表紙絵 DarthVader様(@darthvader1981)
アニマル・エージェント エピソード0
作者:ヒラマ コウ
比率:【2:1】
上演時間:【30分】
※2021年、1月27日、加筆調整
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登場キャラ
【アレックス】猫♂・・・この物語の主人公、エージェント養成学校を優秀な成績で卒業し、
ASFのベテランエージェントになり、日々街を悪から守ってる
性格:正義感が強く、突っ走ることがある、明るいムードメーカー
見た目:背は普通 体型もがっしりはしてなく普通 色は白の毛並み
【ギルバート】虎♂ ・・・エージェント養成学校時代からのアレックスの良きライバルであり、凄腕のベテランエージェント
性格: 厳しくて、すぐ怒鳴る 真面目
見た目: 背は高め 体型はガッチリで筋肉質 色は黄色と黒の毛並み
【ジェシカ】猫♀・・・エージェント養成学校時代からの2人の仲間。ASFに所属し、普段はオペレーターとして、
エージェントのサポートに回ってるが、いざとなれば、現場にも出る
性格:明るい サバサバ系
見た目: 背は普通 体型は細目 色は茶色の毛並み
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CAST
アレックス:
ギルバート:
ジェシカ:
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あらすじ
舞台はアメリカ、サンフランシスコ
ASFの養成機関、エージェント養成学校から物語は始まる。
エージェントを目指す、ギルバートだが、不安から、門の前で立ち止まってる。
そんな中、ある青年が声をかける。
この青年、そしてこの後出会う彼女との出会いが、ギルバートのこれからの運命を大きく変えるとは
この時は知る由もなかった・・・
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本編は此処から
ギルバート(N):「私の名前はギルバート。これから話す事は、私の過去であり、忘れられない思い出・・・。
そして、未来に続く物語の序章。
私は、この子を2人のぶんまで、立派に育てないといけない。そうあの2人のぶんまで・・・。
話は、エージェント養成学校時代に遡る・・・」
(過去、エージェント養成学校に入学式)
ギルバート:「いよいよこの日が来たんだな・・・。今日から俺も・・・」
アレックス:「よう! そんな所でぼさっとしてると邪魔だぜ! さっさと進んだ進んだ!」
ギルバート:「ちょっとちょっと! 押さないでくれ。いきなり失礼じゃないか!」
アレックス:「ん?」
ギルバート:「なんだよ・・・」
アレックス:「ははーん、さてはこの門をくぐるのを溜めらってたな?」
ギルバート:「そんな事ないさ。俺は今、まさにくぐろうとしてたんだ!」
アレックス:「どうだか。その割には、足が震えてるぞ」
ギルバート:「これはただの武者震いなだけだ! お願いだから、俺の事はほっといてくれ!」
アレックス:「あっそう。じゃあ、俺、先に行くぞ。お前も、入学式に遅れないように急げよ!」
ギルバート:「あぁ・・・」
ギルバート(N):「それが、彼との初めての出会いだった。門の前で迷っている私を、彼はまるで嵐のように、
現れ、その心を見抜き、あっという間に去っていったのだ・・・。
彼とは、それっきりになると思ってた。だが・・・」
アレックス:「あれ? お前は、さっき校門の前で、武者震いしてた・・・。同じクラスなんだな! これから宜しくな!」
ギルバート:「断る」
アレックス:「なんで? 俺達、2年間一緒なんだから、仲良くしようぜ。なっ!」
ギルバート:「俺はお前みたいな、デリカシーの欠片も、ない奴なんてごめんだ!」
アレックス:「おいおい、それはいくらなんでも酷いな。さすがの俺でも凹むぞ・・・」
ギルバート:「勝手に一人で、凹んでろ」
アレックス:「はぁ・・・」
(そんなギルバートとアレックスのやりとりを見てて、つい笑ってしまうジェシカ)
ジェシカ:「(笑う)」
ギルバート:「ん? 君は、誰?」
ジェシカ:「あっ・・・私ったらつい。私の名前はジェシカ。貴方達とは、同じクラスよ」
ギルバート:「俺は、ギルバート」
アレックス:「初めまして! 俺はアレックス! 同じクラスになれて嬉しいよ!」
ギルバート:「うわっ・・・立ち直り、早いな!」
アレックス:「可愛い子の前で、いつまでも凹んでられるか!」
ジェシカ:「ギルバートにアレックスね。2人とも本当、仲が良くて羨ましい」
ギルバート:「どこが?」
アレックス:「どこが?」(同時に)
ジェシカ:「そういうところがよ。本当、見てて飽きない」
ギルバート:「俺達は、見世物でもなんでもないよ・・・」
ジェシカ:「気を悪くしたなら、ごめん。またやっちゃった・・・」
ギルバート:「また?」
ジェシカ:「ええ。私ったら昔からいっつもこうなの。デリカシーに欠けるというか、なんというか・・・」
アレックス:「そうか? 俺は別に気にしなかったぜ」
ジェシカ:「それなら良かった。ねぇ、一緒のクラスになったんだし、良ければだけど、私とも仲良くしてくれない?」
アレックス:「心配しなくても、そのつもりだよ。なぁ?」
ギルバート:「そうだな。変にいがみあっても、つまらないし」
ジェシカ:「2人共、ありがとう! じゃあ、改めて、これから2年間、よろしくね!」
アレックス:「おう! 良きライバルとしても、よろしくな!」
ギルバート:「望むところだ」
ジェシカ:「負けないんだから!」
ギルバート(N):「ジェシカを初めて見た時、胸がドキッとした。彼女のように、綺麗な子は今まで見た事がなく、
私は彼女が気になり始めていた。
運動力も抜群で、授業をなんなくクリアしていき、本当、見事だった。
それにたいして、アレックスは・・・」
間
(訓練、意気揚々と訓練をこなすジェシカ)
ジェシカ:「2人共、遅い遅い! そんなんじゃ、置いていくわよ!」
ギルバート:「悪い、ジェシカ、先に行っててくれ」
ジェシカ:「え? 何かあったの?」
ギルバート:「あれだ・・・」
ジェシカ:「あぁ・・・」
アレックス:「おいっ・・・。なんでそんなに早いんだよ・・・。もう少し・・・ゆっくり走ろうぜ・・・」
ジェシカ:「アレックス、それじゃ訓練にならないでしょ! もっとペースあげて!」
アレックス:「そんな事・・・言われても・・・。足が上手く動かな・・・あああああ!」
(盛大にこけるアレックス)
ジェシカ:「ちょっと、大丈夫!?」
アレックス:「・・・はぁ。足痛いし、今日は訓練終わり!」
ジェシカ:「えっ? それは駄目よ!」
ギルバート:「そうだぞアレックス。いくらなんでもそれじゃあ、教官に怒られるぞ・・・」
アレックス:「なら、俺の事はおいていって結構! さっさと先に進んでくれ!」
ギルバート:「・・・ちゃんと訓練は最後までこなすんだぞ」
アレックス:「・・・あぁ」
ギルバート:「仕方ない。ジェシカ、行くぞ」
ジェシカ:「えぇ・・・」
ギルバート(N):「ジェシカが運動能力抜群に対して、アレックスは運動音痴だったのだ・・・。
普段明るい彼も、その日の夜は
かなり落ち込んでいた・・・。見かねた私は彼に声をかけた」
(学校、屋上)
アレックス:「はぁ・・・」
ギルバート:「こんな所にいたのか・・・」
アレックス:「なんだ、ギルバートか・・・。何の用だ・・・?」
ギルバート:「お前が落ち込んでると思って、慰めにな」
アレックス:「それは、ご丁寧にどうも・・・」
ギルバート:「・・・」
アレックス:「・・・」
ギルバート:「・・・」
アレックス:「・・・あぁ! うっとおしい奴だな・・・。慰めるんなら早くしろよ・・・」
ギルバート:「ごめん・・・。良い言葉が思い浮かばなかった・・・」
アレックス:「本当そういう所、お前らしいよ。・・・だけど、ありがとうな。1人で考え過ぎてて、
どうしようもなくなってたから、助かった・・・」
ギルバート:「それで、何を1人で考えてたんだ?」
アレックス:「色々だよ・・・。俺さ、この学校でやっていけるのかな・・・。お前達と違って運動音痴だし、
何やっても、ドジばかりでよ・・・。本当、情けないよな・・・」
ギルバート:「あぁ。全くその通りだ。情けない」
アレックス:「おいっ! そこは、情けなくないぞ! とかいって、慰めるところだろうが!」
ギルバート:「馬鹿野郎! 今のお前のその心がだよ! なに、つまらない事で、くよくよ悩んでんだ!
それで、よく入学式の時に、良きライバルとしても、よろしくな! だ!
あの時の威勢は、どこに行ったんだよ!」
アレックス:「あの時は、勢いというか・・・」
ギルバート:「俺達のライバルを名乗るのなら、これくらいの試練で、挫けるな!
今の情けないお前に、ライバルって名乗る資格はない! よく頭を冷やすんだな!」
アレックス:「・・・」
ギルバート(N):「今、思えば少々きつく言い過ぎたかもしれない・・・。だが、
その時の私の言葉が心に響いたのか、その夜を境に、
彼は見違えるように、変わり始めた」
間
ジェシカ:「ちょっと、ギルバート。一緒に来て・・・」
ギルバート:「どうかしたのか?」
ジェシカ:「いいから早く」
間
(1人、グラウンドで走り込みを続けるアレックス)
アレックス:「ああああああああああ・・・!!! 痛たたた・・・。くそっ・・・、
なんで足が思い通りに動かないんだ・・・。
胸も苦しい・・・。でも、こんなところで・・・負けてられるか・・・。
あいつらに追いつくんだ・・・。いやっ、追い越すんだ・・・!」
ジェシカ:「あれよ」
ギルバート:「アレックス・・・」
ジェシカ:「彼、変わったわね。一体、何があったんだか・・・」
ギルバート:「さあな」
ジェシカ:「友情の力ね・・・」
ギルバート:「え?」
ジェシカ:「なんでもない! この分だと、彼、私達の中で一番になるかもしれない。
私達も頑張らないとね!」
ギルバート:「そうだな!」
ギルバート(N):「ジェシカの言う通り、アレックスはその後も、どんどんと才能を開花していき、気付けば、
養成所学校で一番になっていた。そして、卒業式の日・・・」
(学校、屋上)
ジェシカ:「2年間、あっという間だった」
ギルバート:「そうだな。辛い時もあったが、乗り越えたな」
ジェシカ:「えぇ。だけど・・・一番その辛い時を乗り越えて、立派になったのはアレックスよね。
彼、たくましくなったわ」
ギルバート:「・・・」
アレックス:「ギルバート! ジェシカ! こんな所にいたのか! 探したんだぞ!」
ギルバート:「アレックス、お前もこっちに来いよ!」
ジェシカ:「早く! 此処からの景色って、最高よ!」
アレックス:「今、行く!」
間
ジェシカ:「改めまして、卒業おめでとう! これで、晴れて私達、エージェントよ」
ギルバート:「そうだな・・・」
アレックス:「どうかしたか?」
ギルバート:「あぁ・・・。思い出してたのさ。あの時の事を」
ジェシカ:「あの時って?」
ギルバート:「アレックスが、此処で落ち込んでた夜をね」
ジェシカ:「え?」
アレックス:「馬鹿! それはもう、忘れていいって!」
ギルバート:「忘れられないさ。あの夜の事は」
ジェシカ:「ねぇ、2人だけで、ずるい! 私にも教えてよ!」
ギルバート:「ジェシカがこう言ってるが、どうする?」
アレックス:「絶対に駄目だ! あんなこっぱずかしい姿、知られたくない!」
ギルバート:「だそうだ。悪いなジェシカ」
ジェシカ:「なんだ。残念。でも、いいわ。それは、2人の大事な思い出なんでしょ」
アレックス:「大事な思い出か?」
ギルバート:「どうだろうな」
ジェシカ:「相変わらず仲が良くて羨ましい・・・。この調子で、これからもよろしくね」
ギルバート:「ということは?」
ジェシカ:「えぇ! ASFのサンフランシスコ支部に、配属が決まったわ!」
アレックス:「やったな! おめでとう! これで、変わらずに3人一緒だな! なっ、ギルバート!」
ギルバート:「あぁ!」
ジェシカ:「だけど、2人は前線でのエージェント活動、私は支部でのオペレーター活動が主になるから、
部署は違うのが残念・・・」
ギルバート:「ジェシカの能力なら、前線に配属されても、おかしくないのにな・・・」
ジェシカ:「体力的な部分で違いもあるから、仕方ないんだと思うけど・・・。納得いかない部分はある。
だけど、前線に出れないってわけじゃないから、慰めなくて良いわよ!
絶対に前線に出て活躍して、2人を圧倒させるんだから!」
ギルバート:「その意気だ! なぁ、アレックス!」
アレックス:「おう! ジェシカなら、絶対、出来る!
前線で、待ってるぜ!」
ジェシカ:「アレックス・・・」
間
ギルバート:「2人とも悪いな・・・。俺はこの後、用事があるから、先に帰る。それじゃあ、今度は職場でな」
アレックス:「おう、またな」
ギルバート(N):「本当は用事などはなかった・・・。私は気付いてたんだ。
アレックスとジェシカがお互いを好きだという事を。
2人が度々、一緒にいて仲良くしてる姿を見て、私の胸は酷く傷んだ。
だが、2人が幸せならと、私は静かに身を引いた。
ASFのエージェントになってからは、そんな傷心気分も引きずれないくらい、忙しく・・・。
気付けば、2年が経過していた。そんなある日、私は、アレックスに呼び出された・・・」
(ASFサンフランシスコ支部、屋上)
アレックス:「よう! ギルバート! 久しぶりだな!」
ギルバート:「アレックス、お前、本当に屋上が好きだな・・・。急に呼び出して何の用だ?」
アレックス:「忙しいのに悪いな・・・。実はさ、お前に話とかないといけない事があるんだ」
ギルバート:「話?」
アレックス:「あぁ。実はな、俺・・・ジェシカと結婚したんだ。それと、1歳になる息子もいる」
ギルバート:「そうか・・・」
アレックス:「なんだよ。もっと驚くかと思ってた・・・」
ギルバート:「お前達が付き合ってたの、養成所時代から気づいてたよ。それが結婚して、まさか息子までとはな・・・」
アレックス:「なんだ。気付いてたのか。だったら、早く言えよ。俺はこれでも悩んだんだからな! いつ、打ち明けようかって」
ギルバート:「本当・・・お前は昔から、悩んでばかりだな。息子の名前は?」
アレックス:「・・・マックス。どんな事でも全力で、立ち向かって欲しいという願いから付けた。どうだ? 良い名前だろう!」
ギルバート:「マックス・・・か。お前らしい名前だ。お前とジェシカの子だ。きっと逞しく育つさ」
アレックス:「あぁ。そう願ってる」
ギルバート:「ジェシカは・・・、元気なのか?」
アレックス:「元気だよ。暫く、育児休暇で現場から離れていたが、今日から復帰出来ると、喜んでた」
ギルバート:「ジェシカらしいな・・・」
アレックス:「全くその通りだな・・・。おっ、噂をしたら、ジェシカからだ!もしもし・・・」
ジェシカ:「ねぇ、聞いて! ビッグニュースよ! いち早く伝えたいと思って、電話かけちゃった!」
アレックス:「ビッグニュース? ちょうど良かった。今、ギルバートも近くにいるんだ。テレビ電話に切り替える」
間
ジェシカ:「はあい! ギルバート、久しぶり! 元気だった? ちょうど良かった! ギルバートにも、是非、聞いて欲しいの!」
ギルバート:「久しぶり。ジェシカ。
聞いて欲しい事って?」
ジェシカ:「私ね、前線の任務が決まったの!」
ギルバート:「本当に!?」
ジェシカ:「えぇ! やっと、長年の夢がかなったのよ!」
アレックス:「おめでとうジェシカ! それで、いつから任務なんだ?」
ジェシカ:「それが・・・。急な話なんだけど・・・、実は今・・・、飛行機で向かってる所なのよ。」
アレックス:「飛行機でって・・・。じゃあ、マックスは・・・?」
ジェシカ:「それなら心配しないで。ベビーシッターに頼んだから、心配無用よ」
アレックス:「それなら良いけど・・・。お前にとっては初任務だ。くれぐれも、気を付けるんだぞ。
ジェシカ:「わかってるわよ。心配しないで! 上手くやってみせるから!
じゃあ、アレックス、帰ったらマックスのことよろしくね!
明日には帰るわ。
ギルバート、バタバタしちゃってごめんね。
また、今度ゆっくり話しましょう! じゃあね!」
ギルバート:「あぁ。楽しみにしてるよ。」
アレックス:「急すぎて、何が何だか・・・。だけど、前線での活躍はあいつの夢だったし、無事に帰ってくることを祈るよ」
ギルバート:「そうだな」
間
ギルバート(N):「だが・・・ジェシカの夢はかなうことはなかった・・・。彼女の乗っていたASF専用の飛行機は、
謎の組織の攻撃により、海で焼失。
私も、アレックスも、その知らせを、ASFから聞いたときには、愕然とした・・・。
そして、更に月日は流れ、4年が経った・・・。
そう・・・。忘れもしない・・・。あの日がやって来たのだ・・・」
(ASFサンフランシスコ支部、屋上)
アレックス:「ギルバート・・・。
ついに・・・、あの時の借りが返せる・・・」
ギルバート:「ジェシカのか・・・?」
アレックス:「あぁ・・・」
ギルバート:「奴らの組織の詳細が、わかったのか?」
アレックス:「昨日、新たな情報が入ったんだ。組織の建物らしき場所が、判明したって」
ギルバート:「そうか・・・。
・・・潜入するのか?」
アレックス:「勿論そのつもりだ! このままでは、ジェシカの仇(かたき)が・・・」
ギルバート:「全くお前は、相変わらずだな・・・。何かあると、この屋上に来るんだな」
アレックス:「悪いかよ・・・。この屋上は、ジェシカにプロポーズした場所でもあるんだ。
俺にとって・・・、思い出のある場所なんだ・・・」
ギルバート:「此処で、ジェシカにか・・・。それじゃあ、そのジェシカの為にも頑張らないとだな!
アレックス:「一緒に、付いてきてくれるのか?」
ギルバート:「当たり前だろ! 今更、遠慮なんて水臭いぞ」
アレックス:「サンキュー! ギルバート・・・!」
ギルバート:「それで、いつ潜入するんだ?」
アレックス:「今夜だ。その建物で何か行うらしいから、それを阻止する。
もしくは、建物を破壊するのが、俺達の任務だ!」
ギルバート:「了解! アレックス・・・。そこには、ジェシカの情報も・・・」
アレックス:「それは、わからない・・。だけど、何かしらの情報は掴めるはずさ!」
ギルバート:「そうだな。・・・それじゃあ、今夜」
アレックス:「あぁ・・・」
ギルバート(N):「この時に、私が強くアレックスを止めていたら、未来は変わったのかもしれない・・・。
だが、そう出来なかった私は、アレックスと、謎の組織の建物に潜入した。
順調に任務を遂行してたと思った矢先に、その事件は起こった・・・」
アレックス:「此処が、この建物の情報端末が置いてある部屋か・・・。それにしても何だか静かすぎる・・・」
ギルバート:「あぁ・・・。此処までに来る間に、やけに監視も少ないし、気になる・・・。
嫌な予感がするし、早く出よう・・・」
アレックス:「そうだな・・・。とにかく、ここの情報をいただくとしよう。ギルバートは、そっちの端末を頼む」
ギルバート:「わかった。それにしても、凄い情報量だ・・・。これは一体・・・」
アレックス:「おいっ! これを見ろ。組織はどうやら・・・、何か、重要なプロジェクトを始めてるらしい・・・」
ギルバート:「プロジェクトα(アルファー)・・・。どんな内容なんだ・・・?」
アレックス:「内容はだな・・・」
(警報装置が鳴り響く)
ギルバート:「警報!? おいっ、アレックス! やばいぞ!!!」
アレックス:「あぁ・・・! だけど・・・! この内容だけでも、USBメモリーにデーターコピーを・・・!」
ギルバート:「おいっ! まだか・・・!?」
アレックス:「後少し・・・だ! よし、コンプリート! ギルバート脱出するぞ!!!」
ギルバート:「了解!!!」
間
ギルバート(N):「アレックスと私は、必死に逃げた。だが、警報により増えた警備員の銃で、アレックスが撃たれた・・・」
アレックス:「くっ・・・!!!」
ギルバート:「アレックス!!! 大丈夫か!?」
アレックス:「・・・足を撃たれた・・・! もう、走れそうもない・・・」
ギルバート:「仕方ない・・・。こっちに隠れるぞ・・・! ここなら暫くは・・・」
アレックス:「それにしても、なんで潜入がばれたんだ・・・!」
ギルバート:「わからない・・・。さっきまで、警備も少なかったのに、いつの間にこんなに・・・!」
アレックス:「まさか・・・!?」
ギルバート:「おいっ! アレックス!!! ノートパソコンなんか出して、どうする気だ!?」
アレックス:「・・・」(必死に何かを調べている)
ギルバート:「おいっ、そんな事してる場合じゃ・・・」
アレックス:「これは・・・!!!」
ギルバート:「何かわかったのか?」
アレックス:「そうか・・・。そういう事だったのか・・・。くそっ!!! 急がなければ・・・!!!」
ギルバート:「おいっ、アレックス!!!」
アレックス:「・・・後、もう少し」(ノートパソコンで何かの作業を始める)
ギルバート:「おいっ、向こうから警備員が! このままじゃ、2人ともタダではすまないぞ!」
アレックス:「よしっ! これで良い!!!
ギルバート・・・、頼みがある!」
ギルバート:「こんな時になんだ?」
アレックス:「これを・・・。持っててくれ」
ギルバート:「シルバーのロケットペンダント? これは一体、何なんだ!?」
アレックス:「ギルバート・・・!!! マックスを・・・、頼む・・・!!!」
ギルバート:「アレックス!?」
アレックス:「此処からなら死ぬことは無い!!! お前だけでも逃げろ!!!」(ギルバートを外めがけて、突き飛ばす)
ギルバート:「・・・アレックスーーーー!!!!!!!!!!!!」
アレックス:「頼んだぞ・・・! ギルバート・・・!」
間
ギルバート:「痛っ・・・。全くあいつは・・・。こうしてはいられない・・・。早く助けに行かないと・・・!」
(その次の瞬間、建物は爆破)
ギルバート:「ぐわあああああああああああああああ!!!!」
間
ギルバート(N):「私はアレックスを助けに行こうとした。だが、次の瞬間、建物は爆破をし、
私は、その爆風に吹き飛ばされ、気を失った・・・。
暫くして、目覚め、見た時には建物は跡形もなく・・・、私の手には、アレックスから託された、
シルバーのロケットペンダントがあるだけだった・・・。
そして、呆然としながらも、私は彼に託された、彼の息子、マックスの元へ向かった・・・。
そう、この日から始まったのだ。
私とマックスと、マックスが出会う仲間と謎の組織との・・・、闘いの日々が・・・」
ギルバート:「次回予告」
アレックス:「戸惑いながらも、マックスを育てるギルバート」
ジェシカ:「それに応え、順調に成長するマックス。そして11年後・・・。物語は、いよいよ始まる・・・」
ギルバート:「次回、アニマルエージェント エピソード1、お楽しみに」
終わり
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