるで別人じゃない。

     夜会った時は、サングラスかけてたし、髪、上げてたし今の姿とは、結び付かないわよ!

     何、そのボサボサ頭・・・」

 

 

マイク:「これが昼の姿なんだよ! ケイトこそ、三つ編みに眼鏡って・・・」

 

 

ケイト:「潜入前の偵察の時は、こうやって変装してたのよ」

 

 

マイク:「それにしても、口調まで変えてるとは・・・」

 

 

ケイト:「貴方も人の事言えないでしょ。何、そのテンション。後、俺じゃなくて、僕・・・。

     夜のクールなイメージは、何処にいったのよ」

 

 

マイク:「これは、偽りの姿だ!!! 本当の俺を悟られない為には、必要なんだよ」

 

 

ケイト:「あらそう」

 

 

マイク:「それで、もう一つの得意な事って、これ?」

 

 

ケイト:「そうよ。・・・合格かしら?」

 

 

マイク:「文句なしの合格だよ。・・・その姿と口調、そして、考えた能力。

     インパクトもあるし、十分だ。

     後は、俺がベンに、それとなしに、珍しい子が居るって教え、

     近付かせるから、上手くやってよね」

 

 

ケイト:「任せて。必ず、チームに入れるようにするわ」

 

 

 

マイク:「宜しくね。あっ、一つ言っておく」

 

 

ケイト:「何かしら?」

 

 

マイク:「チーム内では、俺はアホで通ってるから、ケイトも上手く合わせてよね」

 

 

ケイト:「お安い御用よ。貴方の方こそ、私の口調とか、演技で、吹き出さないようにね」

 

 

マイク:「そんな事するわけ無いって。そんな事したら、すぐベンに怪しまれちゃう」

 

 

ケイト:「お互い、上手くやるだけって事ね」

 

 

マイク:「その通り。じゃあ、また準備が出来たら連絡する。検討を祈ってるよ。ケイト」

 

 

ケイト:「わかったわ。マイク」

 

 

 

 

 

 

マイク(N):「その後、俺の情報を信じたベンは、無事、ケイトの能力を気に入って、

       チームへとスカウトした。

       それも全て、俺の計画だと知らずに。

       数日後、俺達は、あのビルの屋上で待ち合わせた」

 

 

 

 

ケイト:「相変わらず、時間に正確ね。マイク」

 

 

マイク:「それ程でもないさ。

     待ってたよ。ケイト。まずは、第一関門クリア、おめでとう」

 

 

 

ケイト:「ありがとう。第一関門って事は、まだこれから、色々あるのね」

 

 

マイク:「クリアしないといけないハードルは、まだ残ってる」

 

 

ケイト:「次は、何をすれば良いのかしら?」

 

 

マイク:「そうだな~。ケイト、質問だ。君は男を手玉に転がすのは上手かい?」

 

 

ケイト:「ハニートラップなら、今までも使ってるから得意と言えば得意よ。

     誰を落とせば良いのかしら?」

 

 

 

マイク:「カルロスだよ。同業者だから、簡単だよね?」

 

 

 

ケイト:「・・・貴方って、意地悪ね。カルロスを私の体の虜にすれば良いのね・・・」

 

 

 

マイク:「あぁ。その通り。・・・どうした? カルロス相手に、流石の君も、怖気づいたのかい?」

 

 

 

ケイト:「私を誰だと思ってるの・・・? 舐めないで。カルロスなんて、私の手にかかればイチコロよ」

 

 

 

マイク:「頼もしいね~。期待してるよ。ケイト」

 

 

 

ケイト:「それで、カルロスを使って、一体どんな罠を考えてるのかしら?」

 

 

 

マイク:「3ヶ月後、カルロスは、カジノパーティーを開催する。

     その日にベン達は、カルロスの地下金庫を狙う手はずだ。

     だからケイト、君は、作戦が失敗するように、カルロスをベン達の元に、誘導して欲しいんだ」

 

 

 

ケイト:「面倒ね・・・。カルロスに直接、伝えた方が・・・」

 

 

 

マイク:「それじゃあ、駄目だよ」

 

 

 

ケイト:「どうしてよ?」

 

 

 

マイク:「カルロスの性格から見て、先に伝えたりしたら、

     ベン達が侵入するまでに、手下共を使って、ベン達を抹殺しかねない・・・。

     そんな事になったら、俺の計画は、台無しだよ」

 

 

 

ケイト:「計画・・・?」

 

 

 

マイク:「物事には、色々と順序があるんだよ。その順序を省略なんてしたら、つまらないだろ。

     どうせなら、思う存分、楽しまなきゃ・・・」

 

 

 

ケイト:「そう・・・。ねぇ、一つだけ教えて」

 

 

 

マイク:「何だい? ケイト」

 

 

 

ケイト:「・・・貴方って、私の復讐相手も、もう知ってるの・・・?」

 

 

 

マイク:「さぁ、どうでしょう・・・?」

 

 

 

ケイト:「その反応でわかったわ・・・。マイク、いつから気付いてたのかしら?」

 

 

 

マイク:「何の話? 俺にはさっぱり」

 

 

 

ケイト:「ふざけないで! ・・・そう、あくまでも私自身の口から、言わせようとするのね・・・。

     本当、最低な男・・・」

 

 

 

マイク:「ケイト・・・、復讐を果たしたいなら、いつまでも、逃げていてはいけないよ。向き合わなきゃ」

 

 

 

ケイト:「・・・」

 

 

 

マイク:「さぁ、話して」

 

 

 

ケイト:「もう、知ってるのでしょう・・・?」

 

 

 

マイク:「君から、直接、聞きたいんだ」

 

 

 

ケイト:「・・・私の復讐相手は、・・・ベンの父親よ。

     あいつは、私の母の愛人だった・・・。そして、私の父親なの・・・。

     私は、父親の愛情も、母親の愛情も知らない・・・。

     当然よね・・・。母は、あいつに夢中で、私の事なんて見て無かった・・・。

     母は、馬鹿よ・・・。愛人の結末なんて、最後は飽きて捨てられるだけ・・・。

     お金も底が付き、私達は・・・、ニューヨークを離れて、田舎町で貧乏生活を強いられた・・・」

 

 

 

マイク:「ある程度、調べて分かってはいたけど、同じ家庭が、復讐相手とはね・・・」

 

 

 

ケイト:「これも、運命かもしれないわね・・・」

 

 

 

マイク:「あぁ、そうかもね。・・・仕方ない、ベンの父親に復讐するのは、ケイトに任せるよ・・・」

 

 

 

ケイト:「いいえ。違うわ・・・」

 

 

 

マイク:「ん?」

 

 

 

ケイト:「あいつだけじゃない・・・。

     私は、貧乏生活の原因を作った、あいつと、家族全員に、復讐したいの!

     母が、過労で死んだ後は、親戚に引き取られたけど、いつも我慢の日々だった!

     そんな日々の中で学んだわ。世の中、一番大事なのは・・・、金なんだって・・・。

     あいつと、家族にも、私と同じ気持ちを、嫌になる程、味合わせたいのよ・・・!!!」

 

 

 

マイク:「母親の愛情より、金ね・・・。君らしくて、良い考えだよ。気に入った。

     ベンの父親と、家族にだけど・・・。

     僕の復讐が、全部終わった後は、全ての財産を奪おうが、社会的に破滅させようが、ケイトの好きにして良いよ」

 

 

 

 

ケイト:「わかったわ。その時は、私の好きにさせて貰うわ。これから宜しくね、マイク」

 

 

 

 

マイク:「あぁ・・・、宜しくね、ケイト・・・」

 

 

 

 

 

(電話で呼び出され、ビルの屋上に来るケイト)

 

 

 

 

 

 

 

マイク:(N)「ケイトの協力のおかげで、カジノの潜入ミッションは、見事失敗に終わった。

        カルロスに追い込まれて、ピンチの時に、救世主として助けてあげたから、皆から、感謝されたけど・・・。

        今、思い出しても・・・、脱出するまでのミッシェル、ローガン、慌てていて、愉快だったな~・・・。

        その後、暫くして・・・、ベンが、僕たちをB&Mのビルに呼び出したのも、想定の範囲内だったし・・・。

        ケイトが、裏切り者だと、バレた事も・・・、ベンなら気付くと思っていた。

        でも、流石のベンも、僕が裏切り者で、復讐しようとしてるとは、気付いてないみたいだ。

        本当・・・、これだから、良いオモチャ達は、手放せないよ・・・」

 

 

 

 

 

マイク:「さてと・・・、そろそろ、やって来る頃かな・・・」

 

 

 

 

 

 

ケイト:「懐かしい場所ね・・・」

 

 

マイク:「やぁ・・・。待ってたよ。ケイト。久しぶりだね」

 

 

ケイト:「またそうやって・・・。初めて会った時みたいに、狙ってるんじゃ・・・」

 

 

マイク:「そんな事しないよ。・・・こっちに来てごらん」

 

 

ケイト:「わかった」

 

 

マイク:「此処からの景色、見てると思い出さないかい。・・・初めて会った日の事をさ」

 

 

ケイト:「えぇ。・・・もう随分、昔のように思えるわ」

 

 

マイク:「君とは知らず、ぶつかって、街中でホットドッグ食べた時もあったな~」

 

 

ケイト:「あれはお互い様よ。私も、貴方とは気付かなかったし」

 

 

マイク:「だからこそ、今回も計画通り成功したんだけどね」

 

 

ケイト:「面白い計画だったわ。B&Mにとって、少しは打撃になったんじゃない?」

 

 

マイク:「少なくとも、世間から注目はされたね。だけど、打撃とまでは、まだわからないや」

 

 

ケイト:「そう。・・・所で、こんな懐かしい場所に呼び出した理由は何?」

 

 

マイク:「これだよ。はい、どうぞ」

 

 

ケイト:「ホットドッグ・・・」

 

 

マイク:「何だか懐かしくなってね。・・・ケイトと一緒に食べたくなったのさ」

 

 

ケイト:「そう言いながら、この中に毒なんて、仕込んでないでしょうね?」

 

 

マイク:「何でそう思うんだい?」

 

 

ケイト:「油断出来ない相手だからよ」

 

 

マイク:「そう・・・。だけど、残念ながら、毒は入れて無いよ。期待に応えれなくて悪かったね~」

 

 

ケイト:「わかった。信じるわ。・・・美味しい。この味、懐かしいわね・・・」

 

 

マイク:「相変わらず、美味しそうに食べるね」

 

 

ケイト:「こんな業界に居ても、こういう気持ちは、忘れないようにしてるわ。それは、マイク、

     貴方もそうじゃない?」

 

 

マイク:「君と一緒にしないで欲しいよ。・・・美味しい物の味なんて・・・、とっくの昔に忘れたよ・・・」

 

 

ケイト:「マイク・・・。貴方・・・」

 

 

マイク:「な~んてね! 全くその通り。美味しい物の味は、忘れたりなんてしないよ。

     食べるの大好きだしさ」

 

 

ケイト:「騙されそうになったわ。相変わらずね・・・」

 

 

マイク:「それ程でもないさ。さてと、お腹も一杯になったし、待機してるだけってのも飽きてきたし、

     次の計画に進もうか・・・」

 

 

ケイト:「ベン達は、動き出したの?」

 

 

マイク:「あぁ。君とカルロスへのリベンジに、燃えてるよ」

 

 

ケイト:「そう。・・・面白くなりそうね」

 

 

マイク:「今度は、どんなゲームになるだろうね~!」

 

 

ケイト:「復讐を果たす為の、楽しいゲーム、期待してるわ」

 

 

マイク:「あぁ。その為にも、また存分に動いてもらうよ。ケイト」

 

 

ケイト:「望むところよ。マイク」

 

 

 

マイク:「さぁ、待っててね。ベン!!! 楽しい楽しい~、第二幕の始まりだよ・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり