Ability Crack down

 

アビリティ・クラックダウン  第1話 出会い

 

 

 

作者:ヒラマ コウ

 

 

 

比率:【4:1】

 

 

上演時間:【50分】

 

 

 

 

登場人物

 

 

 

紫藤 茜(しどう あかね) ・・・ 27歳  特殊能力、相手の考えてる事がわかる能力。数年前、特殊能力を持つ者に、

                                                                                  結婚間近の恋人を殺され、その犯人を独自に追い続けていた

                                                                                  そんな中、特殊部隊のリーダー、東藤と出会い、特殊部隊に入る事になる

                                                                                 2期メンバー

 

 

荒川 慎吾(あらかわ しんご)・・・25歳  特殊部隊所属、特殊能力、予知能力

                     大事な家族を、特殊能力を持つ者に殺され、この部隊が設立されたのを知り、

                     所属するのを決意する

                    初期メンバー   

 

 

東藤 武蔵(とうどう むさし)・・・40歳  紫藤と荒川の上司で特殊部隊リーダー。特殊能力、鉄を自由に操る

                     特殊部隊が設立されて、これまでに、同期のメンバーを殺されたり、

                     辛い経験もしており、部隊を心から守ろうと、正義感が強く部下からの信頼も厚い

                     初期メンバー

 

 

篠崎 健太(しのざき けんた)・・・23歳  特殊部隊所属、特殊能力、驚異的な跳躍力

                     かつては犯罪者であったが、東藤に更生させられ、その持ち前の能力から、

                     特殊部隊にスカウトされる。紫藤より半年ほど先に入ってるので、

                     先輩のはずなのだが、なぜか、後輩みたいな扱いをうける

                     2期メンバー

 

 

 

リボルバー(郷田 幹夫 ごうだ みきお)・・・40歳  能力は人間離れした怪力。特殊能力を使い数々の銀行を襲っている。

 

 

 

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CAST

 

 

紫藤 茜:

 

荒川 慎吾:

 

東藤 武蔵:

 

篠崎 健太:

 

リボルバー:

 

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紫藤(N):「4年前、私は大事な恋人を失った・・・。特殊能力を持った人によって・・・。

      始まりは、5年前の事件からだった。ある青年が虐めを受けていて、その虐めてた相手を焼き殺したという。

      単なる、傷害事件と思った人もいるだろう。だが、実際は違った・・・。

      その青年は強いストレスから、人体を燃やす能力に目覚めたのだ。

      この事件をきっかけに、日本で次々と能力を持った人による犯罪が急増した。

      人々は日々のストレスから耐えるのを止めたのだ。

      代わりに、人々は己を守る力、欲望を叶える力を手に入れ、世は大混乱に陥っていた。

      この物語は、そんな能力者と私が所属する事になる特殊部隊との闘いの話である」

 

 

 

 

 

 

 

(八王子市 ビル路地 AM10:30)

 

 

 

紫藤(M):「今日もこの街は騒がしいな・・・。あの事件からもう4年か・・・。犯人への手掛かりは未だ掴めていない。

        だけど、絶対に見つけて、この手で殺してやる・・・! ん?あれは、特殊部隊か・・・。見つかると面倒だな・・・」

 

 

 

篠崎:「リボルバー、直ちに止まって、こちらの指示に従うっす!」

 

 

リボルバー:「うるせー! これでも喰らえ!」

 

 

篠崎:「危ないっすね!」

 

 

リボルバー(M):「今日も大漁大漁! この能力に目覚めてから、本当、運が付いて来た・・・!

          もう、誰にも俺の邪魔はさせねぇ!!! なのに、全く、しつこい連中だ・・・!

          おっ、あれは建設中のビル・・・。よし、これならどうだ!!!」

          

 

篠崎:「荒川先輩! こっちっす! 急いでくださいっす!」

 

荒川:「篠崎! お前はその能力があるからビルの上を素早く移動できるが、  

    俺は自分の足で走るしかないんだ! 少しはペースを落とせ・・・!」

  

篠崎:「何を言ってるんすか! 先輩のペースに合わせてたら、犯人を逃がしちゃうっすよ!」

 

荒川:「それもそうだが・・・ん?」

 

荒川(M):「これは、リボルバー・・・。何を笑ってるんだ? 待て・・・鉄骨が篠崎にだと!!! こいつはヤバイ!」

 

篠崎:「どうかしたんすか?」

 

荒川:「篠崎、前だ!」

 

篠崎:「前がどうしたんすか?」

 

荒川:「良いからこっち見てないで、前を見やがれ!」

 

篠崎:「えっ!? あれは大量の鉄骨!? こっちに飛んでくるっす!!! うわあああああああああ!!!」

 

荒川:「叫んでないで、早くそこから離れろ!!!」

 

篠崎:「足がすくんで動けないっす!!!」

 

荒川:「この馬鹿野郎!!!」

 

荒川(M):「このままじゃ、篠崎が!!!」

 

篠崎:「死にたくないっす!!! うわあああああああああああ!!!」

 

 

 

 

荒川(M):「鉄骨が宙で止まった・・・。この能力は!」

 

東藤:「間一髪だったようだな・・・」

 

篠崎:「リーダーーー!!!」

 

荒川:「東藤リーダー」

 

東藤:「何をぼさっとしている! さっさと、篠崎を助けろ! 荒川!」

 

荒川:「はいっ!」

 

 

 

リボルバー(M):「あいつは・・・特殊能力部隊リーダー、東藤・・・。あいつの能力は厄介だ・・・。

          さっさとヅラかるが吉っと・・・!」

 

 

 

 

篠崎:「助かったっす! 一時はどうなることだったか・・・イタッ!」

 

東藤:「馬鹿野郎! 何が助かっただ! 俺が間に合わなかったら、お前は死んでたんだぞ!

    もっと注意力を磨け!」

 

篠崎:「はいっす!」

 

荒川:「お前もまだまだだな・・・」

 

東藤:「荒川!!!」

 

荒川:「はいっ!」

 

東藤:「今回の件に関しては、お前も反省しろ! 全く・・・」

 

荒川:「申し訳ありません・・・」

 

東藤:「で、追っていた犯人は?」

 

荒川:「すみません。逃がしました・・・」

 

東藤:「そうか・・・」

 

荒川:「どうしますか?」

 

東藤:「一旦、戻るぞ。新たに作戦を立て直し、犯人を再び追跡する」

 

荒川:「わかりました」

 

東藤:「それじゃ、俺は先に戻る。荒川は、篠崎が落ち着いてから戻ってくるように」

 

 

 

 

荒川:「おいっ、大丈夫か?」

 

篠崎:「頭が痛いっす・・・。先輩、此処、こぶになってないっすか?」

 

荒川:「どれ、見せてみろ。あぁ・・・見事になってるな・・・」

 

篠崎:「やっぱり! リーダーったら、少しは手加減して欲しいっすよ!」

 

荒川:「それだと、お前が反省しないと思ったんだろ」

 

篠崎:「そんなことないっすよ! イテテ・・・。先輩、コンビニに寄って何か冷やすもの買って良いっすか?」

 

荒川:「仕方ない奴だな・・・。ほらっ、さっさと行くぞ」

 

篠崎:「やったー!!! 先輩、一生ついて行くっす!」

 

荒川:「調子のいい奴・・・」

 

 

 

 

紫藤(M):「行ったか・・・。あの特殊部隊、予知能力に鉄を操る能力。下手に見つかって戦闘になると、少々骨が折れる相手だ。

        奴等に邪魔をされずに、動くには・・・。いいや、場合によっては息の根を止めてでも・・・」

 

 

 

 

(八王子市内 特殊部隊本部 AM11:00)

 

 

 

東藤:「二人共、随分と遅かったな・・・」

 

荒川:「篠崎がコンビニに寄りたいと言ったので」

 

 

東藤:「寄り道は感心しないが・・・まぁ、いいだろう。席についてくれ。では、本題に入るぞ。

    今回の犯人、通称、リボルバー。能力は人間離れした怪力。

    その能力を使い、1時間前、街の銀行をいくつも襲撃し、1億を盗んで逃走中。

    先程の襲撃方法といい、下手に追えば周りの民間人をも危険に晒す危険のある人物だ。

    一体、どのように捕まえれば・・・」

 

 

荒川:「何処か民間人のいない所に、誘い出せないでしょうか?」

 

東藤:「と言うと・・・?」

 

荒川:「はい、犯人は未だ逃走中ですが、下手に追えば、リーダーの言う通り民間人を巻き込んで

    逃走を続けると思われます。なので、こちらから誘い出し、民間人のいない所で犯人を捕まえる」

 

東藤:「なるほどな・・・。だが、どうやって誘い出す?」

 

荒川:「それは・・・」

 

篠崎:「テレビの放送・・・。例えばですが、テレビ局にお願いして、犯人に偽の情報を伝えるのはどうっすか?」

 

東藤:「偽の情報・・・?」

 

篠崎:「はい、犯人は銀行をいくつも襲撃してることから、大金を欲しがってるのは明白っす。

    その事から考えて、誰もいない工場跡地、もしくは空き地に現金輸送車を・・・」

 

荒川:「ニュースで現金輸送車の事を言うのか?犯人だけじゃなく、他の現金を狙おうとする能力者まで来たらどうするんだ?」

 

篠崎:「その時は、他の能力者も一網打尽にっす!」

 

荒川:「お前な・・・」

 

東藤:「良い案だと思うが、リスクが高いな・・・。もっとリボルバーだけに的を絞っておびき出す方法はないか?」

 

荒川:「リボルバーは銀行だけを襲撃し続けてるのですよね?」

 

東藤:「そうだ。それがどうした?」

 

荒川:「だとしたら、都内全域の襲撃されてない銀行をピックアップして・・・」

 

東藤:「都内に一体いくつの銀行があると思ってるんだ。その方法では被害を増大させるだけだ・・・」

 

篠崎:「思ったんすけど、リボルバーの襲撃した銀行って、いくつもの銀行のようにも見えますが、

    みずき銀行だけ多いような気がするっす。まるで、他の銀行はカモフラージュに襲撃したように」

 

荒川:「言われてみれば確かに、みずき銀行が多いですね。リーダー、これはもしかしたら?」

 

東藤:「みずき銀行に怨みがある可能性か・・・。他の手掛かりもないし、調べてみる価値はありそうだな。

    よしっ、荒川と篠崎は、みずき銀行に協力を依頼して、リボルバーらしき人物が過去に働いていないか

    確認をとってくれ」

 

荒川:「わかりました」

 

篠崎:「了解っす」

 

東藤:「では、解散!」

 

 

 

 

 

(リボルバー潜伏マンション 同時刻)

 

 

 

リボルバー(M):「まだ、金が足りねぇ・・・。もっとだ。もっと金を手に入れて、あいつとの約束を果たすんだ・・・。

          その為には、大勢犠牲が出ようがしったこっちゃねぇ! 次の銀行はここだ・・・!」

 

 

 

 

(丘の上にある墓地  PM0:00)

 

 

 

紫藤:「ここに来るのも久しぶりだな・・・。長い間、1人にしてごめん・・・。でも許してくれ・・・。

    此処に来ると、お前がこの現実から居ない事を実感して、動けなくなるのが怖かった・・・。

    あれから4年が経った。でも、お前を殺したグループは未だ見つからない・・・。

    どうして、あの時あの場所で待ち合わせしたんだろうな・・・。

    他の場所で待ち合わせしてたら、こんな事には・・・。

    すまない・・・弱気になってる場合じゃないな。

    この手であのグループは必ず捕まえる。だから、そこで見守っててくれ」

 

 

 

 

紫藤(M):「ん? あれは確か・・・特殊部隊のリーダーか。どうして此処に?」

 

 

 

 

東藤:「よう、皆、元気にしてたか? 少し、俺の話を聞いて欲しい。また俺は大事な部下を、失いそうになった・・・。

    まったく不甲斐無いよな・・・。お前達をあの事件で亡くして、俺と荒川は生き残った・・・。

    その時に俺は誓ったんだ。もう誰も死なせたりはしないって。

    だけどな、現実は・・・、こうして部下を危険な目に合わせてしまった・・・。

    俺はこの先どうしたら良いんだ? 今回の犯人はかなり強い。また、あの時の様な事になったら、俺は・・・」

 

 

 

紫藤(M):「あのリーダー、過去に大事な部下を亡くしているのか・・・。能力者が現れるようになってから、

       こうして心に傷を持つ者が増えた・・・。その心の傷を持つ者が能力に目覚め、また数知れぬ事件を生み出す・・・。

       一体いつになれば、この負の連鎖は終わるのだろうな・・・」

 

 

東藤:「すまんな。つい弱音を吐いてしまった。でも、許してくれ。こんな情けない姿は、あいつらの前では見せれないんでな。

    今回の犯人、そしてお前達を死に追いやった犯人は、俺が必ず捕まえる。

    そうしたら、また此処に来て、お前達に報告するからな。それまで、俺達を見守っててくれ。

    じゃあ部下も待ってるし、またな」

 

 

紫藤(M):「こっちに来る・・・。どうするべきか・・・」

 

 

東藤:「こんにちわ・・・。貴方も墓参りですか?」

 

紫藤:「あぁ・・・」

 

東藤:「もしかして、聴こえてましたか?」

 

紫藤:「すまない・・・。聴くつもりではなかったのだが・・・」

 

東藤:「構いません。聞こえたついでに、少し話を聞いてくれませんか?」

 

紫藤:「私で良ければ・・・」

 

東藤:「ありがとう。此処には聞こえたと思いますが、当時の仲間に報告をしに来てました。

    私は、能力者の犯罪者を捕まえる仕事をしてまして、こいつらは、当時の私の同僚です。

    4年前におきた、複数の能力者による、都内でのテロにより、此処に眠っている私の仲間は、死にました。

    私ともう一人の部下も瀕死の重傷をおいましたが、奇跡的に回復をして、今もこうして生きてます。

    そして私は、月日が流れ、リーダーとなり、大事な部下も今はいます。

    その部下を私は、今日もう少しで、失う所でした・・・。それで、此処に報告に来たんです」

 

 

紫藤:「お前も心に傷を抱えているんだな・・・」

 

東藤:「ええ・・・。この傷はこの先も消えませんし、忘れることもないでしょう。ん? お前もという事は、やはり貴方も?」

 

紫藤:「あぁ・・・。私も4年前、大事な恋人を能力者によって、殺された・・・。その日、私は彼と結婚式の打ち合わせで

    待ち合わせをしていた。だが、電車が遅れていて、待ち合わせの時間ぎりぎりだったんだ。

    そして、遅刻をしながら、待ち合わせ場所に着いた私が見たものは、沢山の人が怪我をして、倒れている姿だった・・・。

    私は焦り、彼をその中から探した。救急車のサイレンの音、警察のパトカーのサイレンの音や

    助けを求める人の声が重なり・・・私は、朦朧としながら探し続けた。そして、彼を見つけたんだ」

 

 

東藤:「貴方の恋人も怪我で重症だったのですか?」

 

 

紫藤:「怪我で重症なら、まだ助かる可能性もあったかもしれない・・・。見つけた彼は既に、死んでいた・・・。

    周りの証言からわかったのは、複数の能力者達が集団テロを行い、彼はそれを我慢できずに、立ち向かった。

    私の彼は、警官だった。だからだろうな。非番とはいえ、

    目の前で民間人が襲われるのを、黙って見てはいられなかったんだと思う」

 

 

東藤:「集団テロという同じ現場に・・・」

 

紫藤:「恐らくな・・・。彼は周りの見せしめのように、その能力者によって嬲り殺されたそうだ・・・・。

    どれだけ傷ついても、彼は懇願した。民間人には手を出すなと。だけど、奴等は、その彼のいう事は聞かなかった・・・。

    どうしてなんだ・・・。なんで、もう少し早く現場に来れなかったんだ?

    お前等がいち早く現場にいて、集団テロと戦っていれば、あんな事には!」

 

 

東藤:「・・・すみません。私達も精一杯でした・・・」

 

 

紫藤:「すまない・・・。熱くなり過ぎたようだ・・・。嬲り殺された私の彼は血まみれだった・・・。

    そんな彼の着ていたジャケットのポケットには、

    私にその日、渡そうとした婚約指輪が入っていた。それを見た時、私は誓ったんだ。

    絶対に、この手で犯人達を殺してやるって」

 

 

東藤:「復讐の為に、犯人達を探しているのですか?」

 

紫藤:「あぁ・・・。こうしてる間にも、奴等は沢山の人を殺しているかもしれない・・・。

    そう考えたらいても経ってもいられないんだ・・・」

 

東藤:「だが、復讐をしても貴方の恋人は戻っては・・・」

 

紫藤:「そんな事は言われなくてもわかってるんだ! だけど、このままじっとしてるなんて、私には耐えられない・・・!」

 

東藤:「私達に任せてはもらえませんか? 必ず犯人を捕まえます」

 

紫藤:「断る」

 

東藤:「どうして?」

 

紫藤:「悪いが、お前等のやり方は温すぎる。私は私のやり方で、奴等に償わせる」

 

東藤:「そんなやり方で彼は喜ぶのですか・・・?」

 

紫藤:「さあな・・・。だけど、何もしないで見てるよりはましだ。お前も頑張るんだな。此処にいる同僚達に笑われないようにさ」

 

東藤:「・・・」

 

 

東藤(M):「4年前の被害者が、また1人・・・。あの事件は、絶対にこれからも忘れてはいけないんだ。

       そして、奴等をいずれ、必ずこの手で捕まえる・・・」

 

 

 

 

(特殊部隊 本部 PM1:00)

 

 

 

荒川:「はい、そうですか。ありがとうございます・・・。では、失礼します」(電話を切る)

 

篠崎:「先輩、どうっすか? 何か手掛かりは?」

 

荒川:「駄目だ・・・。リボルバーらしき人物は過去に働いてはいないそうだ・・・」

 

篠崎:「そうっすか・・・」

 

荒川:「この考えは間違いなのか・・・」

 

篠崎:「他に考えられるとしたら、もしかしたら・・・」

 

荒川:「おいっ、何かわかったのか?」

 

篠崎:「はい、銀行に働いてたのではなく、融資を求めていたとしたらどうっすか?」

 

荒川:「融資・・・。銀行に断られ、それを恨んで犯行に及んだという事か?」

 

篠崎:「或いは、融資を受けていたが、それを受け続けることが出来なくなったってのも考えれるっす!」

 

荒川:「お前にしては上出来だな。早速、銀行に問い合わせしてみる!」

 

篠崎:「よろしくっす!」

 

 

 

 

東藤:「今戻った。どうだ、何か手掛かりは見つかったか?」

 

篠崎:「お帰りっす! 今、先輩が銀行に問い合わせ中っす」

 

東藤:「そうか」

 

荒川:「ええ・・・本当ですか? はい、ありがとうございます・・・。それではデーターをこちらに送っていただけますか?

    はい・・・。では・・・」

 

東藤:「どうだった?」

 

 

荒川:「珍しく篠崎の感が当たりましたよ。最近、融資を打ち切った人がいたようで、

    その中でも何名か、言い争いになって揉めたそうです。

    その顧客リストを転送してもらえるようお願いしました」

 

 

東藤:「揉めたとなると、やはり銀行を恨んで、犯行をおこなった可能性も高そうだな」

 

荒川:「ええ。篠崎の言う通り、他の銀行はそれを感づかれないようにするための偽装かと」

 

東藤:「だが、人の怨みは恐ろしい物だ。そうは言っても、融資を打ち切られた銀行の支店を多く襲ってしまったという事か・・・」

 

荒川:「恐らくはそうでしょう・・・」

 

篠崎:「先輩! みずき銀行から、顧客リストのデーターが届いたっす!」

 

荒川:「わかった、今行く。リーダー」

 

東藤:「あぁ」

 

荒川:「これがそうなのか?」

 

篠崎:「10名程いるっすね・・・」

 

荒川:「こうなると・・・聞きこみですね・・・」

 

東藤:「そうなるな・・・。手分けして情報を収集するぞ。いいか、リボルバーの身長は195cm、体重は90kgを超えてる。

    銀行から、提供された防犯カメラの映像の姿と、この情報をもとに、各自、聞き込みをしてくれ。では解散!」

 

 

 

 

(特殊部隊本部に仕掛けた盗聴器で話を聞いていた紫藤)

 

 

 

紫藤(M): 「こいつが特殊部隊の追っている犯人か・・・。こいつを先に見つけて話を訊けば、

        何か集団テロの手掛かりも見つかるかもしれないな・・・」

 

 

 

 

 

(八王子みなみ野 住宅街 PM1:30)

 

 

 

篠崎:「すみません! 少しお時間良いっすか? 俺はこういうものっす。・・・

    それで、この部屋に住んでる住人についてお聞きしたいんすが・・・。

    身長や体重はだいたいで良いんで、覚えてないっすか? 

    ・・・小柄で痩せている・・・。そうっすか・・・。

    ご協力感謝するっす! それでは!

    3件目も白っすか・・・」

 

 

 

荒川:「ご協力感謝します! はい、それでは失礼します。こちら荒川、リーダー、応答願います」

 

東藤:「ご苦労。それで何かわかったか?」

 

荒川:「ええ。このマンションに住んでいる郷田 幹夫、年齢40歳が大柄で、此処の管理人曰くリボルバーの容姿とも一致しました」

 

東藤:「でかした! 俺もそっちに今から向かう。篠崎にも連絡を頼むぞ」

 

荒川:「わかりました。後ほど。こちら荒川、篠崎、応答せよ」

 

篠崎:「こちら篠崎っす。どうしたんすか?」

 

荒川:「リボルバーの住居が見つかった。お前は今どこに居る?」

 

篠崎:「本部に戻った所っすよ」

 

荒川:「なら丁度いい。本部にある衛星カメラで今からいう住所を検索してくれ。

    そして、住居近くにリボルバーが現れないか見張っててくれ。

    俺とリーダーは、住居に乗り込む」

 

篠崎:「了解っす! くれぐれも無茶しないでくださいっすよ」

 

荒川:「あぁ、わかってる」

 

 

 

 

(八王子市 リボルバー潜伏地 PM2:00)

 

 

 

 

東藤:「荒川! 待たせたな」

 

 

荒川:「いいえ。それよりリーダー、この部屋です」

 

 

東藤:「リボルバーは?」

 

 

荒川:「部屋にはいないようです。篠崎、衛星カメラからは何か見えるか?」

 

 

篠崎:「住居近くには、リボルバーらしき人物はいないっす」

 

 

荒川:「わかった。引き続き監視頼む」

 

 

篠崎:「了解っす」

 

 

東藤:「部屋の鍵は?」

 

 

荒川:「管理人に事情を説明して、借りています」

 

 

東藤:「うむ。では、乗り込むぞ」

 

 

荒川:「はい」

 

 

 

 

東藤:「見た所、普通の部屋だが・・・、何か手掛かりがないか、探すんだ」

 

 

荒川:「リーダー、こっちの部屋に来てください」

 

 

東藤:「何か見つけたのか?」

 

 

荒川:「これです。この写真に写っている女性、リボルバーの奥さんでしょうか?」

 

 

東藤:「病院で撮ったようだが・・・」

 

 

荒川:「数々の事件は、奥さんの為に?」

 

 

東藤:「可能性はあるな」

 

 

篠崎:「こちら篠崎、リーダー、応答願うっす」

 

 

東藤:「どうした?」

 

 

篠崎:「リボルバーらしき人物が現れたと情報が入ったす。場所は、みずき銀行 西八王子支店」

 

 

東藤:「了解。俺も荒川と現場に向かう。その支店は本部から近い。篠崎、先に現場に向かってくれ」

 

 

篠崎:「了解っす」

 

 

荒川:「リボルバーですか?」

 

 

東藤:「あぁ。やはり、みずき銀行の支店を狙ってる。荒川、急ぐぞ!」

 

 

荒川:「はいっ!」

 

 

 

(みずき銀行 西八王子支店前 PM2:10)

 

 

 

リボルバー(M):「直接は関係ねぇが、やはり許せねえ・・・。てめーら、銀行が力を貸してたら・・・。よしっ、やってやる!」

 

 

 

篠崎:「見つけたっすよ! リボルバー!」

 

 

リボルバー:「この前の特殊部隊か。よく此処がわかったな!」

 

 

篠崎:「俺達の情報網、舐めないで欲しいっす。あんたは、他の銀行も襲ってはいたっすが、

    それでもみずき銀行の支店が多かったので、わかったす」

 

 

 

リボルバー:「なるほどなぁ。カモフラージュが足りなかったか・・・。所で、てめえ1人なのか? 仲間はどうした?」

 

 

篠崎:「今、こっちに向かってるっすよ」

 

 

リボルバー:「へぇ~、随分と俺も舐められたもんだ・・・。てめえみたいなひよっ子だけで、先に捕まえようとするとはな!」

 

 

篠崎:「どういう意味っすか?」

 

 

リボルバー:「言葉の通り、てめえじゃ、俺を止めれねえよ!」

 

 

篠崎:「そんなの、やってみないとわからないっす!」

 

 

リボルバー:「良いぜ。何処からでもかかってきな!」

 

 

篠崎:「良い度胸っす! おりゃあああああ!」

 

 

リボルバー:「その跳躍力、てめえも能力者か。だが、飛び跳ねるだけで、俺に勝つ気か?」

 

 

篠崎:「そんな訳、ないじゃないっすか! これなら、どうっすかあああああ!!!」

   (銀行の壁を利用して、勢いをつけ、リボルバーに向かって飛び蹴りをする)

 

 

リボルバー:「良い蹴りだ。だが・・・そんなんじゃ、俺は倒せねぇよ! ・・・よしっ、捕えた!」   

      (蹴りを物ともせず、篠崎の足を掴む)

 

 

篠崎:「しまった・・・!」

 

 

リボルバー:「おいおい、逃げようとすんじゃねえよ!」

 

 

篠崎:「離すっす・・・」

 

 

リボルバー:「そんなに離して欲しいなら仕方ねえな。うぉらぁあああ!!!!!」

      (そのまま、篠崎を思いっきり、銀行の壁に投げ飛ばす)

 

 

篠崎:「ぐはっ!!!」

 

 

リボルバー:「どうだ! 俺の怪力は!」

 

 

篠崎:「お前の怪力は、そんなもんすっか・・・」

 

 

リボルバー:「へぇ~。まだ、そんな余裕あるのか。じゃあ、お次はこれだ!!!」

      (壁に叩きつけられてぐったりする篠崎の腹に強烈なパンチを叩き込む)

 

 

篠崎:「(言葉にならない嗚咽)」

 

 

リボルバー:「どうした? 威勢が良い割には、もうギブアップか?」

 

 

篠崎:「すみませんっす・・・。リーダー・・・先輩・・・」(気を失う)

 

 

 

リボルバー:「たわいもねえ。それより・・・急がねえと・・・」

 

 

 

 

 

 

荒川:「おいっ! 篠崎、しっかりしろ!」

 

 

篠崎:「・・・先輩。リボルバーは・・・?」

 

 

荒川:「俺達が来た時には、既にいなくなってた・・・」

 

 

篠崎:「そうっ・・・すか・・・。すみません・・・っす」

 

 

荒川:「良いから、これ以上喋るな。・・・リーダー」

 

 

東藤:「救急車は?」

 

 

荒川:「近くを通った女性が、連絡してくれたそうです」

 

 

東藤:「そうか。篠崎・・・すまない・・・」

 

 

篠崎:「リーダーの・・・せいじゃ・・・ないっす。俺の・・・せいっす・・・」

 

 

東藤:「そんな事はない。お前は頑張った。今はゆっくり休め」

 

 

篠崎:「すみませんっすが・・・そうさせて・・・もらうっす」

 

 

荒川:「救急車が到着しました」

 

 

東藤:「わかった。篠崎を搬送後、俺は本部に戻る。お前は、篠崎に付いていけ」

 

 

荒川:「はい」

 

 

 

(篠崎を乗せた救急車を見送る東藤 そこに近くで見てた紫藤が声をかける)

 

 

 

  

紫藤:「あいつは、お前の部下か?」

 

 

東藤:「貴方は、墓でお会いした・・・。」

 

 

紫藤:「あぁ。」

 

 

東藤:「まさか、救急車を手配したのは・・・?」

 

 

紫藤:「私だ。」

 

 

東藤:「そうでしたか。もしかして、犯人を見かけましたか?」

 

 

紫藤:「いいや、見てない。そちらこそ、何か手掛かりを掴んでるのか?」

 

 

東藤:「守秘義務があるので、詳しく話す事は出来ませんが・・・。」

 

 

紫藤:「さっきの件か・・・?」

 

 

東藤:「はい・・・。見た所、貴方も、能力者ですよね。どうか、私達に力を貸していただけませんか?」

 

 

紫藤:「・・・」

 

 

東藤:「この通りです・・・!」

 

 

紫藤:「良いから頭を上げてくれ。仕方ない・・・お前の部下に免じて、協力してやる」

 

 

東藤:「ありがとうございます」

 

 

紫藤:「正し、条件がある」

 

 

東藤:「条件?」

 

 

紫藤:「4年前の集団テロのグループが見つかった時は、私なりのやり方で、償わせる」

 

 

東藤:「・・・わかりました」

 

 

紫藤:「取引成立だな。私は、紫藤茜だ」

 

 

東藤:「私は、東藤 武蔵です」

 

 

紫藤:「宜しく頼む。それで、犯人の手掛かりだが?」

 

 

東藤:「犯人は、郷田 幹夫。通称、リボルバー。特殊能力は怪力で、その能力で私の部下は・・・」

 

 

紫藤:「なるほど・・・。犯人が次に現れる場所はわかるのか?」

 

 

東藤:「みずき銀行の支店に怨みがあり、襲ってるのはわかっているのだが、次に何処に現れるかまでは・・・。

    だが、もしかしたら・・・」

 

 

紫藤:「何か手掛かりがあるのか?」

 

 

東藤:「あくまで勘だが」

 

 

紫藤:「その勘にかけて見るのも良いかもしれないな」

 

 

東藤:「そうだな・・・。案内する」

 

 

紫藤:「あぁ」

 

 

 

 

 

 

 

(八王子市内 病院 PM3:30)

 

 

 

荒川:「先生、篠崎の事、宜しくお願いします・・・。それでは・・・」

 

 

荒川(M):「くそっ! 俺の予知能力が、上手く発動していたら・・・篠崎をこんな目には・・・。」

 

 

東藤:「荒川」

 

 

荒川:「リーダー」

 

 

東藤:「篠崎の容体はどうだ?」

 

 

荒川:「それが・・・全身打撲、肋骨3本、右腕、左足骨折に加え、壁に投げ飛ばされた時に、頭を強く打ってるらしく、

    搬送中に、意識を再び失って、今、緊急手術中です・・・」

 

 

東藤:「そうか・・・」

 

 

荒川:「すみません! 俺のせいです・・・。俺の能力が、もっと優秀ならこんな事には、ならなかったはずです・・・」

 

 

東藤:「数分間先でも、充分役にたっている。それに、無理に更なる能力を目覚めさせたら、暴走もする可能性がある。

    今はそれで良いんだ。自分を責めるな」

 

 

荒川:「リーダー・・・。所で、そちらの女性は?」

 

 

東藤:「彼女は、紫藤 茜君。俺達の協力者だ」

 

 

荒川:「そうでしたか。初めまして。俺は、荒川 慎吾です」

 

 

紫藤:「紫藤だ。宜しく」

 

 

東藤:「挨拶も済んだようだし、何としてもリボルバーを捕まえるぞ」

 

 

荒川:「だけど、手掛かりが・・・」

 

 

東藤:「それなら心配ない。俺の勘が当たったようだ」(顎で窓の先にいるリボルバーを差す)

 

 

荒川:「あれは・・・リボルバー・・・!!!」

 

 

東藤:「あの写真の風景、見覚えがあってな。やはりこの病院だったようだ」

 

 

荒川:「捕まえますか?」

 

 

東藤:「此処で、下手に暴れられたら、甚大な被害が出る・・・」

 

 

荒川:「だとしたら、どうしたら・・・」

 

 

紫藤:「此処は、私に任せてくれ」

 

 

荒川:「何か策があるのか?」

 

 

紫藤:「あぁ」

 

 

荒川:「・・・どうしますか? リーダー」

 

 

東藤:「うむ・・・。彼女も能力者だ。まずはどんな策か聞かせてくれるか?」

 

 

紫藤:「あぁ。お前の力も貸してもらうぞ」

 

 

東藤:「俺の力?」

 

 

紫藤:「そうだ」

 

 

東藤:「・・・わかった」

 

 

 

 

 

 

(病院の中庭 ベンチで考え込んでるリボルバー)

 

 

 

リボルバー(M):「亜希子・・・。もうすぐだ・・・」

 

 

紫藤:「隣、良いか?」

 

 

リボルバー:「あぁ。構わねえよ」

 

 

紫藤:「すまないな。お前も、お見舞いで来てるのか?」

 

 

リボルバー:「あぁ。そんな所だ」

 

 

紫藤:「そうか」

 

 

リボルバー(M):「なんだこいつ。まぁ良い・・・。後1店舗襲えば、お金は足りる。これで、亜希子に手術を受けさせられる」

 

 

紫藤(M):「なるほど・・・。そういう事か・・・」

 

 

リボルバー(M):「さて、何処の支店を狙うか・・・。いや、またカモフラージュをするべきか・・・。

          いやいや、やっぱり最後は、あの銀行の支店を・・・」

 

 

紫藤:「そんな方法で、手術を受けさせても、喜ばないのじゃないか?」

 

 

リボルバー:「手術? 何の事だ?」

 

 

紫藤:「お前の奥さん、亜希子さんの手術だ」

 

 

リボルバー(M):「なんなんだ、この女・・・。もしかして能力者か?」

 

 

紫藤:「あぁ。考えてる通り、私の能力だ。相手の考えてる事がわかる。

    お前、4年前の集団テログループの事は何か知らないか?」

 

 

リボルバー:「そんなもん知らねえよ」

 

 

紫藤:「そうか・・・。銀行から盗んだ金で、手術を受けさせても、

    亜希子さんは喜ばないぞ」

 

 

リボルバー:「うるせえ! てめえに何がわかるってんだ!」

 

 

紫藤:「わかる。亜希子さんに会ってきたからな」

 

 

リボルバー:「どうやってだ? 出まかせをいうんじゃねえ!」

 

 

紫藤:「私は特殊部隊だ。病院から聞き出した。まぁ、そんな事しなくても、能力でわかるのだが、

    普段は、無闇に使わないようにしてるんでな。

    亜希子さん、お前の事、不審に思っていたぞ。

    こんな大金、何処から手に入れたんだろうって」

 

 

リボルバー:「亜希子がそんな事・・・」

 

 

紫藤:「悪い事は言わない。これ以上、罪を重ねるな。奥さんを悲しませるだけだ」

 

 

リボルバー:「うるせえ! もう後には戻れねえんだ! それに一生懸命頼んだのに、簡単に断りやがったあの銀行が悪いんだ!

       あんな人情にかける銀行なんて、全部俺がこの手で、ぶっ潰してやる!」

 

 

 

紫藤:「奥さんが、知ったら悲しむぞ」

 

 

 

リボルバー:「俺はどうなっても良い! 亜希子の病気が治って、生きれるのなら・・・!」

 

 

 

紫藤:「やれやれ、説得は無理か。仕方ない・・・。出番だぞ! 東藤!」

 

 

リボルバー:「これは・・・鉄・・・。くそっ、両手が・・・身動きがとれねえ・・・!」

 

 

東藤:「リボルバー! いや、郷田 幹夫! もう終わりだ。観念しろ!」

 

 

リボルバー:「東藤・・・! 離しやがれ!!!」

 

 

東藤:「いくらお前の怪力でも、その頑丈に重ねた鉄は壊せないようだな。もっとも、こうなる事は、俺の部下の能力で、

    確認済みだが」

 

 

 

リボルバー:「あと1店舗だったのに・・・。てめーらをぜってー許さねえ!!!」

 

 

東藤:「許せないのは、こっちの台詞だ!」(リボルバーの顔面を殴る)

 

 

リボルバー:「ぐはっ!!!」

 

 

東藤:「これは、俺の大事な部下を酷い目に合わした分だ。後は、法がお前を裁く。しっかり、罪を償ってくるんだ!」

 

 

荒川:「リーダー」

 

 

東藤:「殴るなんて悪いのはわかってる・・・。だが、抑えきれなかった・・・」

 

 

荒川:「これで、篠崎の敵も討てました。あいつも・・喜びますよ」

 

 

東藤:「あぁ」

 

 

紫藤:「東藤。見直したよ。あんな事されたんだ。私でも、同じことをしていた」

 

 

東藤:「2人共すまないな。だが、処罰はきちっと受ける。それがリーダーとしてのけじめだからな」

 

 

紫藤:「全く・・・。お前なら、そう言うと思ったよ。」

 

 

東藤:「さぁ、本部に戻るぞ」

 

 

 

 

 

 

(翌日 特殊部隊本部 AM8:00)

 

 

 

荒川:「おはようございます」

 

 

東藤:「おはよう。篠崎の様子はどうだ?」

 

 

荒川:「無事に手術は終わりました。全治3ヵ月だそうです」

 

 

東藤:「そうか」

 

 

荒川:「リボルバーはやはり奥さんの為に、犯行を行ったんですね・・・」

 

 

東藤:「そうだ。みずき銀行は、今回の事件で、お得意様との裏取引なども見つかった。

    これで、少しは、まともな銀行になるだろう」

 

 

荒川:「それで、リボルバーの奥さんなのですが・・・」

 

 

東藤:「心配はない。上層部に頼んで、奥さんの入院費は何とかしてもらえるよう、みずき銀行に頼んで貰ったよ。

    これで、リボルバーも、安心して罪を償うだろう」

 

 

荒川:「そうだと良いですね。所で、紫藤さんは?」

 

 

東藤:「用事で遅れるそうだ。荒川、すまない。俺も少し出てくる」

 

 

荒川:「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

(丘の上にある墓地 AM8:30)

 

 

 

紫藤(M):「また1人、能力者を捕まえた。お前を殺したグループの手掛かりは知らなかったよ・・・。

       だが、このまま能力者に聞きだしたらいずれ・・・」

 

 

 

東藤:「やはり此処にいたのか?」

 

 

 

紫藤:「あぁ。お前こそ、どうしたんだ?」

 

 

東藤:「部下達に報告にな。それより、1つ訊いて良いか?」

 

 

紫藤:「なんだ?」

 

 

東藤:「部下に免じてってあの言葉は?」

 

 

紫藤:「あぁ。あれはだな・・・」

 

 

 

 

【回想シーン】

 

(みずき銀行西八王子支店 壁に叩きつけられ殴られ気を失ってる篠崎 そこに現れる紫藤)

 

 

 

紫藤:「おいっ! お前、大丈夫か? 今さっき、救急車を呼んだ」

 

 

篠崎:「ありがとうっす・・・」

 

 

紫藤:「お前等、特殊部隊は、どうして此処まで頑張れる?」

 

 

篠崎:「俺も昔は・・・犯罪者だったす・・・。それを・・・今のリーダーが、殴って改心させてくれて・・・。

    この人の為に・・・俺も・・・力になりたい・・・。そう思ったんす・・・」

 

 

紫藤:「そうだったのか・・・。立派な心掛けだな」

 

 

篠崎:「でも・・・この様(ざま)っす・・・」

 

 

紫藤:「お前は頑張った。少し・・・休むんだ」

 

 

篠崎:「感謝っす・・・」

 

 

 

【回想シーン 終了】

 

 

 

紫藤:「という訳だ」

 

 

東藤:「なるほど。それが入ってくれた理由か」

 

 

紫藤:「あぁ。あの篠崎って部下に感謝するんだな」

 

 

東藤:「そうするよ。所で、仲間になったんだ。俺の事は、東藤リーダー、もしくは、リーダーと

    呼んでくれないか? 紫藤」

 

 

紫藤:「考えとくよ。東藤」

 

 

東藤:「全く。それにしても、能力者の犯罪が日に日にエスカレートしてる。これからも、

    犠牲者は増えるかもしれない・・・」

 

 

紫藤:「その為に、お前等・・・いや、私達がいるのだろう?」

 

 

東藤:「そうだな。これからも、宜しく頼む」

 

 

紫藤:「あぁ」

 

 

 

 

紫藤(M):「必ず4年前の集団テログループはこの手で捕まえる。天国で見守っててくれ。陽一」

 

 

 

 

 

終わり

 

 

 

  

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