ブラッディ・ハプニング・マリード

 

 

作者 ヒラマ コウ

 

 

登場人物

 

 

セシリア・・・デイビスの元婚約者

       自分の原因でデイビスを喧嘩に巻き込んでしまい、

       それが原因で、婚約も白紙に・・・

       花嫁候補の一人

 

プリシラ・・・セシリアとデイビスの前に現れた編集長

       花嫁候補の一人

 

 

デイビス・・・セシリアの元婚約者

       二人の喧嘩に巻き込まれ、頭を打って記憶喪失に

       その事が原因で、自分の妻をどちらか選ばなくてはいけなくなる

 

 

比率:【1:2】

 

上演時間【50分】

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー【デイビス役の方へ、お願い】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

※途中、310のデイビスのセリフ後に、どちらの女性を、妻にするか選択肢があります

 

 セシリア、選ぶ場合は、ピンクの番号表示、332

 

 プリシラ、選ぶ場合は、パープルの番号表示、311

 

是非、デイビスになって、どちらの女性と一緒になりたいか、ご自身で考えて下さいね 

 

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※オンリーONEシナリオ2022

 6月、【ジューンブライド】、テーマにしたシナリオ

 

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CAST

 

セシリア:

 

プリシラ:

 

デイビス:

 

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001 セシリア:「ハ~イ! 私の名前はセシリア! よく皆には、セリシアと間違えられるのだけど、

           そういう時には私は決まって相手にこう言っちゃうの!

           地獄に落ちな! ベイビー!!! 

           え? 過激じゃないかって!? 平気よ、全然、こんなの普通!

           だって、名前を言い間違えられるのって、凄く腹が立つじゃない!!!」

 

 

 

 

002 デイビス:「セシリア、そんな所で何してるんだい?」

 

 

 

003 セシリア:「あ~、デイビス。今、大事な時間なの・・・。邪魔しないで!」

 

 

 

004 デイビス:「オフィスの隅っこで、独り言なんて言ってるのに?」

 

 

 

005 セシリア:「良いから、放っておいて頂戴!」

 

 

 

006 デイビス:「変なセシリア。とにかく今日は忙しいんだから、早く戻って来てよね!」

 

 

 

007 セシリア:「わかったわよ! デイビス!

           ・・・あ~、何処まで話したっけ!?

           まぁ、良いわ! さっきの彼は、私の同僚で、そして私の未来のパートナーのデイビス!

           ああやって、空気が読めない時もあるけど、彼、凄く優しいの~!

           え!? 惚気は結構ですって!? ・・・わかった、話を戻すわね。

           そのデイビスと、私は2週間後、無事、結婚する・・・はずだった・・・。

           え? どうして、過去形かですって? それは・・・」

 

 

 

 

008 プリシラ:「セシリア、そんな所で、サボってないで、早く仕事に戻って。良い、30秒以内よ」

 

 

 

009 セシリア:「プリシラ編集長、わかりました・・・!」

 

 

 

010 プリシラ:「忙しい時期なのに、本当に使えない子・・・」

 

 

 

011 セシリア:「・・・もう、理由はわかったでしょ?

           全ては、この新しく入って来たプリシラのせいよ・・・。

           彼女は・・・、いいえ、あの女は、私のデイビスにこう言って、近付いてきたの!」

 

 

 

 

 

 

012 プリシラ:「仕事、お疲れ様」

 

 

 

013 デイビス:「プリシラ編集長、お疲れ様です。あ~・・・何か急用ですか?」

 

 

 

014 プリシラ:「特に用って訳じゃないの。ただ何となく・・・」

 

 

 

015 デイビス:「何となく、何です?」

 

 

 

016 プリシラ:「何となく、貴方の顔が見たくなったの。ねぇ~、そんな理由じゃ駄目かしら?」

 

 

 

017 デイビス:「駄目じゃないですけど・・・。俺には、心に決めた婚約者が・・・」

 

 

 

018 プリシラ:「良いじゃない。別にその彼女から、貴方を取る気は無いんだから。

           私は、ただ、今後の貴方のポストについて、今夜、バーで一杯、どうかしら? って、誘おうとしただけよ」

 

 

 

019 デイビス:「もしかして、昇進のお話・・・」

 

 

 

020 プリシラ:「貴方も、雇用機会均等法は、把握してるわよね?」

 

 

 

021 デイビス:「アメリカでは採用、昇給、昇進、異動、一時解雇、懲戒、解雇など、

           雇用上の決定において、差別を禁止する規定ですよね・・・?」

 

 

 

022 プリシラ:「ええそうよ。貴方の仕事能力は、前任の編集長からも、引き継いだ際に、

           色々と、聞かせてもらって、気になってたの。

           だから、一度ゆっくり今後の事について、話したかったのよ」

 

 

 

023 デイビス:「そうでしたか・・・」

 

 

 

024 プリシラ:「でも、こんな話、突然されても、戸惑うだけよね・・・!

           ごめんなさい・・・。また、別の日に・・・」

 

 

 

025 デイビス:「今夜は予定無いので、大丈夫です!」

 

 

 

026 プリシラ:「罹った・・・」(小声)

 

 

 

027 デイビス:「え? 何か言いましたか?」

 

 

 

028 プリシラ:「ううん、こっちの話だから、気にしないで。

           良かった、じゃあ今夜22時に、このホテルのバーで待ってるわ。じゃあまた後でね」

 

 

028 セシリア:「以上! 昼の状況説明、終わり! ・・・ねぇ、本当、信じられないわよね!

           昇進の話を理由に、私の彼をホテルに呼び出すなんて・・・!

           本当、嫌になっちゃう・・・! 絶対にこのままじゃ、済まさないんだから!!!」

 

 

 

 

 

 

 

(22時 ホテルのバー 店内には、JAZZが流れている)

 

 

BGM:【ゆったりめの大人の雰囲気のJAZZ】

 

 

 

 

029 セシリア:「へぇ~・・・このホテル、高級志向で、いかにもあの女が選びたがるって感じね・・・。

           さて、肝心のあの女は・・・、居た居た。・・・何よ、あの赤いドレスは・・・!

           絶対に、デイビスを今夜、持ち帰る気よ・・・! 

           よし・・・、この席からなら、バーカウンターの様子も、わかるわね。

           さて、どうしたものか・・・」

 

 

 

 

030 プリシラ:「もう、そんな所で、何してるの! こっちよ!」(入り口で探してるデイビットに向かって)

 

 

 

031 デイビス:「遅れて、すみません・・・」

 

 

 

032 プリシラ:「レディーを待たすなんて・・・、貴方、紳士失格よ」

 

 

 

033 デイビス:「え?」

 

 

 

034 プリシラ:「もう、冗談よ。・・・何か飲む?」

 

 

 

035 デイビス:「仕事の話なんでは?」

 

 

 

036 プリシラ:「貴方って、頭が堅いのね。今は、オフの時間だから、そんな事、気にしなくて良いの。

           遠慮しないで、頼んで」

 

 

037 デイビス:「そうは言われても・・・、こんなに高級なホテルに来た事が無くて・・・」

 

 

 

038 プリシラ:「そう。なら私が頼んであげる。

           マスター、ロングアイランドアイスティーを一杯、お願い」

 

 

 

039 デイビス:「アイスティーのお酒ですか?」

 

 

 

040 プリシラ:「あら貴方って、お酒に詳しくないのね。

           そう、とってもすっきりした飲み口で、飲みやすいのよ」

 

 

041 デイビス:「それは楽しみです」

 

 

 

042 セシリア:「・・・ロングアイランドアイスティーですって!? 確か、アルコール度数、30度のお酒よね・・・。

           アイスティーのような味わいで、美味しいけど・・・、デイビスはそこまで、お酒に強くないのに・・・。

           あの女、こうやって気に入った男を持ち帰ってるんだ・・・。許せない・・・」

 

 

 

043 プリシラ:「マスター、ありがとう。・・・さぁ、デイビス、飲んでみて」

 

 

 

044 デイビス:「いただきます。・・・・・・。ふぅ~」(ロングアイランドアイスティーを飲む)

 

 

 

045 プリシラ:「どうかしら?」

 

 

 

046 デイビス:「とても飲みやすいです。・・・あ~、でも思ってた以上にアルコールが~・・・」

 

 

 

047 プリシラ:「あら、もう酔いが回ったの? 貴方って、本当、可愛いわね・・・」

 

 

 

048 デイビス:「え・・・? 可愛いって、どういう意味です・・・か・・・?」

 

 

 

049 プリシラ:「そのままの意味よ。ねぇ、彼女とは付き合って、どれくらい?」

 

 

050 デイビス:「2年になりますね・・・。彼女、喧嘩早い部分もあるけど~、そんな部分も可愛くて、好きなんです」

 

 

051 セシリア:「デイビス・・・。私もそんな素直な部分が、大好きよ」

 

 

052 プリシラ:「ふ~ん、そんなに彼女の事、好きなんだ~。・・・じゃあ、私は敵わないわね~」

 

 

053 デイビス:「え・・・?」

 

 

054 プリシラ:「ねぇ~、私って、そんなに魅力ないかしら?」

 

 

055 デイビス:「それは・・・、その・・・」

 

 

056 プリシラ:「どうしたの~? 素直に答えて頂戴。ほらっ、早く~・・・」(デイビスの手を握る)

 

 

057 デイビス:「編集長、その手、離して・・・」

 

 

058 プリシラ:「駄~目、プリシラと呼んで頂戴。そうしたら~、離してあげる」

 

 

059 デイビス:「プリシラ・・・、お願いだから、離し・・・」

 

 

060 プリシラ:「ねぇ~、今日のこのドレス、貴方が喜ぶかなって思って選んだのよ~。どう~?」

 

 

061 デイビス:「凄く綺麗で、似合ってます・・・。・・・あの・・・」

 

 

062 プリシラ:「ふふふ、ありがとう。・・・もう、こんなに顔を赤くして、どうしちゃったの~?」

 

 

063 デイビス:「それは・・・」

 

 

064 プリシラ:「そ・れ・は・・・?」

 

 

065 セシリア:「あ~、もう我慢の限界!!! こんなの見てられない!!!

           ねぇ!!! ちょっと!!! その手をデイビスから離しなさい!!!」

 

 

066 デイビス:「セシリア!!! どうして此処に居るんだ!?」

 

 

067 セシリア:「そんな事はどうでも良いの!!! ちょっと、プリシラ編集長、話があるわ!!!」

 

 

068 プリシラ:「あ~ら、覗いてたのね。貴女って、ストーカー気質なのかしら・・・。何か用なの?」

 

 

069 セシリア:「ストーカーは、貴女の方でしょう!!! デイビスにこんなアルコール度数の高いお酒まで、飲ませて・・・。

           酔わして、一体、何をする気だったのよ!!!」

 

 

070 デイビス:「セシリア、それは誤解だ!!! 俺は仕事の話をしに・・・」

 

 

071 セシリア:「良いから、デイビスは黙ってて!!!」

 

 

072 デイビス:「・・・」

 

 

073 プリシラ:「何って・・・、デイビスの言う通り、彼の今後の昇進について、

           ゆっくり、二人っきりで、話そうと思ってただけよ~。

           それをぶち壊しに来るなんて、貴女、どうかしてるわ~」

 

 

074 セシリア:「まぁ、次から次へ嘘が上手です事!!! それじゃあ、そのバッグから見えてるホテルのキーは何なのよ!!!」

 

 

075 プリシラ:「これは~・・・、私の泊まってる部屋のキーよ。ホテルなんだから、決まってるじゃない」

 

 

076 セシリア:「何ですって!?」

 

 

077 プリシラ:「あ~あ、折角の良い気分も台無し。・・・デイビス、仕事の話は、また今度、ゆっくりしましょう。

           じゃあね~」

 

 

078 セシリア:「あっ、ちょっと、待ちなさいよ!!! 待て、逃げるな!!! 卑怯者!!!」(髪を引っ張る)

 

 

079 プリシラ:「痛~~~い!!! 何するのよ!!! この馬鹿女!!!

           早く、その汚い手を離しなさい・・・!!!」

 

 

080 セシリア:「汚いですって!!! 言わせておけば・・・!!!」(更に強く引っ張る)

 

 

081 プリシラ:「きゃあああああ!!!! もう、頭に来た~!!!!」(負けじと髪を引っ張る)

 

 

082 セシリア:「痛いじゃない!!! 離し・・・なさい!!!!」

 

 

083 プリシラ:「嫌よ!!! そっちから離して!!!」

 

 

084 デイビス:「おい、二人共、喧嘩はよしてくれ!!! 他の客にも、迷惑が・・・」

 

 

085 セシリア:「デイビス・・・!!! 口を!!!!」

 

 

086 プリシラ:「挟まないで!!!!」

 

 

087 デイビス:「ぐはっ!!!!! ・・・・・・痛っ・・・」(二人のもみ合いで、吹き飛ばされ頭を打つ)

 

 

088 セシリア:「嘘!!! ちょっと、デイビス、しっかりして!!!」

 

 

089 デイビス:「・・・頭を打ったけど、平気・・・。・・・それより・・・」

 

 

090 セシリア:「ちょっと!!! あんたのせいで、デイビスが頭打ったじゃない!!!

           早く謝って!!!」

 

 

091 プリシラ:「はぁ!? 何で私だけなのよ!!! 貴女も突き飛ばしたじゃない!!!」

 

 

092 セシリア:「それは、あんたが髪を引っ張るからでしょう!!!」

 

 

093 プリシラ:「それは、貴女からじゃない!!!」

 

 

094 セシリア:「何ですって!!!!」

 

 

095 デイビス:「二人共!!!! いい加減にしてくれ!!!!」

 

 

096 セシリア:「デイビス・・・」

 

 

097 プリシラ:「・・・」

 

 

098 デイビス:「悪いけど、これ以上、付き合ってられないよ・・・!!! 俺は先に帰る・・・」

 

 

099 セシリア:「ちょっと、待ってよ!!! デイビス!!! 

           ・・・帰っちゃった・・・」

 

 

100 プリシラ:「あらお気の毒様。でも、元はと言えば、全て貴女の責任じゃない。私も、帰るわ。じゃあね」

 

 

 

101 セシリア:「ちょっと!!! それどういう意味よ!!!

           ・・・はぁ・・・、デイビス・・・」

 

 

 

 

 

 

 

(自分の部屋に戻るセシリア デイビスに謝ろうと電話をかける)

 

 

 

 

102 セシリア:「最悪な夜だった・・・。・・・こうしちゃ居られない・・・。デイビスに、謝らなきゃ・・・」

 

 

SE:電話のコール音

 

 

103 セシリア:「あっ、もしもし、デイビス・・・、さっきは」

 

 

 

104 デイビス:「ハ~イ、デイビスです。今、電話に出られないので、御用のある方は、ピーっという発信音の後に伝言をどうぞ」

 

 

 

SE:電話の発信音

 

 

105 セシリア:「・・・もしもし、デイビス。さっきはごめんね・・・。あんな事になるなんて、思いもしなかったの・・・

           凄く反省してる・・・。私のせいで、頭も打ってるし、心配なの・・・。連絡、待ってるわ・・・。じゃあ・・・。

           ・・・デイビス、怒ってるのかな・・・。はぁ・・・」

 

 

 

 

 

106 セシリア:「・・・もう、朝・・・。・・・あ~、化粧も落とさないで寝ちゃった・・・。最悪・・・。

           ・・・デイビスから連絡は・・・、なし・・・。まだ、怒ってるのかな・・・。

           よし、もう一度・・・」

 

 

SE:電話のコール音

 

 

107 セシリア:「あっ、もしもし・・・」

 

 

108 デイビス:「ハ~イ、デイビスです。今、電話に出られないので、御用のある方は、ピーっという発信音の後に伝言をどうぞ」

 

 

SE:電話の発信音

 

 

109 セシリア:「・・・デイビス、何度もごめんね・・・。もしかして、まだ怒ってる?

           お願い・・・、凄く反省してるの・・・。連絡頂戴・・・。待ってる・・・」

 

 

 

(2時間後)

 

 

 

 

110 セシリア:「あれから、もう2時間、待ってるのに・・・、まだ返信が来ない・・・。

           もしかして、何かあったんじゃ・・・。・・・こうしちゃ居られない・・・!!!」

 

 

 

 

(デイビスのアパート前)

 

 

 

111 セシリア:「デイビス、部屋に居るかな・・・。あっ、あれはデイビス・・・!

           ねぇ!!! デイビス!!! 何で電話に出なかったのよ!!!

           流石に昨夜は、やり過ぎたかな~と思ったけど、それにしても・・・!!!」

 

 

112 デイビス:「え? ちょっと待って! いきなり怒鳴られても意味が分からない!

           君・・・、誰なの・・・? もしかして俺の知り合い・・・?」

 

 

113 セシリア:「・・・何言ってるのよ。私よ、セシリアよ・・・。貴方の婚約者の・・・!!!」

 

 

 

114 デイビス:「婚約者・・・!? ごめん・・・。覚えてない・・・」

 

 

 

115 セシリア:「一体、どうなってるの・・・」

 

 

 

116 プリシラ:「もう、勝手に先に行ったら、迷子になるわよ!」

 

 

117 デイビス:「プリシラ、ごめん・・・。それより、この女性だけど、俺の婚約者って本当・・・?」

 

 

118 プリシラ:「デイビス、医者にも言われたでしょう? 貴方、記憶喪失になったのだから、

           無理して、思い出そうとしては駄目だって」

 

 

119 デイビス:「それはどうだけど、彼女・・・、必死だったから気になっちゃって・・・」

 

 

120 プリシラ:「今は自分の事だけ、考えて置けば良いのよ。・・・悪いけど、先に車に戻ってて」

 

 

121 デイビス:「わかったよ・・・」

 

 

122 セシリア:「ねぇ! これは一体どういう事!? 説明して!!!」

 

 

123 プリシラ:「・・・あの後、彼が道端で倒れてるの発見したから、

           病院に連れて行って、医者に診て貰ったってわけ・・・。

           デイビス・・・、頭ぶつけた事が原因で、記憶喪失になったのよ」

 

 

124 セシリア:「記憶喪失・・・。・・・それって一時的なのでしょう・・・!?」

 

 

125 プリシラ:「さぁ・・・。医者も、いつ記憶が戻るか分からないって言ってたわ」

 

 

126 セシリア:「そんな・・・」

 

 

127 プリシラ:「彼の身の回りの世話も心配しないで。もう手配したから。

           貴女は、何もしなくて良いのよ」

 

 

128 セシリア:「ちょっとそれどう言う意味・・・!」

 

 

129 プリシラ:「この後のスケジュールも一杯で、貴女の相手してる暇ないの! またね~」(車のドア閉める)

 

 

130 セシリア:「何よ! それ! ちょっとまだ話は終わって無いのよ! このドア、開けなさいよ!!!」

 

 

131 プリシラ:「お待たせ、デイビス。・・・さぁ、行きましょう」(セシリアの台詞に被せて)

 

 

132 デイビス:「あぁ・・・。・・・彼女、外で何か騒いでるけど・・・」

 

 

133 プリシラ:「貴方は気にしなくて良いのよ。・・・運転手、早く車を出して」

 

 

SE:車の発進音

 

 

134 セシリア:「・・・こんなのって無いわよ。絶対に許せない・・・!」

 

 

 

 

 

 

135 プリシラ:「さぁ、家に付いたわよ」

 

 

136 デイビス:「プリシラ・・・。すまない・・・」

 

 

137 プリシラ:「これくらい、良いのよ。今は、休むのも大事だって、医者にも言われたでしょう」

 

 

138 デイビス:「それはそうだけど・・・、此処までしてくれるなんて、感謝でしか無いよ・・・」

 

 

139 プリシラ:「感謝してるなら、今は安静にして。早く元気になって。

           貴方には、これからの会社の事とか、期待してるのよ」

 

 

140 デイビス:「その事だけど・・・、俺、迷惑かけないかな?」

 

 

141 プリシラ:「迷惑かけても良いのよ。そんな事、気にしないで。ゆっくり休んで。

           おやすみ・・・、デイビス」

 

 

142 デイビス:「おやすみ・・・。プリシラ・・・」

 

 

 

 

 

(2週間後)

 

 

143 セシリア:(N)「プリシラがデイビスを強奪してから、2週間が経過した。

              ・・・私とデイビスはと言うと・・・」

 

 

 

 

144 セシリア:「おはよう! デイビス! う~ん!!! 今日は良い天気ね!!!」

 

 

145 デイビス:「おはよう・・・。今日は曇りだけど・・・。セシリア、君って変わってる人だね・・・」

 

 

146 セシリア:「こんな曇ってる日にも、心は晴れ晴れとしていたいって意味よ! 深く追求しないで・・・。

           そんな事より・・・、どう、何か思いだした?」

 

 

147 デイビス:「・・・ごめん。・・・君の事は、思い出して無い・・・」

 

 

148 セシリア:「そう・・・! じゃあ、何か思い出したら、教えてね・・・!」

 

 

149 デイビス:「わかったよ・・・」

 

 

150 セシリア:(N)「こんな風に、すっかり心の距離が空いてしまったのだ・・・。

           一体、これからどうしたら良いのよ・・・!」

 

 

 

151 デイビス:「・・・セシリア」

 

 

152 セシリア:「何かしら? デイビス」

 

 

153 デイビス:「こんな時に言うのもなんだけど、俺達の婚約は・・・」

 

 

154 セシリア:「あ~、延期よね! 勿論、延期で良いわよ! 大丈夫、平気よ! 気にしないで!」

 

 

155 デイビス:「そうじゃないんだ」

 

 

156 セシリア:「え?」

 

 

157 デイビス:「いつ記憶が戻るかも分からない状態だし・・・。

           一度、白紙に戻させて欲しいんだ・・・」

 

 

158 セシリア:「そんな・・・」

 

 

159 デイビス:「・・・このまま君をずっと待たせ続けるのも、気の毒だし・・・。

           それに・・・」

 

 

 

160 セシリア:「まだ何かあるの?」

 

 

161 デイビス:「・・・」

 

 

162 セシリア:「どうしたの? 早く答えて」

 

 

163 デイビス:「その・・・」

 

 

164 プリシラ:「デイビス・・・、取材に行く時間よ。用意は出来てる?」

 

 

165 デイビス:「あぁ、出来てる。

           ・・・セシリア、そう言うわけなんだ・・・。

           この話の続きは、また今度・・・。じゃあね・・・」

 

 

166 セシリア:「何なのよ・・・」

 

 

167 プリシラ:「ねぇ、セシリア。・・・良い、よく聞きなさい! 

           デイビスは、貴女と違って、この会社の未来にも、大事な人材なの・・・。

           分かったなら、邪魔しないで頂戴! 話は以上よ」

 

 

168 セシリア:「ちょっと待ちなさいよ!」

 

 

169 デイビス:「セシリア・・・」

 

 

170 セシリア:「デイビス・・・、私はただ・・・」

 

 

171 デイビス:「頼むから、俺と彼女の邪魔しないで・・・。じゃあ、急ぐから・・・」

 

 

172 セシリア:「デイビス・・・」

 

 

 

 

173 セシリア:(N)「・・・私の責任でもあるけど・・・、此処まで酷い展開は予想してなかった・・・。

              ううん・・・、こんな事で落ち込んで居られない・・・。

              何とかしなくちゃ!!!!」

 

 

 

 

 

174 デイビス:「俺は、この先、どうすれば良いんだ・・・。セシリアは婚約者らしいけど・・・。

           彼女との記憶が、何も思い出せない・・・。彼女、必死だった・・・。

           どうして、何も思い出せないんだ・・・! クソッ・・・」

 

 

175 プリシラ:「・・・デイビス、眠れないの?」

 

 

176 デイビス:「プリシラ・・・。君こそ、こんな夜更けにどうしたんだ・・・?」

 

 

177 プリシラ:「貴方の事が心配で、気になったのよ。眠れないなら、カモミールティーはどうかしら?」

 

 

178 デイビス:「ありがとう。貰うよ」

 

 

179 プリシラ:「用意するわね」

 

 

180 デイビス:「あぁ・・・」

 

 

 

 

181 プリシラ:「用意出来たわよ。はい・・・」

 

 

182 デイビス:「ありがとう・・・。・・・美味しいよ」

 

 

183 プリシラ:「それ飲み終わったら、ちゃんと寝て。体にも障るわ・・・」

 

 

184 デイビス:「あぁ・・・、そうするよ」

 

 

185 プリシラ:「ねぇ、デイビス・・・」

 

 

186 デイビス:「何だい?」

 

 

187 プリシラ:「今は自分の体の事だけ考えて。貴方が無事なのが、私は何より嬉しいの」

 

 

188 デイビス:「君は優しいんだな・・・」

 

 

189 プリシラ:「欲しいと思った時は、手段を選ばない部分もあるけどね~・・・。

          その性格で、これまでも・・・、色々、失敗しちゃったわ・・・」

 

 

190 デイビス:「失敗から学ぶことも多いし、それで良いと思うよ」

 

 

191 プリシラ:「貴方の方こそ、随分と優しいのね。さぁ、話しは此処までよ。

           明日も仕事なんだから、早く寝なさい。・・・おやすみ、デイビス」

 

 

192 デイビス:「わかった、そうするよ。おやすみ、プリシラ」

 

 

 

 

(翌日の夕方)

 

 

 

193 プリシラ:「デイビス、今日の取材の記事、纏めて置いて頂戴。私は先に帰るわ。お疲れ様」

 

 

194 デイビス:「お疲れ様です」

 

 

195 セシリア:「デイビス、お疲れ様」

 

 

196 デイビス:「あぁ・・・」

 

 

197 セシリア:「昼間は、ごめんなさい・・・」

 

 

198 デイビス:「俺の方こそ、悪かったよ・・・。自分のこれからの事しか、頭になかった・・・」

 

 

199 セシリア:「昇進できるチャンスなんだもの。そんなの当然よ。

           ・・・でも、正直・・・、婚約を一度、白紙に戻そうって言葉は、ズシンと心に来た・・・」

 

 

200 デイビス:「・・・」

 

 

201 セシリア:「貴方は覚えてないかもしれないけど・・・、元はといえば、貴方の記憶喪失も私の責任だし・・・。

           だから・・・、その・・・、ごめんなさい・・・」

 

 

202 デイビス:「もう良いよ。幾ら謝られても、失った記憶は戻って来ないし・・・。

           それよりも、こういうのはどう? 今度の日曜、何処か二人で出かけない?」

 

 

203 セシリア:「え・・・?」

 

 

204 デイビス:「君が俺の婚約者だったのも、どうやら事実見たいだし・・・。

           一度、君と一緒に過ごしてみたら、何か思いだすかもって考えたんだ。駄目かな?」

 

 

205 セシリア:「ううん、駄目じゃない。・・・日曜日、空いてる」

 

 

206 デイビス:「良かった。・・・さて問題は、何処に行くかだな・・・」

 

 

207 セシリア:「それなら、私・・・、行きたい場所あるんだけど・・・」

 

 

208 デイビス:「オッケー。それなら、そこで決定だ。・・・後で詳細、送っておいて」

 

 

209 セシリア:「分かった、送る。・・・仕事、頑張って」

 

 

210 デイビス:「ありがとう、セシリア」

 

 

 

 

211 セシリア:(N)「デイビスからの思わぬ提案に、久しぶりに心が弾んだ。

              心なしか、距離感も前みたいにとはいかないけど、近付いた見たいだし・・・。

              後は、私次第で元にも・・・。・・・そんな事を考えながら約束の日曜日を迎えた」

 

 

 

212 デイビス:「ごめん、少し遅れた・・・」

 

 

213 セシリア:「ううん、良いのよ。私も今さっき着いた所」

 

 

214 セシリア:(N)「本当は楽しみで仕方なくて、1時間前には到着してたのだ」

 

 

215 デイビス:「此処からの景色、良いね~」

 

 

216 セシリア:「・・・私ね、あの映画観てから、一度、此処に来てみたかったの~!」

 

 

217 デイビス:「それって・・・、ラ・ラ・ランド」

 

 

218 セシリア:「ラ・ラ・ランド」(同時に)

 

 

219 デイビス:「あっ・・・」

 

 

220 セシリア:「ふふふ・・・。・・・デイビスも知ってたんだ。素敵な映画よね」

 

 

221 デイビス:「このグリフィス天文台で、踊るシーンは、印象的だった」

 

 

222 セシリア:「あのシーン、最高だった~! 天文台の中で、踊り出す、

           ライアン・ゴズリングと、エマ・ストーンに憧れちゃった・・・。

           でもほら私は、乱暴な性格だし・・・、あんなに優雅に踊れないし、映画のヒロインには・・・」

 

 

223 デイビス:「そんな事ないよ。・・・此処はハリウッドに近い場所・・・!

           誰もが、映画の主人公、ヒロインになっても誰も文句は言わないよ。

           ・・・さぁ、セシリア。・・・手を・・・」

 

 

224 セシリア:「でも・・・」

 

 

 

225 デイビス:「おいおい、恥ずかしがらないでくれよ。

           ・・・これでも、精一杯の勇気、出してるんだからさ・・・」

 

 

226 セシリア:「デイビス・・・。うん・・・」

 

 

227 デイビス:「・・・さぁ、俺に掴まって。あの音楽を思い出すんだ・・・。

           そうそう・・・、上手い上手い・・・。その調子・・・」

 

 

228 セシリア:「・・・貴方って、リード上手なのね。・・・こんな一面、知らなかった・・・」

 

 

229 デイビス:「記憶を無くす前の自分は、知らないけど・・・、そんなのは今はどうでも良いよ。

           目の前に、こんなに魅力的な女性が居るんだから・・・」

 

 

230 セシリア:「その台詞・・・。記憶のある内に聞きたかった。

           でも・・・、今、最高に楽しい気分だから、許してあげても良いわよ」

 

 

231 デイビス:「君も随分と、俺の気持ちを振り回すね~。・・・どうやら、映画のヒロインに向いてるようだ」

 

 

232 セシリア:「それは貴方もよ、デイビス・・・。・・・ライアン・ゴズリングの次くらいに、格好良いわよ!」

 

 

233 デイビス:「あっ、よくも言ったな! こらっ! 待てっ!」

 

 

234 セシリア:「嫌よ! 悔しかったら捕まえてごらんなさい! ふふふ!」

 

 

235 デイビス:「・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・、よ~し、捕まえた!」

 

 

236 セシリア:「・・・ねぇ、今、どんな気持ち・・・?」

 

 

237 デイビス:「う~ん・・・こんな気持ちかな・・・。・・・」(セシリアの頬にキスする)

 

 

238 セシリア:「・・・デイビス・・・」

 

 

239 デイビス:「・・・これが今の精一杯の気持ち・・・。駄目かな・・・?」

 

 

240 セシリア:「駄目じゃない・・・。・・・今はこれで十分よ。

           ・・・今日はありがとう・・・。・・・一時の出来事だけど・・・、

           映画のヒロインみたいになれて、嬉しかった・・・。そろそろ、帰るわね・・・」

 

 

241 デイビス:「送ろうか?」

 

 

242 セシリア:「大丈夫、一人で帰れるから。・・・また会社でね、デイビス」

 

 

243 デイビス:「あぁ・・・」

 

 

244 セシリア:(N)「本当は、もっと長い時間、デイビスと一緒に居たかった・・・

              でも・・・、それを望むと、夢のような時間は、崩れてしまうかも知れない・・・。

              そんな恐怖がよぎった私は、グリフィス天文台を後にした・・・」

 

 

 

 

 

(プリシラの部屋)

 

 

245 プリシラ:「ふ~ん、私からの連絡に出ないと思ったら、そんな事してたんだ~」

 

 

246 デイビス:「プリシラ・・・。君の気持ちも分かるけど・・・、セシリアの事も気になるんだ・・・。

           俺の婚約者だったわけだし・・・」

 

 

247 プリシラ:「貴方って罪な男よね。・・・タイプの違う女性を、両方とも恋に落としたんだから~」

 

 

248 デイビス:「プリシラ・・・。・・・君も凄く魅力的だ・・・。だからこそ、今は選べないんだ・・・」

 

 

249 プリシラ:「そのセシリアだけど・・・、彼女が・・・、今の私達の状況、知ったらなんて言うかしら~?」

 

 

250 デイビス:「お願いだ・・・。セシリアには、プリシラの家でお世話になってる事は、言わないでくれ・・・」

 

 

251 プリシラ:「わかってるわよ~。言ったら、彼女、激怒するでしょうし・・・。

           その代わりなんだけど~、お願いがあるの~・・・」

 

 

252 デイビス:「お願いって何だい・・・?」

 

 

253 プリシラ:「二人で行きたい場所があるのよ。駄目かしら~?」

 

 

254 デイビス:「良いけど・・・」

 

 

255 プリシラ:「良かった。そうと決まれば早く行きましょう~」

 

 

 

 

 

(街から離れた教会)

 

 

256 プリシラ:「さぁ、着いた・・・。此処よ」

 

 

257 デイビス:「・・・此処って、教会だよね・・・?」

 

 

258 プリシラ:「ええ、そうよ。街からも離れてるし、海も見えて素敵な所よね」

 

 

259 デイビス:「どうして・・・?」

 

 

260 プリシラ:「理由は、もう少ししたらわかるわよ。・・・あっ、ほら来た。時間通りね」

 

 

261 デイビス:「・・・セシリア・・・。どうして此処に・・・?」

 

 

262 セシリア:「・・・プリシラに、二人で話し合いたいって、呼ばれたからよ・・・。

           それなのに、何でデイビスが居るの・・・」

 

 

263 プリシラ:「役者は全員揃ったようね。さぁ、決着を付けましょう」

 

 

264 セシリア:「何の決着よ!?」

 

 

265 プリシラ:「決まってるじゃない! デイビスをかけた戦いのよ!

           ・・・愛する人をこれ以上、悩ませるのなんて耐えられない・・・。

           だから、はっきりさせましょうよ! さぁ、この場に相応しい衣装も用意したわ。

           早く、着替えて来なさい!」

 

 

266 セシリア:「わかったわ・・・」

 

 

267 デイビス:「プリシラ・・・。これは一体、何の真似だ・・・」

 

 

268 プリシラ:「・・・これも全部、貴方の為よ。・・・私が知らなかったとでも思ってたの?」

 

 

269 デイビス:「え?」

 

 

270 プリシラ:「貴方が、夜な夜な、私が寝静まった後・・・、一人で悩んで頭を抱えてた事なんて気付いてたわ」

 

 

271 デイビス:「プリシラ・・・」

 

 

272 プリシラ:「もうこれ以上、貴方を苦しませたくないの・・・。だから貴方も早く着替えて来て」

 

 

273 デイビス:「・・・わかった・・・」

 

 

 

 

(着替え終わったセシリアが戻って来る)

 

 

 

274 セシリア:「着替え終わったわよ・・・」

 

 

275 プリシラ:「へぇ~、思ってたより、その純白のドレス、似合うじゃない」

 

 

276 セシリア:「貴女の、その黒のドレスも、良い線、言ってるわ・・・」

 

 

277 デイビス:「セシリア・・・、プリシラ・・・、二人共、綺麗だよ・・・」

 

 

277 セシリア:「ありがとう・・・。デイビス・・・」

 

 

278 プリシラ:「さぁ、準備は整ったわ。・・・デイビス、私とセシリアがこれから、貴方に愛の告白をするから、

           その後に、どちらと結婚するか、決めて頂戴」

 

 

279 デイビス:「わかった・・・。後悔しないよう、ちゃんと選ぶよ・・・」

 

 

280 プリシラ:「・・・さぁ、デイビスの決意も聞けたし、どちらから告白する?」

 

 

281 セシリア:「私は、後で良いわよ。最初は、譲ってあげる・・・」

 

 

282 プリシラ:「あらそう。じゃあ、遠慮なく・・・。

           デイビス・・・。貴方と短い時間だけど・・・、一緒に過ごせて、嬉しかったわ・・・」

 

 

283 セシリア:「何ですって・・・!?」

 

 

284 デイビス:「おい、内緒にしておくって言ってただろう?」

 

 

285 プリシラ:「いつかはわかる事だったのだから、気にしないで良いわよ」

 

 

286 デイビス:「・・・」

 

 

287 プリシラ:「私達のせいで、貴方は記憶喪失になって、私も凄く反省したの・・・。

           だからこそ、貴方の介抱に名乗り出たし・・・。

           ・・・貴方が倒れてる所、見た瞬間・・・、怖くなったの・・・。

           こんなに好きになった人が、目の前から消えるかもしれないって・・・」

 

 

288 デイビス:「・・・」

 

 

289 プリシラ:「セシリアと比べたら、私と貴方の過ごした時間なんて、到底敵わないわ・・・。

           でも、私の前で見せてくれた安らぎの表情は、嘘偽りのない真実だと信じてる・・・。

           デイビス・・・。貴方の側で、これからも一緒にどんな事でも乗り越えたいの・・・。

           そして、二人で、会社も育てて行きましょう・・・。愛してるわ、デイビス・・・」

 

 

290 デイビス:「プリシラ・・・」

 

 

291 プリシラ:「私の告白は以上よ。さぁ、次はセシリア、貴女の番よ」

 

 

292 セシリア:「わかってるわよ・・・。

           ねぇ・・・、デイビス・・・。貴方が記憶を失った原因を作ったのも・・・、元はといえば私の責任・・・。

           付き合い始めた時から、その乱暴な性格、治した方が良いって、貴方に散々言われて来たのにね・・・。

           わかっては居るけど、ほらっ、私ってこんな性格だから、頭に血が昇ると・・・、つい暴力に走って・・・、

           いつも、私・・・、貴方に迷惑ばかりかけてた・・・」

 

 

293 デイビス:「・・・」

 

 

294 セシリア:「貴方の記憶喪失も、こんな私に対する神様の罰なのかなって、悩んだりもしたわ・・・。

           ・・・プリシラと仕事してる姿、見た時も・・・、

           デイビス・・・、貴方は凄く生き生きとしていて・・・、私は必要ない存在なのかなって、落ち込んだし・・・。

           仲の良い二人の姿に嫉妬して、腹も立ったの・・・!」

 

 

295 デイビス:「・・・」

 

 

296 セシリア:「今日の昼間、グリフィス天文台で貴方を待ってた時も・・・、

           実はね・・・、楽しみで仕方なくて、本当は・・・、1時間前に着いてたんだ・・・。

           私って、馬鹿よね・・・。・・・1人で勝手に舞い上がっちゃってさ・・・。

           だからかな・・・。・・・貴方と合流して、大好きな映画、ラ・ラ・ランド、貴方が知ってた事も・・・、

           映画に憧れてるけど・・・、ヒロインになれないって諦めてた私に・・・、

           真剣な表情で、手を差し出してくれた時も・・・、私・・・、凄く嬉しかったの・・・。

           言葉に表せないくらい、貴方と踊った時間は・・・、幸せな時間だった・・・」

 

 

297 デイビス:「俺も・・・、幸せだった・・・」

 

 

298 セシリア:「貴方も映画の結末は知ってるだろうから、あえて言わないけど・・・。

          ・・・本当に、夢のような時間で、貴方とこれからも一緒に・・・、

           映画の主人公、ヒロインのように、踊ったり、笑いあったり、楽しく過ごしたい・・・。

           私だけのヒーローになって。・・・愛してるわ、デイビス・・・」

 

 

299 デイビス:「セシリア・・・」

 

 

300 プリシラ:「・・・私と彼女の愛の告白は、これで終了よ。後は、貴方の素直な気持ちを聞かせて」

 

 

301 デイビス:「わかったよ・・・。少し時間をくれないか・・・?」

 

 

302 プリシラ:「わかったわ」

 

 

 

 

303 セシリア:「・・・私に黙って一緒に暮らしてたのね・・・」

 

 

304 プリシラ:「私が倒れてる所、見つけて病院に連れて行ったのだから、当然これくらいしても罰が当たらないわよ」

 

 

305 セシリア:「・・・ふ~ん・・・」

 

 

 

 

306 デイビス:「・・・お待たせ。どちらにするか決めたよ」

 

 

307 プリシラ:「わかったわ。

           汝、デイビス・・・。貴方は、此処に居る二人の女性のどちらかを妻とし、

           良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、

           病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も、

           妻を愛し、妻を助け、妻を慰め、妻を敬い、その命のある限り心を尽くすことを誓いますか?」

 

 

308 デイビス:「誓います・・・」

 

 

 

309 プリシラ:「それでは、二人の内、どちらを自分の妻と決めたのか、神の前に、名前を言って頂戴」

 

 

 

310 デイビス:「俺が、生涯を共にする相手は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

セシリアを選んだ方は、【332】へ

 

 

プリシラを選んだ方は、【311】へ

 

 

 

 

【プリシラEND】

 

 

 

311 デイビス:「それは・・・、・・・プリシラ、君だ・・・。二人で会社の未来を切り開いて行こう!

          一生、俺の側から離れないでくれ・・・」

 

 

312 プリシラ:「ええ、勿論よ。愛しているわ、デイビス」

 

 

313 セシリア:「そんな・・・」

 

 

314 デイビス:「・・・セシリア。・・・グリフィス天文台での出来事は楽しかったよ・・・。

           でも、記憶を無くして苦しんでた俺に、仕事の楽しさ、

                    これからの未来を約束してくれたのは、彼女だったんだ・・・。

           だから、こんな結果になって申し訳ないと思うが・・・、許してくれないか?」

 

 

315 セシリア:「そんなの酷過ぎる!? 私だって、貴方の事を大事にしようと!!!」

 

 

316 プリシラ:「見苦しいわよ! さっさと諦めなさい!」

 

 

317 セシリア:「元はといえば、こうなったのも、プリシラ、あんたのせいよ!!!! 殺してやる!!!」(襲い掛かろうとする)

 

 

318 デイビス:「プリシラ!!! 危ない!!!」

 

 

319 プリシラ:「大丈夫よ、貴方・・・!!!」(セシリアに向けて銃をぶっ放す)

 

 

SE:銃声(銃は好みのもので)

 

 

320 セシリア:「うっ・・・!!! そんな・・・!!! デイビス・・・、お願い・・・、助けて・・・」

 

 

321 プリシラ:「映画のヒロインは1人で十分よ。さようなら・・・」

 

 

SE:銃声(銃は好みのもので)

 

 

322 セシリア:「デイ・・・ビス・・・」

 

 

323 プリシラ:「さぁ、邪魔者は片付いたわ~。・・・結婚式の続きしましょう~」

 

 

324 デイビス:「何も、殺す事なんて・・・」

 

 

325 プリシラ:「殺意、剥き出しで襲ってきたんだから、正当防衛よ。念の為に、銃を用意しといて良かった~」

 

 

326 デイビス:「正当防衛って言ってもな・・・。彼女の死体は、どうするんだ・・・?」

 

 

327 プリシラ:「映画みたいに、鮫のエサにでもする? あっ、車で泥酔したように見せかけて、崖から落とすのも良いわね~。

           あ~あ、折角の純白のドレスが・・・、台無しだわ~。

           私も貴方も、彼女の返り血で、血塗れだし、死体を処理したら、まずはシャワーね~」

 

 

328 デイビス:「・・・君に任せるよ・・・。俺は吐きそうな気分だ・・・」

 

 

329 プリシラ:「何、言ってるのよ~」

 

 

330 デイビス:「え・・・?」

 

 

331 プリシラ:「私達、夫婦になったんだから、貴方も共犯者よ~・・・。

           さぁ、二人で最初の・・・、愛の共同作業、始めましょう~。ふふふふふふ・・!!!!」

 

 

 

 

 

【セシリアEND】

 

 

 

332 デイビス:「それは・・・、・・・セシリア、君だ・・・。また、グリフィス天文台で、愛を確かめ合おう・・・」

 

 

333 セシリア:「ええ・・・。喜んで・・・。愛してるわ・・・、デイビス」

 

 

334 デイビス:「俺も愛しているよ。俺だけのヒロイン・・・、セシリア・・・」

 

 

335 セシリア:「さて・・・、決着は付いたようね。プリシラ・・・!」

 

 

336 プリシラ:「そんな・・・、私がこんな女に負けるなんてあり得ないわ・・・」

 

 

337 セシリア:「何ですって!?」

 

 

338 プリシラ:「貴方達、覚えておきなさい! 私を怒らせたんだから、あの会社にも居られなく・・・」

 

 

339 セシリア:「ねぇ、ちょっと」

 

 

340 プリシラ:「何よ! 今、良い所・・・」

 

 

341 セシリア:「ふんっ!!!!」(プリシラの顔面を殴る)

 

 

342 プリシラ:「きゃあああああ!!! 痛いじゃない!!! 私の整った鼻が・・・、あっあああああああ!!!」

 

 

343 セシリア:「プリシラ、あんたに一言だけ伝えとく」

 

 

344 プリシラ:「何なのよ~・・・!!!」

 

 

345 セシリア:「地獄に落ちな! ベイビー!!!」

 

 

346 プリシラ:「きぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」(走って逃げだす)

 

 

347 セシリア:「そう、その調子! 早く帰って医者に泣きつきな!!! 二度と私達の前に現れんな!!!

          ・・・はぁ~、スッキリした~!!!」

 

 

348 デイビス:「セシリア・・・。またやってしまったな・・・」

 

 

349 セシリア:「またって!? もしかして、デイビス・・・!!!」

 

 

350 デイビス:「あぁ!!! 記憶が戻ったよ!!! 君の愛の告白のおかげだ!!!」

 

 

351 セシリア:「デイビス・・・、良かった・・・」

 

 

352 デイビス:「不安にさせてすまなかった・・・。でも、これからはずっと一緒だ」

 

 

353 セシリア:「ええ!!! ・・・あっ、結婚式だけど・・・、一度、キャンセルしちゃった・・・。

           また、一から探し直さなきゃ・・・」

 

 

354 デイビス:「そうか・・・。それなら、君にもう一度、プロポーズもしなきゃいけないな。

           ・・・あのグリフィス天文台で」

 

 

355 セシリア:「え・・・!?」

 

 

356 デイビス:「愛するセシリア・・・。俺と一緒にグリフィス天文台で、踊っていただけますか?」

 

 

357 セシリア:「勿論!!! オッケーよ!!! 愛してる!!! デイビス!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

終わり